読売新聞全面広告「渥美俊一先生を悼む」と「商業経営の精神と技術」
Everybody! Good Monday!
[2010 vol36]
2010年第36週、9月第2週。
少しずつ、秋らしくなってきた。
しかし、昨日は京都で39.9℃。
今年一番の暑さだった。
今年春までは、エルニーニョ現象。
そして現在は、ラニーニャ現象。
「今後は台風が発生しやすくなる」
(東京大学山形俊男教授、日経新聞)
「台風発生場所がフィリピンの東方1000キロ付近に移る時点が、
猛暑が収まり、台風接近の可能性が高まる」
(日本大学山川修治教授、同)
その時点とは、9月中旬。
今週はまだまだ、
「昼は猛暑、朝夕に秋らしさ」が続く。
さて昨日の読売新聞第5面。
全面ぶち抜き広告。
「渥美俊一さんを悼む」
「日本の流通業に革命をもたらし
敏腕経営者を育てた指導者の軌跡。」
1926年(大正15年)の誕生から、
2010年(平成22年)の逝去までの軌跡が描かれた。
そして連名で遺志を継ぐ決意表明の言葉がある。
「これまでご指導くださったことに深く感謝し、
渥美俊一先生のご冥福を心からお祈りいたします」
「㈱日本リテイリングセンター・ペガサスクラブ加盟企業全585社は、先生の遺志を引き継ぎ、流通業のさらなる発展に注力いたします。」
下段に連名で、署名。
㈱AOKIホールディングス青木擴憲
㈱アルペン水野泰三
㈱カインズ土屋裕雅
㈱キタムラ北村正志
㈱コメリ捧賢一
㈱サイゼリア正垣泰彦
㈱スタジオアリス本村昌次
大黒天物産㈱大賀昭司
㈱ダイナム佐藤公平
㈱ツルハホールディングス鶴羽樹
㈱西松屋チェーン大村禎史
㈱ニトリホールディングス似鳥昭雄
㈱ベイシア土屋嘉雄
ホーマック㈱石黒靖尋
㈱ポイント福田三千男
ロヂャース北辰商事㈱太田順康
㈱ヤオコー川野幸夫
六花亭製菓㈱小田豊
川野さんのコメントには、こうある。
「先生の流通革命論に出会ったことで
今日の私があります」
太田さんは、こうコメントする。
「ペガサスクラブで得た知識をもとに
経済民主主義の実現を目指します」
似鳥さんは、言う。
「先生の遺志を引き継ぎ
真のチェーンストアづくりに挑戦していきます」
渥美俊一との出会い。
これが多くの経営者を動機づけ、勇気づけた。
それはロマンとビジョンの提示であった。
「流通革命」のロマン。
「経済民主主義」のロマン。
「真のチェーンストアづくり」のロマン。
そこにビジョンを掲げ、
方法論としての経営戦略を問うた。
これが渥美俊一先生の偉業である。
私も、彼らの同志ではある。
渥美先生の遺志を継ぐ決意において。
1988年2月、商業界ゼミナール。
箱根小涌園を借り切って開催された。
商業界40周年。
この記念すべきゼミナールに、
渥美俊一著『商業経営の精神と技術』は発刊された。
前年の夏から10数時間に及ぶインタビュー。
「渥美語り下ろし、結城書き下ろし」で発刊されたこの書物には、
渥美理論の骨格が明示されていた。
第1部 商業復権への道
第2部 ビジョンと経営戦略
第3部 商品と仕入れの原則
第4部 店舗の本質
第5部 成長の経営数字
第6部 組織・管理・教育
「渥美理論」の根幹にあるものは、
「商業の復権」であり、
「経済民主主義」の実現である。
これがミッション。
その方法論として、
「チェーンストア産業づくり」と「流通革命」が提示される。
それを可能ならしめるものとして、
商業者に「ビジョンと経営戦略」が要求される。
ビジョンとは、渥美によれば、「不可能常識への挑戦」である。
似鳥さんも、川野さんも、太田さんも、
ここに人生の意義を見出した。
この本が出来上がったとき、私は、渥美先生に言った。
「この本の刊行によって、
最も多くのことを学ばせていただいたのは、
僕です」
渥美俊一61歳、
結城義晴35歳。
私は、出来上がったばかりの本にサインをいただいた。
箱根ゼミナールでは、
この書籍が目の前で、またたく間に1000冊売れていった。
その後この本は、㈱商業界60数年の間の、
ベスト3のロングセラー・ベストセラーとなった。
1年後、私は『食品商業』編集長に昇格した。
今日はその「渥美俊一先生お別れの会」 。
午前11時30分から東京のグランドプリンス赤坂五色の間。
渥美先生に最後のお別れをして、
一生続く元気と勇気をもらってこよう。
Everybody! Good Monday!
合掌。
<結城義晴>
2 件のコメント
渥美先生の謦咳に接することが出来なかった私は、師の思想の一部を書籍でしか知ることできませんでした。
「流通革命の真実」には、渥美先生が19歳で終戦を向かえて、同級生の多くが特攻で散華していったが、自分は生き残り、戦後の焼け跡から日本の復興にその命をささげていこうとの決意が認めれています。
渥美先生を始めとして、戦後の企業家の多くが「日本復興」の為に起業された事実を忘れてはならないと思います。
いまちゃん、同感です。
書籍で接した人も、
直接薫陶を受けた人も、
みんな同志です。
そして私たちの国を、
復興しようと努力した人々がいたらからこそ、
私たちがあるのだということを忘れてはならないと思います。
ありがとうございます。