結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年06月24日(水曜日)

第48回日本小売業調査と万代ドライデイリー会の欧州報告講演

日経MJの第48回小売業調査。
私は毎年、この調査を待っている。

売上高1位はイオンで、
7兆0786億円。
第2位はセブン&アイ・ホールディングス、
6兆0389億円。

両雄。
売上げは1兆円の差がついた。

しかし経常利益は、
セブン&アイが3415億円で、
イオンは1525億円。
これは2倍以上の差がついた。

第3位がヤマダ電機で、
1兆6643億円。
前年比マイナス12.1%。

そして第4位にファーストリテイリング。
三越伊勢丹ホールディングスを抜いた。
年商1兆3829億円。
21.0%の成長。

昨年8月決算時点で、
既に4位は確実だった。

1972年(昭和47年)に、
ダイエーが三越の売上高を抜いた。
これは歴史に残る転換期だった。

それでもダイエーは総合品揃えだった。

ファーストリテイリングはアパレルのみ。
それが三越伊勢丹を抜いた。

これも歴史的な転換期を示す。
もっともっと強調されてよい。

ファーストリテイリングは、
経常利益でも1354億円。
売上高営業利益率9.4%。

セブンが5.7%、
イオンは2.0%。
ヤマダは1.2%。

第5位の三越伊勢丹は、
年商1兆2721億円。
経常利益は346億円。
営業利益率は2.6%。

第6位はJフロントリテイリング、
1兆1495億円、
第7位はユニーグループ・ホールディングスで、
1兆0190億円。

ここまでの7社が1兆円企業。

ただし、ユニーグループは、
ファミリーマートに統合される。

第8位は高島屋で9125億円。
第9位はH2Oリテイリングで8448億円。

第10位はアマゾン・ジャパン、
推定年商8400億円。

アマゾン・ジャパンの売上推定など、
日経新聞しかできない。

その意味で、
私は心待ちしていた。

詳細は日経MJを見ていただくとして、
ランキングが上がろうと下がろうと、
顧客には関係ない。
自分の買物するこの1店が、
顧客には重要なこと。

だから店と売場と商品とサービスが、
顧客の方を向いて充実していることが、
なにより大切。

しかし働く人たち、
取引先の人たち、
株主、金融関係など、
顧客以外のステークホルダーにとっては、
動機づけにもなるし、
誇りにもなる。

日経MJの一面特集は、
イズミ、平和堂、フジの、
「地域総合スーパー」が、
売上げも利益も好調で、
全国総合スーパーが不調という内容。

私には、
「全国スーパー」、
「地域スーパー」
「地方スーパー」という用語が、
どうにも気になる。

業態とチェーンストアの種類の用語は、
アメリカやヨーロッパのほうが分かりやすい。

総合スーパーはハイパーマーケット、
食品スーパーはスーパーマーケット。

全国チェーンはナショナルチェーン、
地域チェーンはリージョナルチェーン、
地方チェーンはローカルチェーン。

もちろん英語でなくて日本語でもいいが、
不思議に英語の方が紛れがない。

業態とチェーンストアの分類マトリックスは6つ。

全国総合スーパー、
地域総合スーパー、
地方総合スーパー。

全国食品スーパー、
地域食品スーパー、
地方食品スーパー。

地方総合スーパーはかつてあったが、
現在は絶滅に近い。

全国食品スーパーは、
イオングループだけ。

さらに厳密に言えば、
全国総合スーパーも、
イオンリテールだけ。

イトーヨーカ堂は地域総合スーパーだろうか。

そうするとイトーヨーカ堂も、
イズミ、平和堂、フジと分類が一緒になって、
この特集の論点はおかしくなる。

私の持論は、
ローカルチェーンの単位こそが、
チェーンストアにとって、
最重要戦略であるという点。

総合スーパーという業態は、
そのローカルチェーンの単位が脆弱だったからこそ、
地方総合スーパー絶滅現象が現れた。

さて、今日は朝から東海道新幹線。
しかし富士の姿は見えず。DSCN4174-5

このあたりにあるはず。DSCN4175-5
写真を撮っていたら、
車掌が寄って来て、
「残念ですねぇ」

それでも大井川は、
やはり気分がよかった。DSCN4178-5

新大阪から堺へ。
ホテルアゴーラリージェンシー堺。DSCN4180-1

万代ドライデイリー会。DSCN4182-1
1400人が参集した。

6月上旬のヨーロッパ視察勉強会。
その報告会。

まず、1班から8班まで、
チームごとに成果報告。

1班は魚の調査をして、
「万代の海産部門は世界一」と胸を張った。
DSCN4183-1

3班は万代の店頭をより強くする研究調査。
DSCN4192-1

各チームごとに、メーカー、卸売業、
そして万代の社員から構成されている。
よく調査研究され、よく議論されていて、
とてもいい報告ばかりだった。
DSCN4196-1
8班までの報告に熱が入って、
時間は大幅にオーバー。

その後、私の総括報告、90分。DSCN4202-1

テスコとメルカドーナを中心に、
両者のイノベーションを語った。
DSCN4207-1

とりわけ、業績悪化のテスコが、
オンラインビジネスとダークストアに、
独特の戦略展開を始めている点を強調。
DSCN4205-1
これは近いうちに、
総括論文を書こうと思う。

最初はヨーゼフ・シュンペーター、
最後はクレイトン・クリステンセン。
そして後進の先進性。DSCN4208-1
小難しそうなイノベーション論。
しかしテスコとメルカドーナが、
それを実践、実現していて、
分かりやすい。

ご清聴を感謝。

総括講義のあとは、
4つの分科会に分かれて、
報告会と方針説明会。

まず住関連部会。
DSCN4213-1

一番、参加企業が多いグロサリー部会。
DSCN4216-1

三番目はデイリー部会。
DSCN4219-1

最後に惣菜部会は、
幹部と写真。DSCN4222-1

その後、懇親会。

乾杯の挨拶と音頭は、
ケイ低温フーズ㈱社長の山名昇さん。DSCN4224-1

そして、乾杯。  DSCN4229-1

私は㈱万代社長の加藤徹さんと、
隣の席で食事と会話を堪能。DSCN4231-1

淡々と進んで、中締めは、
㈱日本アクセス大阪支店長の寺町豊さん。DSCN4232-1

三本締め。DSCN4240-1

ついでに万歳三唱。DSCN4241-1

ちなみに万代の小売業ランキングは41位。
売上高2964億円で前年比6.1%の伸長。

このドライデイリー会の勉強会も、
それに貢献している。

幹部・社員、取引先ともに、
その好調さに元気いっぱいだった。

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.