ひとまず「完成度を求めない」とイオン葛西店のG.Gモール
ヤンキースのイチロー。
4000本安打達成後の記者会見でコメント。
「こういった区切りのいい数字は
1000回に1回しかこない。
4回重ねられたことに
とても満足している」
この日本語の表現の仕方は、
極めて英語的だ。
イチローは日本人離れしてきた。
それがよくわかる。
「僕の場合、8000回以上
悔しい思いをしている。
その悔しさと常に向き合ってきた事実は
誇ることができる」
この言い回しも、ひどく、
日本の野球人離れしている。
「8000回以上の悔しい思い」とは、
4000回ヒットを打っているが、
8000回アウトになっているということ。
これも3回に1回、
安打を打っているのだから、
野球の世界ではもの凄いことで、
イチローはその8000回も、
許せないと考えている節がある。
このコメントに対して、
まったく同期させた如く、
『ほぼ日』で糸井重里が発言。
「ほーんとに、
今日はね、いいこと言うよ。
ほんとに、ほんと。
ほんとにほんとのこと言うときには、
あんまりほんとを強調しないものなんだけど、
これは、ほんとだってば」
大発見をしたかのごときイントロ。
「炎天下、出勤途中の
いつもの路地を歩いているときに、
『そういうことだぁああああっ!』
とひらめいたんだ」
まだまだもったいをつける。
何にひらめいたか。
「『完成度』が100%
なんてことは、ない」
「完成度100%とか、完璧とか、
人びとは、ことばには出すけれど、
そんなものはない」
言い切る。
「だとしたら‥‥だよ。
ひとまず『完成度』のことは、おいといて、
いろんな判断をしたほうがいいんだ、
と思った」
・・・・・「完成度」のことを考えなければ、
世の中には綺麗な人が
いーーーっぱいいるよ。
・・・・・「完成度」のことさえおいといたら、
あちこち、あれこれ、うまいものだらけだよ。
・・・・・「完成度」は30%でも、
魅力的なものは山ほどあるよ。
・・・・・みんな、「完成品」の価値を基準にして、
あれこれ判断し過ぎてるんじゃないか‥‥と。
・・・・・「完成度」を先に考えちゃうと減点法になる。
ひとつもいいものなんか見えなくなっちゃうんだ。
・・・・・逆に、「いい点」をどんどん加算して見るのが、
世の中をイケメンだらけ、
美女だらけにする方法だ。
コンテスト型競争の時代の、
これは一つの在り方だと、私も思う。
糸井重里言うところのコツは、
「ひとまず完成度のことは考えないことだぜ~」。
イチローのコメントは、
イチローだけのものとして、
賛美するのはいいけれど、
自分はひとまず、
「完成度」を考えない。
小売業・サービス業、
売場は常に変化する。
そこでひとまず、
完成度は考えない。
だから「完全作業」などという言葉は、
使わない、考えない。
「完全作業」は工業化のなかで、
機械がやること。
人間さまは、ひとまず、
「完成度」を考えない。
いかが?
さて今日は朝から、
東京・江戸川区の西葛西駅へ。
それからイオン葛西店へ。
この店が、今、凄い。
月刊『商人舎』9月号の取材。
応じてくれたのが、
杉原博文店長。
イオンリテール㈱南関東カンパニー
東京山梨事業部 葛西店店長。
杉原さんこそ、
情熱のある知識商人。
おりしも、ダイエーがイオンの子会社になる。
昨日から、
総力祭が展開されている。
葛西店は、
イオンリテールやダイエー全店の、
モデルになっている。
私も十二分にモデルたりえると思う。
90分以上もインタビューに答えてくれて、
その後、90分以上店内をご案内くださった。
心から感謝。
この店は、4フロアの既存店。
しかし1日も休まず、
見事にリニューアルを果たし、
前年比120%の成績を収める。
そのコンセプトは、
グランド・ジェネレーションを
ターゲティングすること。
だから4階は、
「グランドジェネレーションズモール」と、
名づけられている。
略してG.Gモール。
杉原店長の言葉では、
「アクティブ・シニア」。
そしてこのターゲットに対して、
アウトスタンディングな、
ポジショニングを確立すること。
4階の未来屋書店のスペース。
1階の惣菜コーナー。
これでもかこれでもかと、
丁寧にていねいに、
アクティブ・シニア対策が展開される。
そしてそれがファミリー客まで引き込む。
「素晴らしい」
私は何度もなんども、
この言葉を発してしまった。
そして杉原店長と固い握手。
詳細は月刊『商人舎』9月号。
9月10日発売。
総合スーパーの復活は、
この店のサクセススタディによって、
確かに裏付けられた。
もちろんこれを、
古典的チェーンストア理論で、
そのまま水平展開できるものではない。
各店が、各店長が、
自分の顧客を見て、聞いて、
自分のマーケットを知って、
自分で考えること。
現場取材は、いい。
感動の取材が終って、
横浜に戻り、
港北区役所へ。
8月25日(日曜日)に、
横浜市長選挙がある。
その期日前投票。
私は明日から、秋田県の大曲に出張。
だから、期日前投票。
選挙に行こう!
投票しよう。
「投票証明書」も貰ってきました。
しかしイオン葛西店。
素晴らしかった。
ひとまず「完成度」は考えない。
しかしひたむきに顧客を見る、聞く。
そしてひたむきに努力する。
それが杉原博文の仕事ぶりだ。
おめでとう。
ありがとう。
〈結城義晴〉
「追伸」
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