日本上場企業とマクドナルドの決算の明暗
日経新聞の一面トップ記事。
「上場企業、今期最高益に」
2015年3月期決算の株式公開企業の調査集計。
社数で半分、株式時価総額ベースで7割強が、
速報値を発表している。
日経らしい極めて早い推計値集計。
過去最高は2008年3月期。
リーマンショックによる金融危機直前の数字。
それをも上回る過去最高。
これらの企業の集計は、
前期比3.8%増の22兆2600億円。
今年度の上期(4~9月期)の伸び率を、
0.5ポイント上回る。
つまり下期にも伸び続けたということだ。
そこから日経新聞が全体像を推定。
2015年3月期決算企業の
経常利益は、
30兆5900億円程度。
伸び率は3%程度。
特に好調なのは自動車。
特にトヨタ自動車は、
連結営業利益が過去最高の2兆7000億円。
前年比18%のプラス。
何よりも円安が輸出産業に追い風となった。
2015年3月期の売上高は27兆円、
純利益は2兆1300億円。
円安やインフレターゲットは、
このように輸出産業を潤す。
逆に国民の国内消費はインフレで苦しくなり、
海外旅行をすると高くつく。
国民の生活は円高のほうがいい。
それを我慢させて円安にして、
輸出産業にメリットを与えるのだから、
そういった産業はしっかり税金を払い、
さらに従業員の賃金を上げて、
国内消費にも貢献してもらわねばならない。
一方、日本マクドナルドホールディングス。
サラ・カサノバ社長兼CEOが、
2014年12月期の連結決算を発表し、
異物混入問題について謝罪した。
連結売上高は2223億円、前年比14.6%マイナス。
フランチャイズ加盟店を含む全店売上高は4463億円。
7年ぶりに5000億円を下回った。
この5000億円はどんな企業にも重要な分岐点で、
いち早い回復が望まれる。
営業損益は67億円の赤字。
前の期は115億円の黒字だったから、
差し引き182億円の目減り。
最終損益は218億円の赤字。
これは2003年12月期以来11年ぶり。
原田泳幸前社長時代から、
やや陰りが見えていたマクドナルドだが、
昨年7月に中国の仕入先食肉加工会社が、
使用期限切れ鶏肉を使用していた事実が判明し、
顧客の不信感が吹き出した。
鶏肉問題に関連した減益要因は、
合計で約180億円となる。
これは営業損失目減り分にほぼ一致する。
中国使用期限切れ鶏肉問題の後、
客離れ、客数減、売上げ減、
そのうえ相次ぐ異物混入問題。
サラ・カサノバCEOは、
日本式に深々と頭を下げて謝罪。
「結果を重く受け止めている」
しかし、
「業容を回復するまで満足しない」
こんな時にこそ、
リーダーシップが発揮されるし、
実はリーダーシップを発揮しやすい。
「私は日本のCEOとして指揮を執る」
私はカサノバCEO、
密かに応援している。
そんな夕方、
横浜商人舎オフィスに来訪者。
武藤麻代さんと衣笠真佐美さん。
武藤さんは立教大学院結城ゼミ4期生。
現在、日本マクドナルドのコーポレートコミュニケーション部。
カサノバと一緒に対処している。
苦労は金を出してもせよ。
いい経験です。
衣笠さんは、㈱いいねいいねドットコム社長。
大阪府枚方市を中心にサイトを主催し、
スーパーマーケットを応援している。
こちらも苦労を買って出て、
主婦の組織化と地域貢献を果たしている。
実に楽しい夜だった。
詳細はまた。
いい週末を迎えてください。
〈結城義晴〉
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昨夜より商人舎サイトへ接続しづらい状況が
続いております。
ただ今、早急に原因を調査中です。
ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
<事務局より>