9月の商人舎標語は「Think one thing at a time」すなわち「集中主義」
2010年9月1日です。
9月に入っても、猛暑・酷暑はしばらく続きます。
今日は民主党代表選挙告示日。
「トロイカ体制」かと思わせておいて、
1日で「一騎討ち」に戻った。
なんとも人騒がせなことです。
朝日新聞のオピニオン。
「これでいいのか代表選」
ノンフィクション作家の佐野眞一さんと、
学習院大学教授の野中尚人さん。
率直に意見を述べている。
辛口の佐野さんは、最後にまとめる。
「今回の代表選騒動でもメディアの過熱ぶりとは裏腹に国民は冷めている。
小沢氏、菅氏、鳩山氏の『軽さ』と同時に、
国民の空気を捉えることのできないメディアの幼さが露呈してしまった」
野中さんは真っ向からこの代表選を捉え、評価する。
「菅さんが勝とうと小沢さんが勝とうと、
所詮は民主党政権が続くわけだし、
首相が誰かで政治が大きく変わることはない、
という(かつての自民党と同じような)見方は今回は当たらない」
「日本の将来の政治を決める非常に大きなファクターになります」
「最近はメディアも世論も移り気で、
性急に結論を求める向きがありますが、
意義のある代表選だけに(略)、
すべての国民にじっくりと見つめてほしいと思います。」
両者に共通すること。
マスメディアに惑わされず、
私たち一人ひとりが、
しっかりと判断するべきだということ。
さて9月の商人舎標語。
英語です。
Think one thing at a time!
1回にひとつだけ考えよ。
この時にはこのことだけ考えよ。
ウォルマート創業者のサム・ウォルトン。
「小さく考えよ」という言葉を残しています。
Think small!
小さく考えるための6つの方法。
その第一にでてくるのが、
Think one store at a time.
1店ずつ考えよ。
私は、この「小さく考えよ」という方法論、
21世紀の「オクシモロン」の問題解決の手法だと思っています。
オクシモロンとは、二律背反の問題を、
解決する考え方。
あちらを立てればこちらが立たず、
こちらを立てればあちらが立たず。
その時には、小さく考えよ。
Think one thing at a time!
商業界の社長になったばかりの2月ゼミナール。
私はメインテーマを、
「小さく、狭く、濃く、深く」と定めました。
商業界ゼミナールは、昭和23年から始まり、
ピークの昭和50年代には3000人もの人々が集まりました。
運営は、㈱商業界の社員総出のうえ、
商業界同友会の人々がボランティアで参加しました。
参加者全員が「同友」と呼ばれ、呼び合い、
全員がボランティアでした。
3000人のボランティア。
それはそれはすがすがしいゼミナールでした。
この中からイオンやヨークベニマルといった優良企業が、
巣立っていきました。
この商業界ゼミナールのメインテーマは、
その年の商業・サービス業の世界をリードするものとなりました。
私が2003年のテーマを「小さく、狭く、濃く、深く」と定めたのは、
まったくもって、サム・ウォルトンの影響でした。
通常の会社は、規模が大きくなると、
必ずといってよいほどに「大企業病」にかかります。
すべてといってよいと思いますが、
大きな企業が衰退し、崩壊していったその理由は、
大企業病にありました。
しかしウォルマートにはそれがみられない。
不思議なことです。
私は、サムの「Think small」に、
その鍵があるのだと考えました。
そして20世紀的なテーゼに対して、
ウォルマートは21世紀的な思考法で、
大企業病を克服しているのではないかという考えに至りました。
それが「小さく考える」
実際には、「Think one thing at a time」
ちなみにこの考え方は、
故渥美俊一先生の提唱した「ドライ商法」につながります。
別の言い方をすると「集中主義」
「持てる資産と人材を少数課題に集中せよ」
渥美先生はこう諭しました。
8月に「現状を否定せよ」
これは大元の考え方。
そして9月は「Think one thing at a time」
いかがでしょう。
さて、9月のスケジュール。
今日1日は防災の日。
㈱プラネットでは、今日、防災訓練を展開します。
日本中の取引のインフラを形成するシステムが、
万が一、ダウンした時、
それをいかにカバーして、
システムダウンさせないかの防御策を確立しています。
そのトレーニングを今日、行います。
なぜ防災の日になったか、
関東大震災が今日、起こったからです。
さらに今日は二百十日。
例年ならば台風シーズンの到来です。
9月を見渡すと、
第3週末の土曜日18日から、
第4週末の日曜日26日までが、
最大のピークになります。
月曜日の20日がお彼岸の入りで、敬老の日。
そして木曜日23日が秋分の日。
どちらも祭日。
だから一般のサラリーマンは、
18日から26日までの9日間に、
6日の休みが入ることになる。
3分の2が休暇。
15日水曜日は「老人の日」で、
この日から1週間「老人週間」となります。
100歳以上のご老人の問題が顕在化していますが、
だからこそ高齢者の知恵を、
日本社会の中で生かさねばならないと思います。
商業はこういったテーマへの、
強い共感と主張を発信すべきです。
店という場で、商品やサービスを提供する。
その中に主張を込める。
それが9月のテーマとなります。
今月も仕事に関しては、「慌てず、急げ」
<結城義晴>