みどりの日の英国レスター初制覇とダイエー碑文谷店
みどりの日。
ゴールデンウィークの真ん中で、
憲法記念日とこどもの日を繋ぐ、
やや、ご都合主義的な記念日だが、
その趣旨はいい。
「自然にしたしむとともに
その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ」
豊かな心をはぐくみたい。
大雨の後、夏の陽気。
イギリスからうれしいニュース。
サッカーのプレミアリーグに異変。
レスターは1884年創設の弱小クラブ。
前期に2部リーグからプレミアリーグ復帰、
そして二期目の今期に初優勝。
そのリーグ初制覇が決定。
日本代表のフォワード岡崎慎司が活躍する。
英国プレミアリーグは、
金に飽かせてスターを集める4強時代。
マンチェスター・ユナイテッド、
マンチェスター・シティー、
アーセナルとチェルシー。
しかしレスターにスター選手はいない。
イタリア人のラニエリ監督は就任1年目。
その堅固なストラテジーの徹底で、
この奇跡を成し遂げた。
今期の開幕前、ブックメーカーは、
レスター優勝のオッズを5000倍とした。
100ポンド(1万5500円)買っていたら、
50万ポンド、7750万円。
世の中にはこんなことも起こる。
それがドリームだ。
昨日は、東京・碑文谷。
ダイエー碑文谷店を訪れた。
1975年4月1日に、
ショッパーズプラザ碑文谷という名称で、
ダイエーの基幹店としてオープン。
前年の74年9月29日に、
創業の第1号千林駅前店が閉店しているから、
ほんとうに新しいシンボル店舗だった。
しかし、いろいろなことがあった。
そして5月5日のこどもの日に閉店する。
このロゴマークは、
2005年10月14日に公式発表。
当時の会長は林文子さん、現横浜市長。
社長は樋口泰行さん、
現日本マイクロソフト会長。
中内功色を払しょくする狙いで、
あのオレンジマークを全廃して、
これに転換。
しかし、私、はっきり言って、
ずっと好きではない。
コーポレートアイデンティティは、
企業にとって極めて重要なものだ。
雑誌の編集長も、就任すると、
ロゴマークを変えたがる者がいる。
自分の個性を出そうとする。
その前に、中身を良くしなければいけない。
そして中身が改善されてきてから、
さまざまなイメージやビジュアルを変更する。
ポジショニング戦略も、
際立つ立ち位置を主張するために、
重要な外的要件が三つある。
しかしその変革は商品やサービスが、
より良くなってからのことだ。
変えねばならないこと、
変えてはならないこと。
そこに錯誤や手順前後があると、
物事はさらに悪くなる。
その典型のような2005年のダイエーだった。
それから10年後の2015年1月1日、
ダイエーはイオンの完全子会社となった。
そして碑文谷店は、
イオンスタイルとして生まれ変わるために、
閉店する。
5月5日21時。
現在は1階と2階だけ営業中。
1階がデリと生鮮、日配、冷食など、
2階がグロサリー、酒と、ドラッグストア。
1階入り口の花売り場が、いい。
梅丘の美登利寿司がテナント出店して、
大繁盛。
しかし、床は傷んでいる。
この店の歴史を物語る。
売り場も悪くない。
閉店SALEのPOPがズラリと掲げられる。
長い長いファンの顧客が、
ありがたい買物をしてくれている。
カードをWAONに切り替える窓口は、
満員御礼。
天井もこんなに低かったかと、
感慨深い。
2階の酒売り場は、
もう商品が減っていっている。
ドラッグストアにも顧客が入っている。
まだ動いているエレベーターで、
最上階の7階に上がってみた。
真下を目黒通りが走る。
懐かしさがこみあげてきた。
私は1977年4月1日に㈱商業界に入社した。
そしてすぐにダイエー碑文谷店を訪れた。
当時は、何か発表があると、
碑文谷店がその舞台となった。
それ以来、何度、ここに来ただろうか。
いつも店舗の外側にむき出しになって、
上下するエレベーターに乗った。
イオンスタイルになっても、
このエレベーターは、
なくしてもらいたくないと思った。
ダイエー碑文谷店、
12月にイオンスタイルとして蘇る。
昨年の5月6日のこのブログ。
「勝ったチームは強くなる」と
結城義晴「一番の人気」
サッカー業界の常套句は、
「強いチームが勝つとは限らない」
良いサッカーをしたチームが敗れると、
この常套句が使われる。
しかしそれに反対するリアリズムの声は、
「勝ったチームが強いのだ」
ここで日経新聞の吉田誠一記者。
「勝ったチームはより稼ぎ、
その分で補強が可能となり、
また勝つ可能性が高くなる」
それがスペインのレアルマドリード、
FCバルセロナ、
ドイツのバイエルンミュンヘンだった。
イギリスではチェルシーやマンユー。
いまやこれが常識化している。
しかしレスターは、それをひっくり返した。
「強いチームが勝つとは限らない」
碑文谷店も、
レスターのような、
劇的な変身を見せてもらいたいものだ。
〈結城義晴〉