10月商人舎標語と三井物産関西メーカー会in淡路夢舞台
10月2日、金曜日。
今月の商人舎標語を紹介しよう。
月刊『商人舎』の巻頭言は、
[Message of October]
この巻頭言のタイトルが、
今月の標語と連動している。
「売れることと見つけたり」
「死ぬことと見つけたり」
佐賀鍋島藩の「葉隠」にある。
常住坐臥、死と隣合わせに生きる。
しかし「葉隠」を伝えた山本常朝は言う。
「我も人、生くることが好きなり」
これも真実だ。
ならば商人は、
「売ることと見つけたり」だが、
「売らぬことも好きなり」でもある。
ピーター・ドラッカーは言う。
「マーケティングの理想は、
販売を不要にすることである」
「マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるようにすることである」
すなわち、売ることでなく、
売れること、つまり、
無理に売らぬこと。
では、どうするか。
知らせること。
伝えること。
古いチラシ広告も、
新しいフライヤーも、
スマホ・アプリのミニブログも。
わかりやすく、ていねいに、知らせること。
誠心誠意、面白おかしく、伝えること。
そして謙虚にお奨めすること。
店や売場ならば、
近寄りやすく、見やすく、選びやすく、
手に取りやすく、戻しやすく。
チラシやネット画面ならば、
手に取りやすく、アクセスしやすく、
見やすく、選びやすく、買いやすく。
売ることと見つけたり。
売れることと見つけたり。
それが商売である。
〈結城義晴〉
さて、今日は、新幹線のぞみに乗って、西へ。
当然ながら、小田原あたりから、
富士の姿が気になる。
しかし原稿を書いている。
パソコンを見つめながら、
両手の指を動かし、
ときどき、チラと窓の外を見る。
富士を見るために、
いつも、右側の席。
つまりDのシート。
そして見えてきました。
真っ白な雲が元気いい。
しかし、その上の方に、
富士山の雄姿。
雲に隠れて、
7合目くらいから上が伺える。
全貌がはっきり見えるよりも、
雄大に感じられる。
これだけで、一日中、
すごく得をした気になる。
「損得より善悪を先に考えよう」なのだけれど。
ありがとうございました。
のぞみは2時間半ほどで、新神戸へ。
そこに迎えに来てもらって、
クルマで淡路島へ。
阪神高速道に上がり、
神戸淡路鳴門自動車道に乗って、
明石海峡大橋を渡り、
40分ほどで、到着。
昔々、リベラルの取材に訪れて以来だろうか。
西岡茂さんが創業して、
日本の初期のスーパーマーケット業界で、
存在感を示した企業。
現在のオール日本スーパーマーケット協会の、
初代会長は西岡さんだった。
「リベラル」なんて社名、店名、
ストイックな人だった。
昨年12月17日のこのブログでも書いたし、
同じ日のDaily商人舎でも書いた。
12月15日に自己破産申請して、
3店舗はマルナカが営業を引き継いで、
店を開けている。
私も取材したことのある3店。
物部店(洲本市)、三原店(南あわじ市)、
そして一宮店(淡路市)。
そんなことを思いながら、
ウェスティンホテル淡路へ。
2000年3月に淡路花博が開催された。
そのとき、設計家の安藤忠雄さんが、
「淡路夢舞台」を全体設計したが、
この淡路夢舞台国際会議場と直結して、
ホテル施設がある。
雰囲気はあのロック・フィールドの、
静岡ファクトリーに似ている。
この会場で、
三井物産関西食品メーカー会の、
20周年の定例会が開かれた。
冒頭に会長のヱスビー食品㈱から、
執行役員営業グループ西日本担当の
鈴木英司さんが挨拶。
進行役は、小林剛さん。
三井物産㈱西日本食料部第二営業室室長。
そして特別会員挨拶は、
三井物産西日本食料部長の堀田安紀さん。
堀田さんも、小林さんも、
私はアメリカにご一緒して、
ずいぶんと懇意にしている。
そこで講演。
テーマは日本・世界の最新流通事情。
いつもとは違って、
きわどい話も率直に語った。
もちろん、メーカーや商社の皆さんに、
流通業・小売業の本質を、
よりよく知ってもらって、
正しい協業をしてもらいたいからだ。
スライドを用意したが、
そのスライドに入るまでに1時間も、
世界と日本の具体的な企業群の動向を、
私の独断を込めて語った。
まあ、このブログを丹念に、
読んでくださっている人には、
よくわかるだろうことを、
ズバリと語る、といった感じか。
あっという間に1時間45分。
ご清聴を心から感謝したい。
こういった講演も、
ときにはいいなあ、と思った。
講演が終わると、
安藤さんの設計した通路を歩いて、
懇親会会場へ。
すばらしい。
懇親会では全員が語り、
深い交流に努めた。
そして二次会も盛況。
夜の海を臨むテラスで、
会話も弾んだ。
安藤忠雄設計の舞台が、
私たちの交流を心地いいものにしてくれた。
昼間の富士山。
夜の淡路夢舞台。
素晴らしい一日だった。
〈結城義晴〉