甘利明のTPP大筋合意交渉と万代アメリカ視察事前講義
久しぶりに1週間、滞在して、
そのまま帰ってきたけれど、
これもちょっと疲れた。
2週間、3週間くらい向こうにいるほうが、
楽な気もする。
しかし甘利明経済財政・再生相、
頑張ってくれた。
環太平洋戦略的経済連携協定を、
大筋合意に持っていった。
日経新聞が『迫真』で、
「薄氷のTPP交渉」という連載を始めた。
甘利さんは今回、
米国通商代表部代表マイケル・フロマンと、
何度も衝突しつつ、最後にはまとめて、
歴史的な一歩を踏み出した。
甘利さん66歳、フロマン53歳。
甘利さんとは2006年11月に、
髙木勇輔さんの結婚式でご一緒した。
高木さんは現㈱ロピア社長。
私は㈱商業界社長だった。
甘利さんは、当時、
経済産業大臣だったが、
新郎側主賓。
私は新婦側主賓に次いで、
三番目に乾杯の音頭とご挨拶。
「ロイヤルカスタマー論」を語って、
勇輔さんの門出を祝ったが、
甘利さんも乾杯の後、
44分間一緒に食事 してから退席。
経済産業相としては、
異例の長時間の参加だった。
その間、私たちは隣席で、
流通業界のことなども、
いろいろと意見を交わしたが、
筋を通す政治家だと感じた。
まだまだ、TPPの進捗には、
困難が待っている。
それでも、新しい時代を迎えることは確かだ。
そしてそれは日本の経済や商売にとっても、
太平洋を取り巻く地域に住む人々にとっても、
有益で貴重なことだと思う。
帰国後、間髪をおかずに、
朝から、東海道新幹線。
富士の姿は拝めず。
東大阪市の㈱万代本部会議棟。
万代ドライデーリー会が、
11月にアメリカ視察勉強会を開催する。
万代の幹部と取引先が一緒に学ぶ。
取引先からの参加者は、
メーカー・卸売業のトップ・幹部ばかり。
私はそのコーディネーターで、
今日は事前講義。
帰国したばかりなので、
脱線だらけの講義だったけれど、
だんだん熱が入ってきた。
昨日まで見てきたアメリカの実態を、
再現するかのような話となった。
2時間たっぷりの講義は、
あっという間に終わった。
アメリカの進化は早い。
しかし日本の進化も、
負けず劣らず早まった。
そしてTPPはそれに拍車をかける。
小売業にとっても、
製造業・卸売業にとっても、
今まさに、
グローバルな視点が必須である。
万代は取引先とともに、
欧米、アジアで、流通を学ぶ。
この秋は、これまで以上に、
意義深い勉強会になるだろう。
私の左が万代社長の加藤徹さん、
右が常務取締役の阿部秀行さん。
今回はお二人も同行。
左端は前田仁事務局長。
ドライデイリー会の講義が終わると、
事務局の前田さんと小阪裕介さん。
小阪さんはJTB西日本の営業担当で、
昨日まで私と一緒にアメリカにいた。
今度は万代社員の事前講義。
ドライデイリー会に続いて、
11月中旬にサンフランシスコで、
社員研修を行う。
店長、チーフクラスの研修。
ほとんどのメンバーが初めてアメリカに行く。
だからきわめてわかりやすく、丁寧に、
しかし、重要なことを語った。
食い入るように見つめて、
話を聞いてくれた。
自然に、力が入る。
そして全員で元気な写真。
私の隣は団長の楠誠司さん、
第二運営部エリアマネジャー。
アメリカは日本と近くなった。
TPPはそれをさらに近づけてくれた。
EUを超えるスケールの経済圏。
GDPで世界の4割を占める。
そして国際的には、
中国に対する牽制になる。
スーパーマーケットの店長やチーフが、
そんなことまで、
身をもって感じてくれ、
考えてくれる。
知識商人を養成するという、
私の仕事の意義は、
疲れなど吹っ飛ばしてくれる。
〈結城義晴〉
[追伸]
アメリカ報告は、まだまだ続きます。