春分の日に「セブン-イレブン不当労働行為認定」問題を考える
春分の日。
空は青く、
風は強く、
雲は白い。
木々の姿も、
はっきりとしてきた。
祝日法第2条の主旨。
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」
ちょっとでいいから、
自然に親しみたい。
生物を慈しみたい。
それによって、
生きる活力を得たい。
今日から、
第86回選抜高校野球大会。
甲子園も国民に、
生きる活力をもたらしてくれる。
三連休、
商売や仕事に勤しむ人も、
仕事を休む人も、
活力を得てもらいたい。
商人舎MagazineのWeekly商人舎。
金曜日は、
売れ筋&リピート品目がわかる
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IDを持っている人は、
是非、見ておいてください。
既述の仕方を変え、
写真も多用し始めました。
それから昨日のDaily商人舎。
ダラー・ゼネラルの増収増益と
「ライフサイクル・リモデリング」
1879年に、
フランク・ウールワースが、
ワンコインストアという新業態を発明した。
当初はバラエティストアといった。
サム・ウォルトンも、
バラエティストアのフランチャイズに加盟して、
商売の世界に入った。
その1945年は、
5セントと10セントの店だった。
ウォルトンズ・5&ダイム・ストア。
ダイムは10セント硬貨のこと。
それが現在は、
ダラーストアと呼ばれる。
1ドルストア。
5セントが1ドルまで、
20倍にレートが上がった。
しかし今、ダラーストアは元気がいい。
そのトップがDollar General。
1万1123店で、年商175億ドル。
1兆7500億円。
1店当たり1億5733億円。
1万平方フィートの小型店。
そのダラー・ゼネラルが、
生鮮食品まで取り扱い、
さらに小型の店を展開する。
店舗網の目がどんどん小さくなって、
いずれも生鮮まで扱う。
だから全米第2位のセーフウェイが、
業績を悪化させ、買収されてしまった。
チェーンストアの競争原理から、
解き明かさなくては、
アメリカを理解できない。
しかもそのチェーンストア原理は、
商業現代化の中で変質しつつある。
それをどう説明しきるか。
私は今日、
原稿を抱えつつ、
自宅で休養。
考えてみると、
1977年の4月に㈱商業界に入社してから、
原稿を抱えずに休暇を過ごしたことはない。
いつもいつも、
何らかの原稿書きが、
目の前にあった。
さて昨日のニュースだが、
「セブンイレブンの不当労働行為認定」
各紙が報じたが、以下は時事通信から要約。
岡山県労働委員会が、
セブン-イレブン・ジャパンが
コンビニ加盟店ユニオンとの
団体交渉を拒否したことを、
「不当労働行為と認定」。
交渉に応じよと命じた。
セブン-イレブンは、
この岡山県労働委員会に対して、
「フランチャイズシステムのビジネスモデルを
真っ向から否定するものと受け止め、
上級庁や司法の適正な判断を求めていく」。
同ユニオンの結成は2009年。
コンビニ加盟者の全国組織だが、
連合岡山傘下の労働組合。
一方、セブン-イレブンは、
「加盟店主は独立した事業者」として、
労働組合と認めていない。
だから団体交渉を拒否。
そこで同ユニオンが、
「不当労働行為の救済」を申し立てた。
2010年3月のこと。
裁定まで4年がかけられた。
しかしこんな場合、
労働委員会は大抵、
「不当労働行為」と認定する。
命令書には書かれている。
「事業者とはいえ独立性は希薄で、
労働組合法上の労働者に当たる」。
実に現代的な問題だ。
一方は、主張する。
セブン-イレブンのオーナーたちは、
オーナーという一事業者ではないのか。
なぜ、労働組合に加盟できるのか。
労働法が適用されるのか。
他方は反論する。
いや、その実態を見れば、
労働者以外の何者でもない。
昨日の日経ビジネス・オンライン。
【続報】ユニクロ・柳井正氏が語る
パート、アルバイト正社員化の真意
3月11日の入社式の講演を、
全文掲載。
それがいい。
この中で、
柳井さんは述懐する。
「一番大きな失敗は、
店長を主役にしたこと」
「販売員は機械じゃない」
「部下がおびえる経営者はいらない」
柳井さんは、
販売員こそが商売の主役だという。
コンビニで言えば、
店員のアルバイトやパートタイマー。
そして一番好きな言葉。
「店は客のためにあり
店員とともに栄え
店主とともに滅びる」
これは倉本長治先生の言葉。
柳井さんに第1回商人大賞が授賞された時、
私が贈った言葉。
セブン-イレブン加盟店オーナーで、
同時にコンビニ加盟店ユニオンの組合員。
労働委員会からは支持されたが、
自分たちは長治の言う「店主」ではないのか。
またセブン-イレブンは、
少なくとも労働問題に対して、
「不当労働行為」と断じられてしまった対応を、
真に考え直す必要がある。
商業現代化の典型パターンが、
ここに現れてきている。
そして議論は次の段階で深められる。
よい三連休を。
〈結城義晴〉