ダラスの大試食会とサンフランシスコのマーケットニッチャー
テキサス州ダラス・フォートワース地区。
ここに来て4日目。
アメリカの男子ゴルフ「クラウンプラザ招待」が、
ここフォートワースのコロニアルCCで開催中。
第1ラウンドでは、石川遼が首位に立った。
6バーディー・ノーボギーで64。
テキサス大学出身のジョーダン・スピースも、
石川と並んでトップ。
スピースは4月のマスターズで優勝した21歳。
楽しみだが、観戦には行けない。
松山英樹に先を越された石川。
「ベストを尽くすのみ」と謙虚。
心中で応援しつつ、
2015平和堂アメリカ研修は続く。
昨日の夜は、大試食会。
夕方の6時に視察と買物からホテルに戻り、
1時間半、各自、自室のキッチンで、
料理の腕をふるい、
会議室に7時半に集合。
それぞれ工夫と技術を施した料理を持ち寄る。
そして開始をじっと待つ。
全員集合したら、
それぞれに自分の料理の趣旨を説明。
ホールフーズ、トレーダー・ジョー、
セントラルマーケット、HEBなどで、
原材料や冷凍食品を購買し、
料理を作った。
メニューの組み合わせ、
彩り、盛りつけ。
アイデアのあとが見える。
予算はあらかじめ決められており、
それに添って経済合理性も問われる。
私はトレーダー・ジョーの冷食を、
是非とも試して欲しいと要望を出した。
そんな料理も出てきた。
つまりいかに簡便に美味しさを、
アメリカ小売業が提供しているか。
それを知ってもらいたいからだ。
ロテサリーチキン。
牛肉がレタスの上に乗っている。
シュリンプカクテル。
メニューを見ていただこう。
トレーダー・ジョーのコーンスープ。
同じくチリビーンズ。
なんとおにぎり。
チャーハンも出た。
綺麗な盛りつけのサラダ。
これはうまかった。
すき焼き。
カレーとナン。
全員の説明が終わったら、
いよいよ全員で試食開始。
人気メニューは、
あっという間になくなる。
その後、1時間半ほどして、
審査発表と表彰式。
まず副団長の黒川信一さん、
団長の田淵寿さんから、
それぞれ1品ずつ発表。
それから私が、アイデア賞1品、
プレゼンテーション賞1品。
そして大賞を2品選んだ。
受賞者たちには、賞品。
トレーダー・ジョーのワイン。
グランドリザーブやプレミアムリザーブ。
全員で写真。
おめでとう。
さらに大賞の2組。
こちらに来て10日目、
日本食が実に良く出来ていて、
それを選んでしまった。
すき焼きとカレー&ナン。
おめでとう。
しかし全員の料理、
全て良かった。
なによりも、
料理をつくろうと意図して、
買物をする。
よく見て考える。
それを写真で記録する。
そんな勉強も有意義だ。
それに実際の買物体験を組み込む。
それが数段、理解を進める。
全員が大満足。
後片付けも速いし、完璧。
それが平和堂の社風。
ご苦労さま。
一夜明けて今日は、
雷が鳴り、土砂降り。
朝7時20分集合で、
ダラス・フォートワース空港へ。
そこからアメリカン航空に乗り込む。
雨雲に覆われたダラス。
北アメリカ大陸は厚い雲に、
すっぽりと包まれていた。
機中、私はずっとブログ書き。
Gogo Flightを活用して、実に便利。
そして3時間、サンフランシスコ湾が現れた。
海を見るとほっとする。
サンマテオブリッジ。
微かにベイブリッジとサンフランシスコ市街。
霞んでいるけれど、美しい。
カメラをズーム。
サンフランシスコ国際空港に到着すると、
すぐにリムジンバスで、
市街を抜けて、ベイブリッジを渡る。
アルカトラズ島がくっきり。
そして向かいました。
ホールフーズ・ギルマン店。
ため息が出るほど、美しい。
一丁目一番地はとうもろこし。
この店は全ての商品の顔が、
顧客動線を向いている。
それが徹底されている。
そしてイートインスペースと、
バリスタのいるコーヒーショップ。
ホールフーズは常に、
新しいテーマにチャレンジしている。
ライバルのトレーダー・ジョー。
一丁目一番地のエンドは、
ポテトチップス。
プロバスケットボールの、
ウォリアーズをデザインしている。
「テレビで見ながら、ポテチ族になろう!」
相変わらずの親しみやすさと、
ここにしかない商品群。
サラさんにインタビュー。
積極的に質問し、熱心にメモを取る。
トレーダー・ジョーのプロパーで、
13年キャリアのサラさん。
「隣のセーフウェイは
視野に入っていません」
強気の発言。
田淵団長と三人で記念写真。
その視野に入っていないセーフウェイ。
サーベラスに買収されて苦境にあるが、
この店だけはいつも別格。
美しい。
売れている。
いつも、花売り場は見事。
店長とスタッフの、
マネジメントとオペレーションで、
会社は不調だが店は好調。
それが小売業、サービス業の、
実にいいところ、おもしろいところ。
このショッピングセンターのコールズ。
私はシアーズとJCペニーから、
顧客を奪って成長してきたと見ている。
しかし、この3年ほどは、
かつての勢いがなくなってきた。
とんがりがない。
その理由は、
月刊『商人舎』9月号に書いてある。
そしてDAISO。
こちらは米国ダラーストア業界のニッチャー。
1ドル50セント均一で、
ポジショニングが確立されている。
矢野博丈さん、お見事。
最後にバークレーボウル・ウェスト。
青果売り場は、この言葉しかない。
「圧巻」
品揃えの豊富さは、世界一。
この店もニッチャーだが、
圧倒的なアウトスタンディングなポジショニング。
もちろんスーパーマーケットだから、
他の部門も充実。
しかし青果が3割の売上げシェア。
ニッチャーは1店あたり売上高が大きい。
これは小売業のニッチャーにとって、
必須の要件だ。
今日も疲れた。
ベイブリッジを渡ると、
サンフランシスコの街が迎えてくれた。
満足の一日。
夕に感謝。
(つづきます)
〈結城義晴〉