ドリス・ドラッカーの訃報と上田惇生「イノベーションが好きになれ」
円安が止まらない。
1ドル110円台に定着?!
そんな観測も出てきた。
円高では輸出産業が困る。
しかし円高が過ぎると、
輸入産業が行き詰まる。
エコノミストは、
100円~110円が望ましいとしている。
アメリカと日本の生活実感を比較すると、
私は120円くらいが妥当だと感じている。
あくまでも生活実感で、
円とドルに対する感覚を重んじたものだけれど。
しかし1ドル70円まで経験した日本人にとって、
海外旅行をする生活実感では、
110円でも随分高くなった気がする。
逆に見れば、
21世紀に観光立国を目指す日本国ならば
1ドル120円くらいの方が、
外国からの観光客を導きやすい。
それでも現状だけ鑑みると、
110円で止められるのか。
日本経済も正念場を迎えている。
さて第6回商人舎ミドルマネジメント研修会。
大きな成果を上げて、終了。
私は昼は講義、
夜は理解度テストの答案を読んだり、
次の講義の準備をしたり、
さらに月刊『商人舎』10月号の原稿を書いたりで、
昼夜を問わず、フル操業。
いま、疲労困憊。
毎日更新宣言ブログも、
ダラス時間で許してもらおう。
こんなに心地よい疲労はないけれど。
ミドルマネジメント研修会3日目の朝。
朝はいつも理解度テストから始まる。
8時15分、スタート。
全員が強いモチベーションを持ち、
同じ課題に取り組むと、
美しく姿勢は揃ってくる。
「整列!!」と声をかけ、命令するだけでは、
それだけでは絶対に姿勢は揃わない。
目的や目標が一致していると、
行動や活動は美しく統一される。
これこそマネジメントの本質だ。
理解度テストが終わった途端、
どっと気分が和む。
すかさず、最終日第1・第2講座。
高野保男講師の作業システムとLSP。
「責任の組織化」のためにも、
作業システムの確立は必須だ。
だから高野先生の講座は、
この商人舎ミドルマネジメント研修会でも、
必聴の内容となっている。
もちろん日本最高レベルの講義だ。
そして特別講義。
上田惇生先生。
もちろん、「ドラッカーの真髄」。
冒頭で、上田先生が報告してくれた。
「今日、ドリス・ドラッカーさんが
亡くなられた。
103歳だった」
ピーター・ドラッカーの愛妻。
ドリス・ドラッカー。
ご冥福を祈りたい。
その上田先生の講義。
淡々としていて、
まさに「ウエダ・ワールド」。
私はこの時間を共有させていただくだけで、
至福の気持ちになる。
そしていつもいつも、
新しい発見がある。
「イノベーションが好きになろう。
イノベーションが好きな会社になろう」
その通りです。
みんな、真剣に聴講。
それぞれのドラッカー。
上田先生の持論。
それを感じ取ったに違いない。
1時間15分ほど、
あっという間に先生の講義が終わり、
質疑応答。
ライフコーポレーションの北村圭吾さん。
営業統括本部担当。
それから㈱ロピア関貴史さん、
食品バイヤー。
ふたりともGood Questionだった。
上田先生は、
頭の中の「ドラッカー文献」を、
検索機能をフル活動させて検証し、
それからゆっくりと答える。
私も脇で、聞いている。
いつも回答は、
一段と深いところから発せられる。
私も補足する。
上田先生がまとめる。
そして特別講義は終了。
いつも必ず、
先生は深々と頭を下げる。
それに対して、
スタンディングオベーション。
素晴らしい講義だった。
心から感謝。
控え室で、ほっと一息。
このひと時が、いい。
先生の次の単行本、
その次の単行本。
ディスカッションする。
私は私の意見を言う。
37年の編集者の経験を活かす。
ありがとうございました。
上田先生を送り出してから、昼食。
最終総括講義。
理解度テストの講評。
それから先生方の講義の補足。
総資本経常利益率(ROA)指標のレクチャー。
それからミドル必須の経営戦略論。
最後はいつも、身振り手振り。
3日間、本当に真剣に聴講してくれた。
聞き手が真剣だから、
話し手もさらに真剣になる。
それが商人舎ミドルマネジメント研修会。
最後の瞬間、
私には胸に詰まるものがあった。
ご清聴、心から感謝したい。
そして私にも、拍手。
ありがとう。
終了後、
㈱成城石井から受講してくれた二人と、
握手して写真。
右が東海林慶さん、
左が中本晴行さん。
この研修会が始まった朝、
会社が買収される新聞発表があった。
ローソンによる成城石井の買収。
心中穏やかであろうはずがない。
私も講義の中で、
「商人舎の本籍地と現住所」の話をして、
元気づけた。
これからも頑張って欲しい。
応援しよう、支援しよう。
いつも、いつまでも。
お世話になったニューウェルシティ湯河原。
みんなの乗ったバスを見送った。
ずっと変わらぬ講師陣。
鈴木哲男先生と白部和孝先生。
高野保男先生。
そして上田惇生先生。
ありがとうございました。
〈結城義晴〉