オムニチャネルは中央集権のセブンと地方分権のイオン
いい季節です。
そとはキラキラしてるのに
ボクはひとりでへやのなか
ああ こんな日は
古臭いロックンロールでも
聴かなきゃたまらない
そとはキラキラしてるのに
ボクはひとりでへやのなか
ああ こんな日は
懐かしい未明の童話でも
読まなきゃ死んじまう
ああ こんな日は
こんな日は
たまらない
ああ こんな日は
こんな日は
たまらない
〈作詩 鈴木順子〉
「未明」は小川未明。小説家、児童文学者。
私はよく、言います。
「今が一番いい季節」
幸せな方だと思っています。
今日も横浜商人舎オフィス。
ランチは横浜ベイシェラトン「木の花」で、
第一屋製パンの細貝理榮さん、
門脇宜人さん、前川智範さんと。
細貝さんが会長、門脇さんが社長、
前川さんは副社長。
いい会食でした。
帰りに近所を散策。
いい気持ち。
プロ野球日本シリーズも、
福岡ソフトバンクホークスが2連勝で、
東京ヤクルトスワローズは、
追い込まれつつある。
このあと、地元の神宮球場で、
踏ん張ってほしい。
アメリカ大リーグは、
ワールドシリーズ。
ニューヨークメッツと、
カンザスシティ・ロイヤルズ。
どちらも貧乏球団。
メジャーリーグ30球団中の年俸総額は、
メッツが20位、ロイヤルズは17位。
しかし球団名が街の名前っていいなあ。
福岡ホークスと東京スワローズ。
断然、スマートだ。
年俸総額はホークスが日本一、
スワローズは5位。
なかなかのもんだ。
ちなみにプロ野球選手の、
平均年齢27.57歳で、
平均年俸は4145万円。
チーム別年俸総額ランキング。
1位 ホークス 47億1940万円
2位 ジャイアンツ 46億5430万円
3位 ブルーウェーブ 38億3895万円
4位 タイガース 33億4720万円
5位 スワローズ 27億3780万円
6位 カープ 25億7341万円
7位 ドラゴンズ 25億5247万円
8位 ライオンズ 24億5620万円
9位 マリーンズ 24億5155万円
10位 ゴールデンイーグルス 23億6890万円
11位 ファイタース 23億4395万円
12位 ベイスターズ 22億6610万円
ソフトバンクと読売が圧倒的に高くて、
ともに40億円台。
オリックスと阪神が30億円台で続く。
あとは20億円台で、
食品会社はヤクルト、ロッテ、日本ハム。
IT関連がソフトバンク、楽天、DeNA。
マスコミは読売新聞と中日新聞。
電鉄は阪神と西武。
オリックスはリース会社で、
広島は市民球団だが、
自動車のマツダがスポンサー。
2015年最後のイベント。
スワローズには頑張ってほしいが、
私は福岡ホークスを応援する。
さて、ちょっと気になるニュース。
日経新聞の記事。
「物言う株主」米サード・ポイント、
セブン&アイ株取得
投資家ダニエル・ローブが率いるファンドが、
サード・ポイント。
セブン&アイの株式を、
5%ほど所有しているらしい。
記事には、
「イトーヨーカ堂の収益改善」などを
要求していると書かれている。
投資ファンドは、
短期的に収益改善を要求し、
会社を安く買って、高く売る。
その利鞘で儲ける。
経営の質を中長期的に改革しようとする場合、
面倒臭い相手だ。
そのセブン&アイのオムニチャネル戦略。
先週土曜日の日経の記事。
11月から本格スタートするのが、
グループ横断通販サイト「オムニセブン」。
その前宣伝的な記事。
セブン-イレブンからそごう・西武まで、
グループ店舗の180万品目をそろえ、
宅配するか、セブン-イレブン店頭で、
引き渡し・返品を受ける。
このコンビニ店頭力が、
セブン&アイの強み。
そのうえで、「ネット通販の専用商品」を、
大手食品メーカー90社と組んで、
開発し売り出す。
約170品目。
サイト上で商品特性を周知させたうえで、
売れ筋商品や派生商品を、
セブン-イレブンやイトーヨーカ堂の、
店頭でも販売する。
専用商品は、例えば、
「店頭で持ち帰りにくい大容量飲料」、
「工場直送を売り物にする加工食品」など。
カルビー「ポテトチップス 北海道急便(6袋入り)」
日清食品「カップヌードル具材バラエティセット」
などなど。
他の小売企業からすると、
ルール違反に見えるかもしれないが、
これはセブンプレミアムのPBでも同じ。
ほかの企業、ほかのグループも、
そんな取り組みをすればいい。
ネット経由のグループ売上高は、
2014年度に約1600億円。
2018年度には1兆円を目指す。
一方のイオン。
22日の日経記事。
「ネットスーパー、地域商品を拡充」
イオンリテールは来2016年2月までに、
ネットスーパーの取扱品目を2倍に増やす。
約2万5000品目。
店頭には10万品目超の商品があるが、
これまでのネットスーパーの品ぞろえは、
1万2000品目前後だった。
それも大手メーカーのブランド品や、
PBのトップバリュ中心。
これではつまらない。
セブン&アイはメーカーと組んで、
専用商品まで作っている。
イオンの総合スーパー約350店のうち、
約190店がネットスーパーを展開している。
イオンリテールはこの春から、
6つのカンパニー制を敷いて、
エリア別仕入れを強化しているが、
そこで地元食品メーカーの人気商品を集めて、
ネット販売でも地域密着型品揃えを志向する。
地域嗜好性が強い調味料、
地元の人気商品が多い日配品。
さらに仕入れ量が確保できれば生鮮食品、
季節需要に地域差がある衣料品や日用品も。
そのためにイオンは、
ネットスーパー専用コールセンターの人員を、
従来の2.5倍に増員した。
セブンが大手メーカーとチームMDをすれば、
イオンは地場商品で地域密着型を志向する。
まあ、セブン専用商品と同等のアイテムは、
イオンもメーカーと取り組むだろうから、
すぐに、いたちごっこにはなるだろう。
ネットスーパーの市場規模は約1200億円。
最大手がイトーヨーカ堂で、
その販売額は約500億円。
イオンが急追する構造だが、
セブンが中央集権的アプローチで、
イオンが地方分権的アプローチ。
ここにアマゾン・ジャパンなども絡んで、
オムニチャネル競争は活発化する。
それでも、まだ1200億円の中の500億円。
2015年2月期年商1兆2859億円のイトーヨーカ堂が、
ネット分を倍増させたとしても、
ダニエル・ローブの要求が弱まることはない。
〈結城義晴〉