セブン&アイと万代提携の衝撃! そして電通講演「イオンvsセブン」
月刊『商人舎』3月号、本日発刊!!
特集は、
52週MD(マーチャンダイジング)の錯誤
理論と実践の間に横たわる誤謬を見極めて正す
自分で言うのもなんですが、
いい特集です。
しかし今日は、
朝から衝撃的なニュース。
時事通信のスクープを、
Yahoo!をはじめ、
NHKまで追随した。
日経新聞も午後、
時事通信の記事の文言をそのままに、
Web刊に載せた。
そして午後5時、
㈱万代はホームページで告知した。
㈱セブン&アイ・ホールディングスの
最新のIRニュースでは、
午後6時過ぎに告知された。
㈱セブン&アイ・ホールディングスと、
㈱万代リテールホールディング
および㈱万代が、
資本提携を視野に入れた
業務提携を締結する。
まず万代側の取締役会が、
昨日の9日に決議。
セブン&アイは、
今日10日の取締役会で決議。
商人舎magazineのDaily商人舎で、
このニュースの詳細は報道した。
万代は関西でのシェアを、
さらに圧倒し、将来を見据えて、
ベスト・マリッジと捉える。
セブン&アイは、
その関西で脆弱な基盤を強化する。
セブン&アイは、
ローカルチェーンと、
結びつきたがっている。
万代とは強い者同士のM&A。
その意味でこれ以上のインパクトはない。
ユニーグループホールディングスと、
ファミリーマートの経営統合とは、
ちょっと違う。
まあ、こちらはファミマが、
ユニーを傘下に入れることになったが。
日本の小売業の経営統合は、
これを機にますます加速する。
そして寡占から三占へ、
さらに複占へと進む。
ただしホールディングカンパニーの、
複占論議はあまり意味がない。
業態別に範囲の経済の中で、
複占化が進んでいく。
これが本質だ。
さて今日の私は、
東京・新橋から汐留へ。
こんなパネルを持った若者が、
地下街に立っていた。
「経営者のためのM&A活用セミナー」
いまさらこんなセミナーに出ても、
遅すぎることは確かだが。
私は電通へ。
その25階研修室。
真下に浜離宮、そして東京ベイ。
電通社員向けのセミナー。
今日のテーマは、大胆。
イオンvsセブン&アイ最新戦略分析。
当然ながら、イントロダクションは、
今朝の緊急ニュースの分析。
もちろん、この時点で、
報道されている記事をベースに、
極めて客観的に、大局を語る。
予測や推測は一切、喋らない。
それから本論。
イオンの特長、セブン&アイの強み。
企業コンセプトから、
経営戦略、店舗・フォーマット戦略、
商品とプライベートブランド戦略、
そしてオムニチャネルや海外戦略。
最後にマネジメントと将来展望。
エピローグはピーター・ドラッカー。
「ポストモダンの七つの作法」
これは上田惇夫先生の受け売り。
しかし実にイオンとセブン&アイには、
有効な考え方である。
セミナー終了後、
事務局の皆さんと写真。
しかし日本の小売産業、
加速的に変貌を遂げる。
そしてこうなってくると、
既に起こった未来が、
アメリカに鮮明に現れている。
今、チェーンストアの考え方をこそ、
アメリカ小売業に学ぶべきだ。
しかし私はこの10年ほど、
「寡占から複占へ」のコンセプトを、
語り過ぎたのではないか。
そんなことを思って、
正直、少し反省した。
〈結城義晴〉