スペイン「超級市場」メルカドーナは国民のインフラストラクチャーだ!
Everybody! Good Monday!
[2015vol23]
と元気よく、週を始めたいところだが、
バルセロナの暑さと行程に、
ちょっと疲れ気味。
有森裕子と森下広一が、
このバルセロナのオリンピックで、
マラソンの銀メダルをとったのは、
1992年の8月だった。
あのモンジュイックの丘を駆け上り、
最後はデッドヒートを繰り広げた。
今週は、2015年第24週。
6月の第2週。
こんな時期にバテていては、
有森や森下に申し訳ない。
バルセロナといえば、
メルカドーナ。
闘牛場として建設されたが、
一度も闘牛をすることなく、
ショッピングセンターとなって蘇った。
その名のとおり、
スペイン国民の「超級の市場」になっている。
年商201億6100万ユーロ。
2兆8224億円。
1521店舗。
スペインでのマーケットシェア14.4%。
従業員数7万4000人。
その従業員が全て正社員。
しかも鮮度がよくて安い。
このロメインレタスは、
0.5ユーロ、70円。
カット野菜なども実に、
スペインの家庭仕様に仕上がっている。
円形の闘牛場だけに、
店舗は湾曲している。
右手に向かうと、
精肉部門。
ひき肉も、
日本のスーパーマーケットのようだ。
それはすなわちレベルが高いということ。
冷凍食品は、
トレーダー・ジョーを彷彿とさせる。
しかも安い。
インタープロバイダーと呼ぶベンダーが、
ダンボールカット陳列に協力して、
並べやすさと取りやすさが両立した売り場となっている。
実はこのポテトチップスには、
プライスカードが見当たらない。
エブリデーロープライスを徹底して、
1年間売価を変えない。
だから顧客はこの商品の価格を知っていて、
クレームがない。
缶詰もこのように、
どんどん売れていって、
ダンボール面が残る。
それを取り去るのが仕事の一つ。
ワインには1ユーロの商品がある。
トレーダー・ジョーの、
チャールズショーより安いし、
結構、飲める。
そして平均1500㎡の店舗には、
必ず化粧品売場が併設されている。
食品と化粧品、
距離感の近い商品なのだ。
スペインで最大の小売業は、
ZARAではない。
メルカドーナだ。
ZARAの売上げの8割は海外から得られるが、
メルカドーナは100%スペイン国内。
メルカドーナは、
スペイン国民のインフラストラクチャーなのだ。
ショッピングセンターの屋上から、
スペイン広場を見下ろしながら、
メルカドーナの重要な位置づけを思った。
メルカドーナとともにいる4日間。
それはスペイン人の幸せを共有することでもある。
では、今週も頑張ります。
Good Monday!
〈結城義晴〉