結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年05月08日(金曜日)

箱根風評被害「75日、静かに待ちます」と「四季のバル」の整味料

5月3日以来、
箱根が揺れている。

過剰なマスコミ報道で。

気象庁噴火警戒レベルは、
1から2に引き上げられた。

「噴火警報」は、
「噴火の発生が予想された場合に、
予想される影響範囲を付した名称で発表」される。

その影響範囲が、
レベル1は「平常」、
レベル2は「火口周辺規制」
レベル3は「入山規制」。

レベル3は、
今年3月31日の御嶽山、
昨年8月7日の口永良部島、
3年前の3月21日の桜島。

箱根の場合、規制区域は、
正しく言えば半径300mの「大涌谷園地(噴煙地)」
そこがレベル2というだけ。

箱根町全面積92.86k㎡、
今回の立ち入り規制エリアは0.286k㎡。
わずか0.31%に過ぎない。
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しかし、報道は加熱するばかり。

新聞各紙の巻頭コラムが、
冷静にと呼びかけつつ、激励する。

朝日新聞『天声人語』
「箱根は訪れる人の
すべての欲に応えてくれる」
幸田文の言葉。

「箱根の道はいったいに、
霧が曳いたり流れたりする、
静かな雨の日がいい」
ここは、実にいい。

そして人生訓を詠み込んだ歌。
二つよきことぞ少なき
藪陰(やぶかげ)
涼しき宿は
蚊の多くして

何事も、いいことだけではない。

「広い箱根全体が危ないわけではない。
規制は一部に限られる」

「安全第一は動かないが、
風評に惑わされぬ対応を学ぶ
一つの機会にできないか」

日経新聞の『春秋』は、
獅子文六の「箱根山」。
西武グループと小田急・東急グループの、
産業史に残る「箱根山戦争」。

観光開発の「仁義なき戦い」。
それは「箱根という土地の魅力ゆえ」。

こちらも、国民に呼びかける。
「危険なのはごく一部というが、
ホテルのキャンセルなどは
箱根全体に広がりかねない」

「かつての箱根山戦争はすっかり終息し、
相争った両者が手を携える昨今である。
こんどは人間が一丸となって
荒ぶる自然とどう向き合うか。
きっと試されていよう」

一丸となるべきは、まずマスコミ。
その過剰報道こそ、
「風評被害」を生む元凶だ。

箱根塔之澤の老舗「一の湯」。
その社長の小川晴也さん。
箱根に8店舗を展開する、
箱根のリーダー。

75日、静かに待ちます」

私など、無性に、
箱根に行きたくなった。

人の噂も七五日。

頑張れ。

その一方で、ゴールデンウィークは、
「レジャー活況 好天、集客後押し」
日経新聞の概括。

「今回は大手企業で
高水準の賃上げが相次いだ後の
最初の大型商戦」

賃上げムードと好天を味方につけたのは、
テーマパーク。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、
ハウステンボス、
東京ディズニーラン&ディズニーシー、
どこも盛況。

ハウステンボスの入場者数は、
前年同期比14%増。

鉄道各社も航空会社も、
前年に比べて1割伸びた。

ガソリン店頭価格は、
前年同期比15%安で、
高速道路の10キロ以上の渋滞は15%増。

しかし「小売りの現場では好天で明暗」。

しまむらのゴールデンウィーク後半は、
売上高が前年比15%増。
夏物のカジュアル衣料が動いたから。

総合スーパーでは、
住居関連商品が伸びなかったが、
飲料・アイスクリーム、夏物衣料は好調。

イオンリテール既存店約340店の売上高は、
前年実績比6%増。

百貨店の高島屋や三越伊勢丹は、
「前年実績は上回ったものの、
増税前の一昨年の水準には届かなかった」
大丸松坂屋百貨店は、
特設売場の傘や帽子などの雑貨は売れた。

総括すると、
第1は好天で顧客が旅行に流れた。
第2は消費意欲が完全に回復したとはいえない。
従って、第3に、夏のボーナス商戦には、
「慎重な見方」。

それでも、全国の小売サービス業には、
箱根のような風評被害はない。

再び小川晴也さん。
「相手は、大自然。
平穏である事のありがたみが
初めてわかる戒めの一瞬。
謙虚に日頃の感謝をしなければなりません」

そうです、そのとおり。

さて私は午前中、
横浜市立白幡小学校。
白幡文化スポーツ事業団の会計監査。

この小学校でかつて、
PTA会長をしていた。
そんなこともあって、
一時期、事業団の会長を務め、
今は会計監査。

その、年に1度の監査の日。
「会計帳簿および収支決算書につきまして、
帳簿並びに関係証票書類を監査しました結果、
適正に処理されているものと認めます」

そのあと、横浜商人舎オフィスへ。

季刊誌『明治マーケティングレビュー』が、
ちょうど届いたばかり。
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この季刊誌の連載は29回を数える。
7年と1シーズン。

『小売業のスーパーマーケティング』
ご好評をいただいている。

その後、月刊『商人舎』5月号も到着。
嬉しいものです。

夕方から、新橋へ。
4月23日に新装開店したばかりの
「四季のバル」

実はあの㈱ドゥ・ハウスが経営している。

社長の稲垣佳伸さんと一献。
幹部の皆さんもお付き合いくださって、
さらに中澤圭介さんにも、
ご紹介いただいた。
㈱宣伝会議編集主幹。

みんなで写真。
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右から㈱ドゥ・ハウス取締役の船久保竜さん、
店頭リサーチ事業部マネジャの高橋康平さん、
左は広報部マネジャの濱悠子さん。
その隣が中澤さん。

中澤さんとは、
今後の付き合いが増えそう。

高橋さんには、
月刊『商人舎』にご協力いただいて、
夏に、面白い企画を特集します。

そして四季のバルの料理。
最初に出てきたのが、
フルーツガーリック。
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黒ニンニク。
あまり食べたことのない濃厚な美味。

この黒ニンニクのエキスが、
「整味料フルーツガーリック」。

品名は「黒の極味」。

四季のバルはそれを使って、
「整味」している。

話は面白いし、料理も酒も旨い。

そしてこのフルーツガーリックの製法が、
生体エネルギー農法。

話はどんどん進んで、
小売業で新しい実験を試みることになった。

いずれ、公開しよう。

しかし美味しいものをつくる話は、
平和で平穏。
それが、いい。

箱根は40万年前に活動を始めた。
以来40万年間、今の状態を続けてきた。
そして「有史の噴火記録はない」。

風評被害だけは、
なんとか食い止めたいものだ。

とにかく、箱根に行こう。

〈結城義晴〉


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