サッカー釜本邦茂の「形・結果」と知識商人の「理論・実践」
Everybody! Good Monday!
[2016vol9]
2016年第10週。
今日は2月29日の閏(うるう)日。
4年に一度、1日が追加される。
閏年は4年に1度。
そう思いこんでいるが、
正確には400年に97度。
それにしても1日分、
得した気分になる。
しかし、2月は終わる。
帰りこぬ猫待ち二月終りけり
〈朝日俳壇より 川越市・大野宥之介〉
あちこちに地球の憤怒鳥帰る
〈朝日俳壇 さいたま市・田中彼方〉
天変地異を「地球の憤怒」と表現。
2月26日16時、口永良部島噴火警戒レベル5。
同2月26日16時、桜島噴火警戒レベル3、
同日同時、草津白根山噴火警戒レベル2、
同浅間山、同御嶽山、同阿蘇山、
そして同霧島山(新燃岳)。
ああ、日本火山列島よ。
海よりの風が報せる春の距離
〈同 神戸市・池田雅一〉
それでもあの海の向こうから、
津波がやってきた。
今日は暖かい横浜。
午後から雨模様。
狐の嫁入りの雨上がり、
雨粒が木々の枝に光る。
明日から3月。
一月往ぬる、
二月逃げる、
三月去る。
さて、何度も何度も、
商人舎公式ホームページは、
リニューアルを重ねている。
先週から巻頭テロップに、
『流通ニュース』を復活させた。
ご活用願いたい。
巻頭のお知らせは二つ。
第1はUSA視察研修会basicコース。
5月12日~18日、イン・ラスベガス。
第2はミドルマネジメント研修会。
6月7・8・9日、湯河原にて。
どちらも定評のある講座。
ご派遣、ご参加、
ご検討を願います。
さて、今週来週のスケジュール。
Weekly商人舎日替り連載、
月曜朝一・2週間販促企画。
3月3日のひな祭りは、
今週木曜日。
3月11日は来週金曜日、
東日本大震災から5年。
今日の午後2時1分、
高浜原発4号機は、
発電・送電の操作開始とともに、
発電機の内部故障を示す警報が鳴って、
原子炉が自動停止。
約4年7カ月ぶりに再稼働したが、
福島原発の現状を考えると、
軽率のそしり、免れない。
再来週になって、
3月14日のホワイトデーは月曜日。
3月は商売上、
ネタの多い月。
4年間に1日だけ、
余裕が与えられた今日、
その1日分を考える時間にしたい。
さて、日経新聞『私の履歴書』
今月はサッカーの釜本邦茂。
メキシコ五輪銅メダルの立役者。
晩年は監督や参議院議員を務めるが、
精彩はなく、しくじりばかり。
やはり釜本は現役時代に輝いていた。
それも実は大学4年生のときに、
もっとも成長した。
連載第10回目のタイトルは「大学4年生」
「秋の関東リーグは13点で4年連続得点王。
12月には10日間で7試合という
殺人的な日程と暑さの中で
バンコク・アジア大会の銅メダルを手にした」
さらに学生最後の大会は天皇杯。
当時の天皇杯は現在のような、
Jリーグ一色の闘いではない。
日本サッカーリーグ(JSL)と大学選手権の
各上位4チームに出場資格があった。
釜本の早稲田大学は大学選手権王者。
「三菱重工、八幡製鉄を連破し、
決勝も日本リーグ2連覇中の東洋工業に
延長戦の末に3―2で競り勝った」
これは凄いこと。
「長い天皇杯の歴史で
学生が優勝したのはこれが最後」
当時の東洋工業が、
いまのサンフレッチェ広島だが、
日本リーグで圧倒的に強かった。
私もよく覚えている。
その東洋工業に勝利。
凄かった。
「早大の3得点すべてに
絡んだ私は有終の美を飾り、
思い残すことのない大学生活になった。
新聞記者が選ぶ年間最優秀選手にも選ばれた」
この後がいい。
早稲田の工藤孝一監督と、
山城高校時代の恩師・村山康裕先生。
大学4年生の釜本を交え、
京都で会食した時のこと。
村山先生が持論を切り出す。
「今日の釜本のゴールは
あまり美しくなかった」
すると工藤監督。
「そういうぜいたくは
高校の強いチームがいえること。
大学は入れれば何でもいいんです」
大学の長丁場を闘う工藤監督は、
どんな時でも結果を出す選手を評価する。
「二人は自分の哲学を述べる度に
『なあ釜本』と同意を求める。
『形』と『結果』にこだわるどちらの問いにも
『はい』『はい』と答えるしかない私を
二人の鬼は笑って見ていた」
この場面が、
釜本邦茂の『履歴書』で、
一番いい。
形と結果。
美しさと得点。
徹底して両方を求められたから、
釜本邦茂は超一流になった。
商売も仕事も同じ。
理論は美しい。
実践は不揃い。
ピーター・ドラッカー先生も指摘するところ。
両者を突き詰めるところから、
超一流の知識商人は生まれる。
その意味で超一流となるためには、
二人の鬼が必要なのかもしれない。
今週も、理論と実践を両立させたい。
では、みなさん、
Good Monday!
〈結城義晴〉