ロンドンのテスコ/アズダ/アルディ/ピープルズからバルセロナへ
Everybody! Good Monday!
[2014vol15]
2014年第16週。
4月も第2週。
新学期、新年度が始まって、
もうゴールデンウィークが射程に入る。
しかし今年の黄金週間、
飛び石連休。
例年に比べれば、
インパクトの薄い期間だ。
憲法記念日とみどりの日が、
土曜・日曜にかかる。
しかも消費増税直後のゴールデンウィーク。
家庭内イベントも、
「安近短」。
だから小売サービス業側で、
「何かを変えること」。
商人舎Magazineの
ウィークリー商人舎日替り連載、
「月曜朝一」で提案している。
しかしスペイン。
日曜日は店を開けてはいけないと、
法律で決まっている。
メルカドーナもカルフールも、
閉店中。
外食だけは観光客のために、
店を開けてよいが、
「書き入れ時」の日曜日が、
「書き入れない時」になる。
それでいて経済不況から抜け切れない。
不思議な国だ。
さて私はロンドンからバルセロナへ。
ヒースロー空港のラウンジで、
原稿書き。
乗り込んで・・・・・
2時間ちょっと。
ピレネー山脈。
地中海が見えてきた。
そしてバルセロナ。
空港に着いたらすぐに、
グラシア通りのチャペラ。
TXAPELA。
ピンチョス専門店。
ピンチョは串のこと。
つまり串刺し料理。
美味。
ここで、パソコンを開いて、
ブログを書いた。
昼食もゆっくり。
それがスペイン流。
ランチが終わったら、
グエル公園へ。
アントニオ・ガウディがつくった公園。
すばらしい。
ここで全員写真。
陽ざしのかげんで、
逆光にならないように解説。
みんな聞いてくれて、
ハイ、ポーズ。
最後にサグラダ・ファミリア。
ガウディ設計の聖家族教会。
完成はいつのことか。
工事現場を見せて、
しっかり金をとる教会。
年商?60億円也。
完成まで、
必ず生きてやる。
そう決意した。
と、スペインでの初日は、
日曜日で小売業が全部、
店仕舞いしていることもあって、
観光に徹した。
しかしこれも勉強。
その前の日、すなわち、
ロンドン3日目最終日は、
テスコエクストラ視察。
テスコエクストラはハイパーマーケット。
衣食住のフルライン大型店。
2班に分かれて、
ジェイソン・フィンチ店長と店次長に店内を案内してもらう。
その後会議室で、質疑応答。
実にいい質疑応答で、
またまた1時間を超えた。
この模様は、月刊『商人舎』で、
公開予定。
フィンチ店長と固い握手。
そして全員での記念写真。
次にアズダへ。
1999年に米国のウォルマートが、
このアズダを買収して、
イギリスに侵攻。
アズダもそれに見事に応えて、
テスコ、セインズベリーの後塵を拝していた企業を、
第2位に躍進させた。
この店は大成功を収めていて、
凄い客数。
イースター直前の購買を、
ごっそり奪い取っている。
絶好調の時のアメリカのウォルマートを、
私は思い出していた。
それくらい、凄い。
日本のスーパーマーケット各社は、
ウォルマートを勉強するよりも、
アズダを学んだ方がいい。
そんなことすら感じられた。
アズダが、
ウォルマートの傘下に入って成功した理由。
それはアズダの強みを忘れなかったからだ。
ウォルマートもそれを認めた。
だから生鮮食品は、
ウォルマートよりもいい。
ファッションのジョージも、
ウォルマートよりも、いい。
自分の強みを活かすこと。
ピーター・ドラッカー先生も強調している。
アズダにはそれがある。
次に、アルディ。
ドイツから進出してきた小型ディスカウンター。
その最新店を続けて2店。
ドイツやアメリカのアルディよりも、
生鮮食品を強化して、
独特のポジショニングを獲得。
こんなに混んでいるアルディは、
見たことがない。
ニューヨーク・マンハッタンの店以上。
インストアで焼いたばかりのパンを、
販売している。
そしてレジは、
トレーダー・ジョーのニューヨーク店と同じ。
何度も言うが、
こんなアルディ、
ドイツでも見たことがない。
すばらしい。
テスコもこれには、
大いに手を焼いている。
そのあと、
ピープルズ・スーパーマーケット。
店舗スタッフ・ダニエル君にインタビュー。
NHKで取り上げられた店。
たった1店だが、
1000人の会員顧客が、
月に4時間、店で働く。
究極の顧客参加型小売業。
そして最後にウェイトローズ。
ハイセンスのショッピングセンターに入居。
百貨店のジョン・ルイスの食品部隊。
デパートメント・マネジャーの
ディーン・ペロットさんにインタビュー。
百貨店系スーパーマーケットとしては、
イギリスで唯一、成功している。
当然、高級路線だが、
それでもテスコやセインズベリー、アズダを、
ベンチマークしているという。
ここまで、ロンドンの食品小売業を、
駆け足で見てきた。
アメリカがウォルマートを中心にした、
メリーゴーランドとすると、
イギリスはテスコが中心となった、
メリーゴーランド。
そのテスコがFSPを展開している。
ID-POSを活用した
フリークエント・ショッパーズ・プログラム。
ウォルマートがEDLPであることと対比的。
ではローカルチェーンはどうするんだろう。
その解答は月刊『商人舎』5月号で。
ご期待ください。
最後に日経歌壇より三首。
消費税上がる瞬間
ポンという音などしない
静かな夜更け
〈富士見 蛭沼考人〉
歌詠みまで消費税をテーマにするご時世。
6か月おいしい食事ありがとう
ごちそうさまと朝ドラ送る
〈東京 辻俊行〉
日常生活を支える商売は、
朝が大切だ。
スーパーの前面にゐる鳩達を追へば
必要最小限逃ぐ
〈松戸 吉田正男〉
「スーパー」が歌に出てくる。
私はこういった短歌や俳句、
大好きだ。
では、みなさん、まだまだ、
ヨーロッパで頑張ります。
みなさんも、月曜日には、
Good Monday!
〈結城義晴〉