上海で永輝超市・RTマート・オーシャンのすごさを体験する
上海ディズニーランド、
本日オープン。
朝も昼も夜も、高速道路は渋滞。
いつものことだから、
ディズニー開場の影響かどうか。
それはわからない。
万代ドライデイリー会海外視察勉強会。
上海3日目。
昨日の2日目は、
高級スーパーマーケットを中心に勉強。
つまり高所得者層狙いの業態。
今日は中産階級をターゲティングした、
ハイパーマーケットとスーパーマーケット。
その本命は、世界のウォルマート。
しかし中国では、
永輝超市。
そのスーパーマーケット業態の中で、
アップスケールさせたバナーが、
「ブラボー」(Bravo)
店長の陳さんが、
くまなく案内してくれた。
まず圧倒的に人気のある青果部門。
毎日2回配送で産地直結。
クレリンリネスが徹底された市場スタイル。
魚も新鮮な直送品をずらりと並べる。
魚類加工所があって、
大型の生魚は加工処理してくれる。
肉も対面平ケースで新鮮な素材を、
どんどん売る。
スマイルがいい。
かつての万代の対面販売を彷彿とさせる。
生鮮三品が上海で圧倒的に強い。
品質が良くて新鮮で、
しかも安い。
そのうえ、現在惣菜を強化中。
グロサリーは、例えば、
オーガニックも最先端を行く。
卵は原価で売る。
だから1日1トンから2トン。
円形のレイアウト。
創業者の張さんが、
風水を重視して店づくりをしているから、
このようなカーブを描くレイアウトになった。
常に床を磨いているが、
これはアウトソーシングしている。
バラ菓子はアメリカ並みのバルク販売。
そして上海で最初に導入したセルフレジ。
レジも混んでいて繁盛ぶりがうかがわれる。
発展途上国では、
まず総合スーパーが発達する。
消費が成熟してから、
スーパーマーケットが地位を得る。
失礼ながらまだまだ上海は、
中産階級の成熟化は果たされていない。
そんな状況の中で永輝超市だけが、
成熟した中国版スーパーマーケットを、
奇跡的に実現させた。
年商は421億4482万人民元、
6743億1727万円。
その伸び率は14.7%。
すごい会社です。
全員で写真。
店長・副店長とポーズ。
右が万代社長の阿部秀行さん、
私の隣は副社長の下岡太市さん。
永輝超市は万代と似ている。
そのことを確認して、
みんな満足そうだった。
スーパーマーケットは、
永輝超市が図抜けているが、
上海のハイパーマーケットで、
随一の実力を誇るのが、
大潤発・RTマート。
入り口を入るとケーキをデコレーション。
その隣は麺をゆでている。
つまり惣菜やベーカリーから入る。
そして青果部門のこの陳列。
実に鮮度感が高い売り場をつくる。
精肉は対面平ケース。
鮮魚は氷を敷き詰めた売り場。
乾物は平台販売。
そしてグロサリーは単品大量陳列で安い。
スロープを上がって上階へ。
いきなりスナックの天井までの大量陳列。
巨大な5000坪級のハイパーマーケットは、
この大量陳列で、
遠くからでも人目を惹かねばならない。
そうしなければ客は動いてくれない。
コンコースが真ん中を走り、
両サイドにカテゴリー別の部門が、
デパートメントストア方式で並ぶ。
リカーストアは品ぞろえ豊富だ。
菓子もバンドル販売。
ドラッグストア部門は水色の看板。
RTマートの衣料品には、
ホット商品が多い。
そして最後は家電。
高鑫零售有限公司が中国のスーパー業界第2位。
Sun Art Retail Group Ltd.という。
年商は964億1400万人民元。
1兆5426億円。
成長率は4.9%。
このサンアート・リテイルには、
二つのハイパーマーケットがある。
ひとつがRTマート、
もう一つがオーシャン。
そう、フランスのオーシャン。
同社と合弁事業で展開する。
RTマートが中国風店づくりとしたら、
オーシャンはちょっと欧米化して、
ロープライス&ローコスト志向。
しかし、オーシャンに行ってみたら、
異様な盛り上がり。
アイスクリームに客が群がっている。
こちらでも。
あらゆる通路に顧客が入り込み、
あらゆるゴンドラに手を伸ばす。
コンコースはまるで年末のアメ横。
スロープで下の階の非食品売り場に降りる。
ここにも人人人。
衣料品も買いあさっている。
なぜか。
この混雑。
その理由はこれです。
6月15日と16日。
部門別に全品で「7.5折」が基本。
つまり75%セール。
すなわち25%引き。
7折もあれば、5折もある。
それを二日間、ぶち抜く。
オーシャンの7.5折セール。
万代社長の阿部さんが言った。
「安うしても、悪いもんは売れん」
オーシャンのようなハイパーマーケットは、
高額品も販売している。
それらも含めて、一斉に、
2割5分引き、3割引き、5割引き。
「いいもんが安い」
国が変わっても商売の極意だ。
この後、急きょ、
アリババのネットスーパーを、
二度目の訪問。
さらに衝撃を受けたし、満足した。
これで視察はすべて完了。
すごいリアル店舗群の上空に、
ネット小売業が覆いをかぶせる。
それが「後進の先進性」の上海。
いやもう、先進している。
研修会最後の晩は、
北京ダックの全聚徳。
目の前で切り分けてくれる。
絶品。
開会のあいさつは、木村敏弘さん。
ドライデイリー会副会長。
加藤産業常務取締役。
会が進んで万代の役員が、
次々にスピーチ。
吉川英樹さん。
取締役水産畜産担当。
古谷潔さん。
取締役運営部統括。
黒田久徳さん。
取締役ドライデイリー担当。
そして副社長の下岡太市さん。
最後は社長の阿部秀行さん。
今回は万代の幹部がほぼ勢ぞろい。
大いに意義のある勉強会だったことを、
それぞれに強調した。
そしてドライデイリー会会長の今津龍三さん。
㈱今津社長。
お開きは恒例の「大阪締め」
万代ドライデイリー会上海研修。
あとは明日の総括講義と観光を残すのみ。
充実した3日間だった。
(つづきます)
〈結城義晴〉