結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年08月17日(土曜日)

「機械化・工業化・近代化」と「現代化の中の人間だもの」

Uターンラッシュ。
今日がそのピーク。
お疲れ様。

甲子園は、
今日、明日が、
3回戦。

ベスト8が決まって、
明後日の月曜日が、
準々決勝。

3回戦と準々決勝。
この3日間が、
いちばんおもしろい。

しかし準決勝、決勝が見えてくると、
秋の気配が忍び寄ってくる。
蜩の声など耳に残る。

夕焼け空が、
その空に浮かぶ雲が、
いちばん、よく表わしている。
20130817205816.jpg
モスクワの世界陸上は、
最終盤の男子マラソン。
これもスリリング。

さて今日もニュースは多いが、
それは来週にして、
『ほぼ日刊イトイ新聞』

巻頭言の「今日のダーリン」を、
糸井重里さんが、
今日も書く。

「人間がやっていた仕事を、
機械にやってもらうことによって、
ずいぶんと人間の暮らしはラクになった」

「人間がしょうがなくやっていたことは、
どれだけ機械にまかせらえるか、
それを考えては実現していく歴史があった」

「機械化・工業化」という。
「近代化」とも呼ばれる。
そこで、こうなった。

「機械にはできないことだけ、
人間がやればいいんだ。
疲れる力仕事や単純な労働は機械がやってくれる」

では、人間がやる仕事は何か。
「考えたり管理したりする頭脳系の仕事こそ、
人間のやる仕事なのだと思っていた」

ところが。

「コンピューターって機械が出てきて、
脳みそを使ってやるような仕事も、
人間の代わりにやってくれるようになった」

そこで恐ろしいことが起こる。

「機械に仕事をまかせて、
ラクができると思っていたら、
じぶんの仕事もとられちゃったのか‥‥」

では、私たち人間は、
どんな仕事を担当するのか。
第1に、「機械にはできないこと」。

「よりクリエイティブなこと、
よりアートなこと」。
つまりは難しいこと。

第2は、「人間がしたくてたまらないこと」。
「人間が、もともと機械に渡すつもりのない仕事は、
人間のところに残る」

第3は、「機械にもできるけれど、
人間がしたほうが市場で有利になること」。

糸井さんは「例でいえば、すし職人の存在」という。

小売業やサービス業の接客の仕事。
お客の喜びを考えだす仕事。
商品を手当てし、開発する仕事。

新しい売場や店舗をつくる仕事。
競争する仕事。
イノベーションを成し遂げる仕事。

教育し、訓練し、人事する仕事。
コミュニケートし、情報交換する仕事。
そういった仕事をする人たちをマネジメントする仕事

感動を創り出す仕事。
共感を生み出す仕事。
希望を編み出す仕事。

糸井重里の結論。
「市場が、『人間』を望んでいれば仕事はなくならない。
このケースが、とても興味深いんだよなぁ」

言わんとするところはマーケティングだ。

機械に対する糸井の優しい配慮。
「電気洗濯機くらいの機械が、
いちばん喜ばれていたよねー」

コモディティ化現象は、
機械化、工業化、近代化の結果、
現れた。

「電気洗濯機くらいの機械」は、
コモディティ化の寸止めを、
見事に表現していると思う。

表現する仕事。
書き、記し、描く仕事。
考える仕事。

これも人間の仕事だ。

走ること。
投げ、打つこと。
頑張ること。

なんだ、
主役は、
みんな人間の仕事だ。

機械化、工業化、近代化。
心配することはない。
憂慮することもない。

「現代化」とは、
人間であることを、
思いだすことだ。

つまづいたって
いいじゃないか
にんげんだもの

〈相田みつを〉

現代化のなかの人間は、
相田みつをとは、
ちょっと違うのかもしれない。

〈結城義晴〉


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