サンアントニオのHEBとウォルマートの対決の構図
Everybody! Good Monday!
[2015vol45]
2015年第46週。
11月の第2週です。
Weekly商人舎の日替わり連載。
月曜朝一・2週間販促企画。
昨日日曜日の立冬を告げ、
今週日曜日の七五三を取り上げる。
しかし私が滞在しているのは、
テキサス州サンアントニオ。
立冬の気配はないし、
七五三の風習もない。
日本の風土や慣習、
いいものです。
存分に楽しみたい。
Daily商人舎では、
「プライドフィッシュ」を取り上げた。
イオンがこの15日から、
取り扱い開始。
イオンはこういった社会的な問題に、
いち早く、対応する。
トップ企業の責任でもある。
さて私はアメリカ滞在2週間目に入った。
万代DryDaily会のスーパーマーケット勉強会。
今回で第13回目になる。
アメリカはもとより、
ヨーロッパ、中国、タイ。
万代の取引先が、
最新のスーパーマーケットを勉強しつつ、
知識商人を目指して交流を深める。
サンアントニオに到着すると、
すぐにHEBプラスの最大店舗へ。
テキサスのローカルチェーンHEB。
全米第5位のスーパーマーケットチェーン。
そのHEBがウォルマート対策のために、
2004年に実験開始したフォーマット。
もちろん非食品強化型の大型店。
このブログでも何度も紹介している。
天井が高くて、木づくり。
非食品もよくこなれてきて、
エンターテインメント、スポーツ、
ペット、パーティグッズ、そしてアパレル。
クリスマスグッズは、
売場を広げて展開。
ウォルマートをよく観察している。
そしてベビー用品コーナーは、
衣料品も含めてよくできている。
ウォルマートとはやや異なるノンフード、
しかしウォルマート・スーパーセンターの強みを、
削ぎ落す役割を持つ。
しかし食品スーパーマーケットであることが、
HEBプラス最大の強み。
サンアントニオやオースティンで、
スーパーセンターが出店すると、
その近隣に必ず店を出す。
HEBプラスを訪れたら、
当然ながら、次は、
ウォルマート・スーパーセンター。
フルラインのレギュラー店だが、
ちょっと元気がない。
ジュースバー付近にも、
人が集まらない。
特に生鮮食品が回転していない。
そこで非食品専業ストアのように見える。
顧客がカートいっぱい買っているが、
すべてノンフードであったりする。
牛乳は「プライスファースト」で価格アピール
コンペティティブブランド。
食品が弱含みなのは、
ウォルマートを取り囲むHEBの、
マルチ・フォーマット戦略の影響。
MDD会の面々も、
感慨深げにバスに戻る。
そして急きょ、スプラウツへ。
居抜き物件をリニューアルして、
スプラウツの力を発揮できる店に変えた。
驚いたのは、
チアシードのバルク販売。
フラックスシードの島陳列も大人気。
そして入口にあるこの売り場。
Grab’n Give。
この商品を、貧しい人たちに寄付するために、
顧客が購入して、店に預ける。
店は商品の1割を負担して、
寄付行為に参加しつつ、
顧客を誘導する。
もう7年も前から、
スプラウツが始めたボランティアイベント。
店長と万代の加藤徹社長が握手。
加藤さんも寄付した。
11月5日から初めて、
30日まで続けられる。
サンクスギビングやクリスマスに、
貧しい人たちにも、
それなりのものを食べてもらう。
この寄付商品は、
フードバンクに委ねられ、
貧困層に配給される。
私も固い握手。
スプラウツの店が、
いいというだけではない。
「公正で公平な社会的活動を行え」
倉本長治の第9訓。
それを実践する。
最後にHEBの都市型店舗へ。
1945年オープンの第4号店が、
リニューアルによって蘇った。
こちらから見ると1945年の店。
こちらから見ると今の店。
初めは1万5000平方フィートの店だった。
それが1957年に3万平方フィート、
そして2014年に5万3000へ。
都心型dぇ敷地が狭いので、
1階は駐車場、2階が店舗。
それでもHEBの商品構成は、
損なわれることがない。
マルチ・フォーマットは、
立地にも対応する店づくり戦略である。
初日の視察研修が終わり、
夜はタックス・メックスのディナーを楽しんで、
ぐっすり眠ると、翌朝は、
2時間半のセミナー。
いつも前田仁事務局長の仕切りで始まる。
私の講義は、今回は、
アメリカ小売業に押し寄せる新しい潮流。
スーパーマーケットには、
第3の革命がもたらされる。
非食品小売業にも、
全体に衝撃を与えるフォーマットが登場した。
それを知らねばならない。
オーガニック・ブームはやってくる。
TPPがそれを後押しし、推進する。
最後はポジショニング戦略の要諦。
学ぶ者には成果がもたらされる。
それだけは確かだ。
では、みなさん、学びましょう。
Good Monday!
(つづきます)
〈結城義晴〉