山男の歌と御嶽山の噴火、米欧の明暗とマルト米国研修出発
朝5時半までかかってしまった。
月刊『商人舎』の入稿作業。
最後の最後まで、
諦めずに、
より良い雑誌にする。
それが私の信条。
白々、夜が明けてくる中、
タクシーに乗って帰宅。
すぐにベッドに倒れ込んで、
仮眠。
3時間ほど眠って、
起きたらゆっくりと、
風呂に浸かる。
ふっと、鼻歌が出てきた。
むすめさん~よくき~けよ♬
やまおとこにゃほ~れ~るなよ~
つぎは、なんだっけ。
そうだ。
やまでふかれりゃよ~
わかご~けさんだよ~
やまでふかれりゃよ~
わかご~けさんだよ~♬
二番はどうだっけ?
やまおとこ~よくき~けよ
むすめさんにゃほ~れ~るなよ~♬
むすめごころはよ~
や~ま~のてんきよ~♬
むすめごころはよ~
や~ま~のてんきよ~♬
神保信雄作詞の「山男の歌」。
作曲者は不詳。
だからどこにでもある旋律。
しかし耳に残る。
熱い湯に浸かりながら、
疲れた体を癒し、
御嶽山の惨劇を思う。
風呂から上がって、
日経新聞と朝日新聞。
ちらっと見たら、
朝日の巻頭コラム『天声人語』。
「よく知られた「山男の歌」は途中、
♪春夏秋冬(はるなつあきふゆ)
山行く人の心はよ
山にあこがれよ
親しい友とよ
――とうたう歌詞もある」
おっと、かぶった。
「先週の土曜は秋山日和だった。
木曽路におおらかな裾野を引く名峰、
御嶽山の噴火から1週間になる」
「これまでの死亡確認は47人を数え、
災害史と山岳遭難史に太字で刻まれる、
痛ましいできごととなった」
「安否不明者はなお16人を数えるという」
コラムとしては極めて常識的で、
心打たれるものがないが、
私はひたすら、
亡くなられた方々のご冥福を、
祈りたい。
さて日経新聞は、
昨日の経済コラム『大機小機』。
コラムニスト横風氏。
「米国経済と欧州経済が
明暗を分けている」。
第2四半期の米国経済。
成長率は年率4.6%。
高成長を記録。
失業率は6%台。
こちらは低下して、
完全雇用に近づく。
「米連邦準備理事会(FRB)は
量的緩和を今月終える」。
一方、ヨーロッパ経済は、
悪戦苦闘。
イタリアはマイナス成長、
フランスもゼロ成長。
ドイツも4~6月はマイナス成長。
ユーロ圏全体もゼロ成長。
失業率は11%台、
若年層は20%を超えたまま。
デフレが忍び寄り、
欧州中央銀行は、
アメリカとは反対に、
量的緩和に追い込まれつつある。
欧米ともに、
リーマンショックの金融危機にあった。
その後の対応が明暗を分けた。
コラムニストは結論を持っている。
「バブル崩壊後のバランスシート調整の遅れ」。
金融に端を発する巨大危機の処方箋、
それはいつの時代も変わらない。
3段階を踏まねばならない。
(1)流動性の供給
(2)不良資産の処理
(3)成長力の底上げ
まず、欧米ともに、
(1)の「大量の流動性供給」でしのいだ。
(2)の段階で、
アメリカは大胆な不良債権処理を施した。
ところが寄り合い所帯のヨーロッパは、
「偽りの夜明け」を繰り返した。
しかしサマーズ元米財務長官は、
アメリカ経済の「長期停滞論」を打ち出している。
それが議論を呼んでいる。
つまりは(3)の成長力の底上げの問題点。
日本のアベノミクスも、
第三の矢に疑問符が付く。
ホップ・ステップ、そしてジャンプ。
第三段階こそが、
成果を確実なものにするし、
第三段階にこそ、
最も難しい壁があるのだ。
さて私はそんなアメリカに、
今日、発つ。
いつものように、
横浜港が見送ってくれた。
やがて荒川が見えてきた。
成田空港第二ターミナル南ウィング。
着くとすぐにチェックイン。
そして結団式。
㈱マルトの去年に続く、
第2回目のアメリカ視察研修会。
ここでテキストをもとに、
出国前の講義。
米国スーパーマーケットの純利益は、
全社平均1.30%。
1ドルに対して、1.3セント。
100円に対して1円30銭。
1円の改革、
1円の節約、
1円の無駄の排除。
それが大切だ。
そしてマルトには、
このDNAが流れている。
東日本大震災で、
大きな被害を受けたいわき市。
マルトはそのいわき市民を守り続けた。
私は叫んだ。
「マルトは日本商業の誇りだ」
そのマルトの研修会。
実りあるものにしたい。
全員で写真。
そして社長の安島浩さんと、
固い握手。
では、行ってきます。
あとは、よろしく。
〈結城義晴〉