サンフランシコの「とんがり★こだわり」を体感する研修
Everybody! Good Monday!
[2015vol46]
今回、アメリカに来て、
三度目のGood Monday。
もう、1週間。
頑張ります。
さて、日本のGDP、国内総生産。
7~9月期の速報値が発表された。
実質の季節調整値は、
前期比マイナス0.2%、
年率換算ではマイナス0.8%。
その前の四半期の4~6月も、
年率マイナス0.7%。
つまり日本の経済状況は、
連続マイナス・トレンド。
「世界経済の不透明感」という言い回しをするが、
そのために企業が投資を先送りし、
設備投資が2四半期連続で減少した。
個人消費は、実質で前期比0.5%増。
昨年第4四半期以来の増加。
夏場の猛暑と大型連休の好天が、
消費を活発化させた。
有形財を販売する小売りだけでなく、
無形財を提供するサービス業が貢献した。
つまり旅行、宿泊、外食などなど。
ただしここでも「お天気頼み」。
企業の設備投資は1.3%減、
住宅投資は1.9%増。
公共投資は0.3%減。
国内需要は前期比0.3%ダウンで、
安倍政権の「アベノミクス」効果は弱まっている。
輸出は2.6%増だが、
訪日客消費はなんと、
GDPを 0.1%上昇させた。
結果として、輸入は、
国内消費の持ち直しを背景に1.7%増。
日本のマイナス基調に対して、
アメリカのGDPは、
今年の第1四半期が0.2%増、
第2四半期は2.3%増。
日本よりもちょっとだけ好調。
そのアメリカの消費現場を見る。
㈱万代のサンフランシスコ社員研修。
2日目も朝から視察。
はじめに、スプラウツファーマーズマーケット。
企業概況など説明したうえで、
バスの中でクイズを出す。
スプラウツがなぜ、好調なのか。
それを自分の目で見て、
自分の耳で聞いて、
自分の頭で考える。
店舗中央の青果部門。
いつも素晴らしい。
バルク売場には、
チアシードの樽が二つ。
1ポンド(454グラム)5ドル99セント。
ミート・シーフードの対面売場。
一昨年の株式上場以来、
この会社は絶好調。
ホールフーズやトレーダー・ジョー以上。
続いて、ナゲットマーケットへ。
エントランス左手にクリスマスツリー。
店頭のクリスマス・プロモーション。
そしていつも、息をのむほどの青果部門。
ナゲットの特徴的な青果のプレゼンテーション。
惣菜デリ売場は、
ぴかぴかで、なおかつうまい。
スーパーマーケットの中でも、
こういったクォリティ&サービス型は、
かならずシーフードから入ってミートとなる。
それにも理由がある。
ワインも深い品揃え。
そしてグロサリー。
ナショナルブランド中心の、
ローカルチェーンの品揃え。
天井から「グルテンフリー」のパネル。
そして売場のPOP。
無駄なことは書かれていない。
エンドは見事な陳列。
店舗中央を走る冷凍食品売場。
ピカピカの床は、いつも磨いているから。
このウェットルックの床も、
ナゲットマーケットの戦略の一つだ。
続いて、フード4レス。
ナゲットがフランチャイジーとして、
3店舗展開する。
まず、ウォール・オブ・バリュー。
お買い得品の連続展開。
エンドの連続と考えればいい。
そして青果部門。
ディスカウントスーパーマーケットで、
この見事な美しさ。
奥主通路沿いには、
ベーカリーから、
長い平冷蔵ケースのミート売場が連なる。
メキシコ人の子供の祭ピニャータ。
それに向けたプレゼンテーション。
グロサリーはラック陳列、
ローコストオペレーション。
この北カリフォルニアあたりにも、
メキシコ系アメリカ人が多く住む。
つまりこの店は、
低所得者層のエリアの店で、
したがってディスカウントする。
ナゲットは12店舗の中小企業だが、
マルチフォーマット戦略を採る。
そして「働きがいのある企業ランキング」常連。
チェックスタンドも、
顧客に仕事をさせるけれど、
ホスピタリティにあふれている。
そしてウィンコフーズ。
「従業員が所有する会社」
私たちのリムジンバスを運転する、
リオ・ドミンゴさんが、盛んに感心した。
「An Employee Owned Company」
こちらも入り口は、
ウォール・オブ・バリュー。
価値ある商品の壁。
価格比較POP。
ウォールを過ぎると、
開放的で巨大な売場が現れる。
そしてプロデュース・デパートメント。
クリスマス商品も、
大展開。
壁面はクレート陳列の青果。
安くて新鮮。
奥主通路のデリ・ミート部門は、
大人気。
ミートでも価格比較広告。
乳製品から冷凍食品まで、
リーチインケースの巨大な売場。
通路幅が広く
天井も高い快適な買物環境。
左壁面には、
クリスマス・デコレーション。
ウィンコも、フード4レスと同じ
スーパーウェアハウスストアで、
ディスカウント・スーパーマーケット。
そして、安くてきれい。
安くてフレンドリー、
安くて良い。
アメリカのディスカウント競争、
激変している。
夕方、セーフウェイ。
このサンフランシスコのマーケット・リーダー。
この店はいつも、
花売場が素晴らしい。
そしてウッディな床と、
天井の照明で浮き上がる青果部門。
オーガニックを中核に据えて、
美しい売場。
店舗の奥主通路沿い中央に、
ファーマシーとクリニック。
ミート売場にもクリスマスプロモーション。
そしてデリは一番力を入れた部門。
隣にあるトレーダー・ジョー。
壁面には、
サンフランシスコの風景。
トレーダー・ジョーでは、
リーさんにインタビュー。
38歳のミートマネジャー。
12年間トレーダージョーに努め、
この会社をこよなく愛している。
その自信とプライドに、
研修団全員が感心した。
そしてピンクダイソー。
レジは行列をつくって、
絶好調。
100円商品を1ドル50セントで販売しても、大人気。
最後はバークレーボウル。
1号店を訪れた。
第2号店はウェスト。
この店がイーストで、
私はこちらが好きだ。
充実のバルク売場。
青果はどこよりも専門的な品揃え。
オーガニックアイテムの品揃えもすごい。
この時期珍しいスイカのカット販売。
角をカットしてあるが、
これは日本の神田の青果市場で、
修業を積んだ人しか知らない技。
平台で展開されるリンゴのこの量。
多段ケースでも、
さまざまな品種のリンゴが並ぶ。
トマトの品種も多いし、
バラ売りからパック売りまで、
SKU数も多い。
こちらもアイテムの多いキノコ売場にも
お客がよく集まっている。
葉物は多段ケースで販売するが、
このボリュームとバラエティは、
ほかの店には絶対にない。
惣菜の対面売場にも、
顧客が並んでいる。
対面のチーズの売場。
豊富な品揃えは好調店の証拠。
レジはいつも全開放でお客をさばく。
それだけ客数が多いから。
バラ売りの野菜・果物の価格は、
チェッカーが全部覚えている。
バークレーボウルも、
たった2店だが、
ここにしかない魅力を持つ。
サンフランシスコの尖がった店を、
一気呵成に学んだ。
アウトスタンディングな、
ポジショニング。
それが具体的に体感できれば、
目的を果たせる。
とんがり★こだわり。
今年の商人舎標語。
それを万代の若手が学んだ。
大いに満足。
では皆さん、
今週も、とんがり★こだわり。
Good Monday!
(つづきます)
〈結城義晴〉