「際の勝負と早仕舞い」と「負け戦の闘い方」と「時間による熟成」
Everybody! Good Monday!
[2013vol52]
2013年最後の週。
と言っても、明日まで。
明後日から2014年。
午年です。
MrMaxオリジナルd-torsoを組み立てた。
社長の平野能章さんから、
年末ご挨拶として贈ってもらった。
Christmasまでは、
トナカイだった。
Christmasのあと、
角を外せば馬になる。
この平野さんの無茶な要求を、
アキ工芸社の松岡勇樹さんが、
引き受けて完成。
d-torsoはダンボールでつくるペーパークラフト。
その芸術性は国内外から高い評価を受ける
ありがたく頂戴し、
組み手てて、
新年を迎える。
さて、
早仕掛け、
早仕舞い、
際の勝負。
そう言い続けて、
今年1年が終始した。
年末商戦も、
際の勝負となってきた。
奮闘を祈念したい。
しかし、何事も、
際の勝負となったら、
あとは「やるっきゃない!」
土井たか子さんのキャッチフレーズ。
元日本社会党委員長。
世論を味方につけ、
人心が前向きになっているときに、
「やるっきゃない!」
これはうまくいく。
バラク・オバマ大統領も、
人気絶頂の時に、
「Can you change?」
これもうまくいった。
風向きも悪く、
機も熟していない時に、
何を言っても、
普通は動かない。
そこでも一人ひとりを鼓舞し、
全員をその気にさせて、
前に一歩進ませるのが、
真のリーダーだろう。
つまり、「負け戦の正しい負け方」。
アゴラの石井孝明さんのブログ。
関ヶ原の合戦の時の島津義弘の闘い方、
実に面白い。
関ヶ原の闘いの戦闘が決着した後、
義弘は1000名の手兵で、
10数万の徳川家康の東軍に向け、
「正面への退却戦」を敢行した。
真正面から果敢に挑み、
残存兵60とともに生き残り、
薩摩の国に帰還。
その後、勝者家康と
これまた決死の外交を重ね、
所領の薩摩・大隅・日向南部を維持。
関ヶ原の敗者で、
所領がそのままだったのは
島津家だけ。
それが268年後の明治維新にもつながる。
たとえ負け戦でも、
死ぬな。
明日につなげ。
これです。
だから「際の勝負」と「早仕舞い」は、
繋がっている。
さて、2013年の漢字。
日本漢字能力検定協会が、
全国から公募して選ばれる。
今年は「輪」だった。
なるほど。
2020年の五輪は、
日本にとってうれしいことだ。
昨2012年は「金」、
東京スカイツリーやロンドン五輪の金字塔。
2011年は「絆」。
東日本大震災の日本の心。
2009年は「新」で、
この年に民主党政権発足。
2008年は「変」で、
オバマ大統領のchange。
2007年は「偽」で、
この年にも白い恋人や赤福餅などで、
偽装表示事件が起こった。
歴史は繰り返す。
こうして年代を遡ってみるのも、
年末の心持ちだろう。
今日の『ほぼ日』で、
糸井重里さんが、
「熟成」について考える。
「野菜と同じように、魚でも、肉でも、
新鮮なほどうまいと
思っている人が多いけれど、
実は、そんなことはまったくないわけで。
おいしく食べるには、
熟成という時間が必要だ」
そして考えは、
食べものから、
仕事に移っていく。
これ糸井の常とう手段。
私も好きだが。
「ものそのものに、
時間だけを加えるということは、
けっこう見逃されているような気がする」
「あれやら、これやらを
プラスするのは、わかりやすいが、
時間を加えるという仕事は、
一見、『ただ待ってるだけ』
のように思われそうだ。
でも、それが大事な場面って、
ものすごくあるんだよな」
「人間のする仕事にしたって、
新たには、なにをすることも不要で、
ただ、『ちょっと待つ』という
時間だけが必要なことがある」
「モノとして姿が見えてないから、
なくてもいいことにされてしまいそうなのが、
時間」
「たいへんに大事なのに、
『効率』ということのために、
かけないほうがいいかのように
思われているのが、
時間」
動く、
見る、
聞く。
その後で、
知る。
考える。
変える。
場合によっては、
伝える。
書く。
表す。
こんなプロセスのなかに、
時間を組み込む。
そして熟成させる。
時間は私たちにとって、
貴重な財産です。
貴重なものを投入するからこそ、
価値が生まれる。
それを信じたい。
年末の際にこそ、
そんなことを思う。
では、みなさん。
Good Monday!
〈結城義晴〉