結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年07月05日(土曜日)

独立記念日のダラス小売業奮闘記「星条旗と扇風機」⇒わかるかな?

アメリカン航空176便。
20140705145324.jpg

11時間40分で、
成田から直行で、
ダラス・フォートワース国際空港へ。
20140705145339.jpg
今回はファーストクラスで、
本当にゆったりした。

ダラスは気温32度。

独立記念日。
その独立記念を、
自ら楽しみつつ、
一番売場づくりに生かしていたのは、
やはりウォルマート。
20140705145553.jpg

この迫力の演出。
20140705145457.jpg

店舗入り口から、
星条旗のオンパレード。
20140705145525.jpg

これも食品の入り口。
20140705145617.jpg

星条旗を売り込む。
20140705145644.jpg

バナナなど必須の商品は、
必ずボリューム陳列。
20140705145704.jpg

青果部門の鮮度感も、
格段に上がってきた。
20140705145724.jpg

衣料品は高い天井から、
吊り下げるようにして、
水着などをプレゼンテーション。
20140705145759.jpg

ブラジル・ワールドカップの、
各国ユニフォームも販売。
20140705145815.jpg

ウォルマートは広大な売場と、
天井の高さを最大限活用する。
20140705145830.jpg

こちらも、高い高い陳列。
20140705145905.jpg
ライバルのターゲットは、
天井を張っているため、
こういったプレゼンテーションができない。

自転車売場は、
ウォルマートの独壇場。
20140705150013.jpg

奥主通路沿いの島陳列も、
独立記念日一色。
20140705150030.jpg
国民の祝日を、
どこよりも積極的に、
前向きにとらえて、
プロモーションする。

それは創業者のサム・ウォルトン以来の伝統だ。

そのウォルマートの二つ目のフォーマット。
サムズ・クラブ。
20140705150050.jpg

こちらも星条旗と扇風機を組み合わせる。
20140705150113.jpg
星条旗と扇風機。
日本語ならばシャレになっているが、
彼らがそれを意図しているはずはない。

しかし毎年毎年、
工夫することを楽しんでいる。
20140705150128.jpg

シャツのサンプル陳列。
20140705150146.jpg

チーピーさも、想定内?
20140705150158.jpg

ここまでするか?
20140705150210.jpg
クリップ止め。

サムズも休業日を設ける。
20140705150229.jpg
イースター、サンクスギビングデー、
クリスマス、ニューイヤーズデー。

コストコほどではないけれど。

そしてウォルマート・マーケット。
20140705150242.jpg
ウォルマートのスーパーマーケット。

従来はネイバーフッドマーケットと称した。
徐々にウォルマート・マーケットのバナーに転換中。

そして一段と楽しい売場に変わった。
20140705150258.jpg

しかも、わかりやすくて整然としている。
20140705150315.jpg

主通路も広くて、
見通しがいい。
20140705150554.jpg
これで1200坪。

エブリデーロープライスと、
ロールバックの組み合わせ。
20140705150539.jpg
ウォルマートと、
ウォルマートマーケット、
同じセンターから供給される。
つまりマルチ・フォーマットのご利益が、
しっかりとれる仕組み。

さてアメリカの株式市場。
ダウ工業株30種平均が、
初めて1万7000ドル台に乗った。

主要500社の2014年4~6月期の純利益は、
前年同期比約6%増。

このブログでも既報のとおり、
6月には失業率が6.1%に改善された。

低成長・低インフレにもかかわらず、
企業業績は堅調。

増益率が最も高い業種は情報技術。
12%の利益アップ。

しかし、ほぼすべての業種で、
業績向上。

それがウォルマートの売場にも表れている。

しかし小売業も全部が全部、
いいわけではない。

シアーズは、
圧倒的に強かった白物家電分野で、
ロウズに抜かれてしまった。
20140705150403.jpg

JCペニーも業績は回復しない。
20140705150427.jpg

特徴の熟年女性のマネキン。
20140705150509.jpg

この売場だけは、
ちょっと活気がある。
20140705150453.jpg
リズ・クレイボーン。

このブランド自体は、
紆余曲折があるが、
ペニーの売場では、
なぜか燦然と輝くから不思議。

「総合」が苦しむ中、
「専門」は逆にラインロビング。
20140705150627.jpg

クレート&バレル。
20140705150645.jpg

キッチン用品などが主力で、
高い支持を得ている。
20140705150706.jpg
プレゼンテーションも楽しい。
20140705150729.jpg

しかしホームファニシングなどは、
なかなか売りにくそう。
20140705150748.jpg

一方、食品業態は、
いずれも好調。
20140705150804.jpg
その代表格は、
スーパーマーケット第1位企業、
クローガー。

クローガーも独立記念日を、
積極的に仕掛ける。
20140705150831.jpg
入口の花売り場は、
いつも素晴らしい。

青果部門が広がって、
客数の多さを物語っている。
20140705150848.jpg

もちろんオーガニックも。
20140705150901.jpg

そしてディスカウントも。
20140705150920.jpg
マーケット・リーダーは、
全方位的な戦略を採用する。

クローガーはそれを見事に成し遂げる。
原動力はID-POSを活用したFSP。
フリークエントショッパーズプログラム。

そしてホスピタリティ。
その象徴のレジ。
20140705150936.jpg
通常のレジと、
エクスプレスレーン。

そしてセルフレジ。
20140705150953.jpg
絶対に待たせない。

クローガーとともに好調組は、
ホールフーズ。
20140705151027.jpg

この店も独自のデザイン。
20140705151246.jpg

オーガニック葉物は、
芸術的。
20140705151051.jpg

このレベルの高さは、
例外なく保持されている。
20140705151120.jpg

可視率の高いリーチインケースが、
大幅に導入された。
20140705151147.jpg

そしてこんな楽しい床ペインティング。
20140705151258.jpg

鮮魚の対面コーナーに顧客が集中する。
20140705151205.jpg

精肉部門も定評のあるところ。
20140705151220.jpg

この店はワインが広げられた。
20140705151310.jpg

これもフロア・ペインティングの、
9ドル以下ワイン。
20140705151323.jpg

そしてワインカウンター。
20140705151337.jpg

デリはいつもアイテムがチェンジする。
20140705151413.jpg

石鹸類も「ローカル」。
20140705151355.jpg
地元産品をどんどん訴求する。

ホールフーズも、
相変わらず我が道を行きつつ、
絶好調。

我が道を行くからこそ、
好調を維持できる。

あっちを向いたり、
こっちを見たり。

あれを真似て、
これをコピーする。

ブレないはずはない。

つまり自分の顧客無視という罠に陥る。

ウィンコ・フーズも、
ブレがない。
20140705151426.jpg
テキサス一号店。

入口一丁目一番地の、
このフレッシュ・ブレッド。
88セント。
20140705151455.jpg
驚くべき価格と品質。

そしてウォール・オブ・バリュー。
20140705151508.jpg
飛び切りのエンドの連続。

その壁が二回りになった。
20140705151524.jpg

その代りレジ前のウォールを廃止。
ウォールは一カ所でいい。
そんな感じ。

ウォールを抜けると天井がふき抜け。
20140705151539.jpg
これが実にいい。

そして青果部門の壁も、
煉瓦が見えるようになった。
20140705151601.jpg
やや無機的な店づくりだったウィンコが、
温かみを持ってきた。

食品販売は、こちらの方がいい。

バナナの売場も圧巻。
ウォルマートを圧している。
20140705151616.jpg

そしてスープ。
20140705151639.jpg

デリキットもこれだけの陳列量。
20140705151653.jpg

牛乳はいつも、
1ガロン1ドル98セント。
20140705151714.jpg
1ガロンは3.8リットル。
自分で換算してください。

レジのこの賑わい。
20140705151737.jpg
ウィンコも絶好調。

そして最後はイーチーズ。
20140705151806.jpg

かつて一世を風靡したデリ専門店。
20140705151827.jpg

その素晴らしさは今も変わらない。
20140705151842.jpg

シェフが作ったデリ。
それを持ち帰る、
あるいはイートインスペースでいただく。
20140705151857.jpg

サンドイッチは注文に応じて、
作ってくれる。
20140705151910.jpg

店内はシックなヨーロッパスタイル。
20140705151925.jpg
現在、ダラスに4店舗。

ホールフーズがあそこまで、
デリを強化すると、
イーチーズの強みはどこにあるか。

それはワインを中心としたリカー。

もっともっと先鋭的な店になる。
それからメニューの入れ替えも必須。

ホールフーズがそれをやっているのだから。
いくら美味いモノでも、
変わらないものは飽きられる。

今日はこのほかに、
ノースパークセンターに行った。
メーシーズ、ノードストローム、
ニーマンマーカス、ディラーズ、
そしてニューヨーク・バーニーズが核。

このライフスタイルセンターも、
独立記念日の国民が押し寄せて、
にぎわっていた。

にぎわいをつくるのが、
小売りサービス業。

だとすると、どこよりも、
積極的にプロモーションすべきだ。

それを自ら楽しむべきだ。
(つづきます)

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.