熊本地震⇒南海トラフ説とフォートワースの激戦模様
平成28年熊本地震は、
まだまだ余震が続く。
最悪を覚悟して、
最善を尽くせ。
毎日のように私は言っている。
高橋学立命館大学教授の指摘は、
「最悪」に及ぶ。
歴史都市防災研究所所属。
「今回の熊本の地震は、
ステージ3の南海トラフ地震の
『前奏曲的』な意味合いが強い」
「筆者の推計では
南海トラフ地震の津波被害者は、
47~50万人である。
熊本地震を単体のものとしてとらえず、
日本全体の『危機の前兆』と認識し、
対策を講ずる必要があるのだ」
南海トラフとは、
四国の南の海底にある深い溝のこと。
水深4000m級の深さで、
非常に活発で大規模な地震発生帯。
南は四国から北端部は駿河湾内まで続く。
この北端の「駿河トラフ」に及べば、
首都圏にまで影響を与える。
ああ。
勇気とは
未知なる世界に一歩、
目隠しで踏み込む
心の在り方だ。
恐れてばかりはいられない。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
さて、セブン&アイ・ホールディングス。
今日、取締役会を開いて、新人事を決定した。
井阪隆一取締役が社長に昇格する。
セブン-イレブン・ジャパン社長。
紆余曲折の挙句、
更迭されることになった人が、
逆転でトップになった。
さらに鈴木敏文会長は退任し、
「最高顧問」などの名誉職就任も調整が進む。
私はすっぱりと、全部、やめるのが、
「鈴木さんらしい」と書いたが、
その方向になりそうだ。
さて、ダラスの豪雨・雷雨で、
サンフランシスコには行けなかった。
そこで、予定を変更して、
アルバートソン。
かつてのエクセレントカンパニー。
それが今、これも紆余曲折を経て、
投資会社サーベラス傘下。
セーフウェイと統合されて、
今後どうなるかわからない。
しかしそれでも現場は頑張っている。
豪雨に対して、店頭に傘の売場を特設。
私はここで10ドルの傘を買ってあげた。
しかし顧客はいない。
豪雨とはいえ、
これが日曜日朝10時の売場。
ミールソリューションのミート売場は、
ごっそり欠品。
鮮魚の対面売場には、
生臭い臭いが充満。
レジも1台も空いてなかった。
私が傘を持ってうろうろしたら、
高齢の女性店員がレジを開放してくれた。
ああ。
対してHEBプラス。
打って変わって大繁盛。
入口の青果部門が超強力。
左手には花売場のBLOOMS。
その奥が右手に鮮魚と巨大なミート売り場。
左手はベーカリーからデリカテッセン、
そしてチーズ売り場に続く。
各部門がショップ形式になっていて、
チーズは黄色、デリはオレンジ、
ミートは赤、フィッシュは水色、
そして青果はグリーン。
店舗奥主通路沿いの真ん中には、
グルテンフリーの大きな売場。
左翼にはデアリー売り場、
ペット、ビューティケア、
そしてファーマシー。
最後にこのバーベキュー用品の島陳列。
レジには高校生が入って、
実に生き生きと接客。
この違い。
15年前はアルバートソンが一世を風靡。
HEBはテキサスの、
ローカルチェーンでしかなかった。
それが、この逆転現象。
次にHEBの目の前にある、
ターゲットを訪れた。
この3年ばかり低迷。
顧客名簿漏えい事件で社会の信用を失った。
ドラッグストアはインストア部門だが、
それを全部CVSヘルスに売却。
少しずつCVSに変わりつつあるが、
この店はまだターゲット・ファーマシー。
食品は申し訳程度の品ぞろえ。
それはいい。
非食品の会社だから。
しかしターゲット、
息を吹き返しつつある。
マネキン陳列も積極的。
ターゲットのシンボルが、
お客を迎え、お客を送り出す。
さらにアルディ。
超ディスカウンター。
ボックスストアと呼ばれる。
チアシードとフラックスシード。
すごい値段。
市場最低価格。
店内は広々、美しくなった。
そしてレジチェッカーが驚くべき速さ。
団員全員が感心した。
これらすべての企業がライバル視するのが、
世界のウォルマート。
入口には傘入れのビニールシート。
そして傘、売っていました。
ターゲットにも、HEBにも、
アルディにもできない。
なぜかアルバートソンにだけあったけれど。
そして青果売場。
アルバートソンよりずっといい。
ターゲット、アルディを圧倒している。
HEBにはかなわないけれど。
つまりアルバートソンに代表される、
コンベンショナルなスーパーマーケットを、
徹底的に駆逐して快進撃を遂げてきたのが、
ウォルマートなのだ。
左を見ると水着などのアパレル。
そしてレジ。
お客が多ければ、
チェックスタンドには、
自然に活気が生まれる。
何はなくとも、ウォルマート。
豪雨で予定は変わったが、
フォートワースの南側で、
集中的な競争状況を学んで、
収穫は大きい。
最悪を覚悟して、
最善を尽くせば、
道は開ける。
ダラスでの時間はたっぷりある。
サンフランに行けないだけ。
そこで観光。
ストックヤード。
牛の集散地。
ここに成牛を連れてきて、
鉄道で運んだ。
その跡地が観光名所になっている。
その鉄道跡。
ランチはテキサス牛。
ブリスケットは最高の味。
カントリー調の店内が、
我々の不安を拭い去ってくれた。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
いつも、どこでも、
知識商人の心構えだ。
〈結城義晴〉