ワシントンDCの「伝統型」が「二つのW」に比較される競争
大リーグ・ワールドシリーズ第2戦。
ボストン・レッドソックスが惜敗。
セントルイス・カージナルス、
さすがのナショナルリーグの名門。
ワールドシリーズを11度、制覇している。
上原浩治はボストンの抑えの切り札。
2対4で負けていたが、9回に登場して、
三者凡退に抑えた。
まずまず。
田澤純一は、7回に登板し、
自分のシゴトを果たした。
こちらもまずまず。
これからまだまだ面白くなる。
日本には台風27号接近。
今年は台風の当たり年。
準備万端怠りなく。
日経新聞の一面トップ。
みずほ銀行の暴力団融資問題。
役員30人以上を処分する方針。
佐藤康博頭取は半年間無報酬、
塚本隆史会長は辞任。
ただしみずほフィナンシャルグループ会長職は、
続投の見通し。
これは甘い。
コンプライアンス担当役員更迭、
その他の常務執行役員以上が減給、
2010年に問題が発覚した当時の西堀利頭取には、
報酬の自主返納を求める。
こちらの一昨日の私の講義で、
寡占から三占、そして複占への現象を語った。
その時に、みずほ銀行を例に引いた。
判断が遅い。
きっぱりと意思決定し、
すべて明らかにして、
最高責任者は退くべきだ。
さてダラス3日目は、
朝、5時モーニングコール。
5時45分にホテルを出発し、
ダラス・フォートワース空港へ。
早朝でもメンバーは元気。
首都ワシントンDCへの3時間の旅。
ラウンジでブログを書き上げ、
ぎりぎりの搭乗。
危なかった。
ダラスの街よさようなら。
私は1週間後に、
また訪れるけれど。
雲海の上は青空。
ワシントンDCが見えてきた。
ホワイトハウスよ、
こんにちは。
2日間の視察になる。
着いたのはワシントンダレス国際空港。
まずウォルマート。
ワシントンDC・アーリントン・アレクサンドリアの地区には、
15店舗を出店し、4.7%のシェア。
採光システムをとり入れた明るい店内。
青果売場の導入部にはハロウィンのカボチャ。
ウォルマートは売場の各所で、
ハロウィン・プロモーションを徹底して展開する。
ハロウィンの菓子売場。
右を向いてもハロウィン。
長い陳列線だ。
子どもたちも大喜び。
そして見つけました。
クリスマス企画。
ウォルマートらしい早仕掛け。
そしてウェグマンズ。
、
米国の首都にやってきた目的は、
ウェグマンズの視察。
2011年12月度の売上高67億3600万ドル。
100円換算で6736億円。
伸び率は8.7%。
店舗数は81だから、
1店舗あたり83億円を売り上げる。
この地区では
8店舗を出店し、
4.0%のシェア。
店舗入り口で展開される圧巻の青果売場。
organicにも力を入れる。
ウェグマンズを初めて視察するメンバーに、
レクチャー。
美味しいフードサービスメニューで昼食をとり、
元気に視察をするメンバーたち。
急きょ、インタビューが決まり、
レジ前で待つ間に、
インフォメーションを見るメンバー。
ウェグマンズはストレッチ体操を、
従業員に推奨している。
ストレッチ方法が写真で紹介されている。
それを真似る廣岡聖司さん。
㈱廣甚社長。
そしてフランクさんにインタビュー。
生鮮食品担当マネジャー。
15歳でウェグマンズのアルバイトを経験し、
ウェグマンズにほれ込んで就職したナイスガイ。
ウェグマンズの歴史からCSとES、
クラブカードの実際までを語ってくれた。
ウェグマンズのメニュー本をもらって、
メンバーたちも感謝。
超多忙で数分だけというインタビュー時間は、
20分ほどに。
髭のフランクさんに感謝。
さてこの地区のトップ企業は、
ジャイアントフード。
1932年創業の地元スーパーマーケット。
1998年、オランダ資本に買収される。
その名もロイヤル・アホールド社。
現在、子会社のアホールドUSAの傘下。
スーパージャイアント、
スーパージャイアントフード、
ジャイアントフードの、
3つのバナー(店舗ブランド)で、
124店舗を展開。
シェアはダントツの32.0%。
いわゆる伝統的なスーパーマーケット。
コンベンショナル型と呼ばれる。
やや競争のゆるいこの地では、
しっかりと固定客を持つ。
日本のスーパーマーケットに似ていて、
「安心感がある」というメンバーからの感想。
青果売場を抜けると冷凍食品の売場。
奥主通路にミート売場。
そしてその隣には、調剤薬局。
店舗奥中央に位置するこの調剤薬局が、
固定客づくりにつながっている。
フードライオン。
2001年に、
ベルギー資本のデレーズアメリカの
100%子会社になる。
デレーズアメリカは
ハナフォード、ハーベイズなど、
ローカル・スーパーマーケット企業を有し、
1650店舗を展開。
年商は、192億3000万ドル。
1兆9230億円、伸び率2.2%。
この地区のフードライオンは
63店舗を出店し4.6%のシェア。
この店はリニューアルをしたようだが、
ジャイアントフードと同じく、
伝統的なスタイルの店。
伝統型スーパーマーケットのなかで、
低価格のポジショニングを確保する。
しかしそれは、
ウォルマートやアルディと比較されると、
ひとたまりもない。
そしてハリスティーター。
サービス&クオリティ型のスーパーマーケット。
206店舗のうち、
この地では31店舗を出店。
4.5%のシェアを持つ。
店は部門ごとに、
屋根のような意匠を凝らし、
専門店の集合体のようなつくり。
主通路に設けられたキッチンコーナー。
おすすめメニューの試食や、
推奨商品の販売を行う。
レジの上部もごらんの通り。
特徴的な店づくりで、
独自のポジショニングを築く。
しかしコンベンショナル型の中の、
高級スーパーマーケットの位置づけ。
だからだろう、
今年6月、
クローガーに買収された。
直近の数値でも
売上高は48億2600万ドル(4826億円)。
伸び率%は17.7ながら、
純利益は9100万ドルでマイナス18.8%。
厳しい数値が、売却の背景にある。
コンベンショナル型の競争のなかに、
ウォルマートとウェグマンズが、
侵入してきた。
それがこの地区の特徴。
結果は、2社の外資傘下企業と、
クローガーに買収された企業が、
ツインWと比較されることになった。
アウトスタンディングな立ち位置のふたつのW。
WalmartとWegmans。
恐ろしい現象が、
普通に展開されている。
ワールドシリーズのように、
そしてメガバンクの複占のように、
最後には、
マーケット・リーダーと、
マーケット・チャレンジャーとの、
ふたつの存在によって争われる。
もちろんマーケット・ニッチャーは、
様々に個性を競う。
(つづきます)
〈結城義晴〉