コンビニの「膨張・成長」と静鉄ストアセノバ店・田町店視察
13日の金曜日。
商人舎magazineの、
Daily商人舎。
今日のニュースは、
アメリカのダラーゼネラルの決算。
1月末時点の店数1万1789店、
年商189億ドル。
100円換算で1兆8900億円、
現時点の121円で換算すると、
2兆2869億円。
昨年、この業界の第3位ダラーツリーが、
第2位のファミリーダラーを買収して、
ダラーゼネラルと肩を並べた。
三者による「三占」が、
二者による「複占」になって、
私の予言通り。
日本ではファミリーマートが、
ユニーグループ・ホールディングスを吸収合併して、
傘下のサークルKサンクスを併合する。
第3位が第4位を加えて、
第2位ローソンを追い抜き、
第1位セブン-イレブンに迫る。
ファミリーマートはさらに、
ココストアを買収する。
日経新聞のスクープ。
スクープといっても、
まあ、ありそうなことだと、
驚きもしない。
ココストアに関しては、
ローソンとファミマが競って、
買収合戦を展開していた。
ファミリーマートに軍配が上がった形。
ココストアの店数は約660店、
総年商は日経調べで998億円。
それでも日本コンビニ業界第9位。
このココストアを傘下に入れれば、
先のサークルKサンクスと合わせて、
1万8000店のスケールとなり、
店舗数だけならば
セブン-イレブン・ジャパンを追い抜く。
ココストアグループは、
2001年段階では2000店を超えていた。
それが現在ちょうど3分の1に減少。
このローカルチェーンの、
ナショナルチェーンへの併合の勢いは、
とどまるところを知らない。
サークルKサンクスに次ぐ業界5位は、
イオン系のミニストップ。
しかし同社も15年2月期の連結純利益は、
8億5000円でマイナス2%。
第10位のスリーエフも営業赤字の見込み。
第11位の中国地方を基盤にしたポプラは、
昨年、ローソンに5%の出資を仰いで、
実質的にローソングループ。
それでもポプラは、
今期、最終赤字になる見込み。
ちなみに6位はデイリーヤマザキ、
7位はセイコーマート、
8位はJR系のNEWDAYS。
つまり第1位、第2位が比較的好調で、
やや陰りの見えた第3位が、
第4位を吸収合併。
第5位以下はずらりと不調。
これは完全に「三占」。
私の造語。
その後、アメリカのバラエティストア業界は、
複占となりつつある。
果たして日本のコンビニも、
そういった軌道を進むのか。
長くない時間が、
そのことを証明するに違いない。
なぜなら経営は、
店数ではないからだ。
店数や見せかけの規模が
大きくなることを「膨張」という。
「成長」は実質的な経営品質を伴って
規模が拡大することだ。
さて、静岡に一泊して、
朝からしずてつストアを視察。
私を笑顔で迎えてくれたのは、
井出弘之店長と、
サービスチーフの水野亜矢子さん。
セノバ店は静岡駅に隣接する商業施設の
地下1階にオープン。
昨年には早々にリニューアルした。
リニューアルの目玉は、
入口のフレッシュジュースの対面コーナー。
イタリアンは強化カテゴリー。
パスタやワイン、ピザなどが豊富に並ぶ。
バナナも強化カテゴリー。
多品種のバナナが揃うし、
フックに掛けた陳列はホールフーズのようだ。
しずてつストアのPBともいえる、
「地産思送」のコーナー。
安全・安心、健康にこだわった地域商材が並ぶ。
ココナッツオイルは1瓶3600円だが、
1日に60本を販売したこともある。
お菓子を買いに来た子供たち。
安全に買物ができるからこうしてやってくる。
店舗入口に設けられた
イートインスペース。
白を基調にした上質でくつろげる空間になっている。
案内してくださった竹田昭男社長、店長
そして幹部の皆さんと。
セノバ店はターミナル立地で、
客数がしずてつストアで1番。
しずてつの顔ともいえる店舗だ。
そして売上げナンバー2が、
ロードサイド立地のしずてつストア田町店。
このエリアの店長たち5人が、
特にオススメするPOPで売り込む豆売り場。
さらにしずてつストアの実験中の事業が、
「お届けスーパー」。
担当するのが東政彦さん。
この春、この事業は課に昇格。
東さんも課長昇格。
東さんは商人舎の研修会に参加してくれた一人。
その時のサイン本を大事にしてくれているが、
現場で苦労しても、一所懸命に活躍している。
最後の最後に、
このおふたりと写真。
左が岡村政己専務、
右が木佐森昭夫常務。
しずてつストアがここまで成長して来たのも、
お二人の尽力によるところが大きい。
しずてつストアの皆さんには、
2日にわたりお世話になった。
そして、いい店舗を見せてもらった。
スーパーマーケットもコンビニも、
バラエティストアも、
「膨張」はいけない。
「成長」でなければならない。
しずてつストアの店を見ながら、
そのことを痛切に感じた。
このあと、東京に戻って、
学習院大学へ。
それは明日に続く。
〈結城義晴〉