アルビン・トフラー「21世紀の文盲」とJSA総会の懇親
2016年6月最後の日。
もう、半年が過ぎてしまった。
しかし18年ぶりのことらしいが、
まだ台風が一度も発生していない。
統計が残る1951年以降、
こんな現象は過去2回しかなかった。
1973年は7月2日、
1998年は7月9日に、
台風1号が発生している。
この背景にはエルニーニョ現象がある。
「エルニーニョ」は、
熱帯太平洋東部の海面水温が、
平年より高くなる現象。
エルニーニョによって、
熱帯太平洋東部の海面水温が上昇すると、
インド洋の海面水温も上がる。
そうするとインド洋で、
海水が盛んに蒸発し、上昇気流が生じる。
これに伴って、
熱帯太平洋西部からフィリピン沖にかけて、
下降気流が生まれる。
そして高気圧を強める。
日本に上陸する台風は、
熱帯太平洋西部の海上で発生する。
その熱帯太平洋西部で、
積乱雲を生む上昇気流が抑えられ、
台風が発生しにくくなった。
ただし、発生が遅くても、
年間を通じた台風の数は、
多くなる場合もある。
さらにエルニーニョが終息すると、
真夏には「ラニーニャ現象」が発生しやすい。
これは熱帯太平洋東部の海面水温が、
逆に平年より低くなる現象。
この現象によって太平洋高気圧は強まる。
そして日本では気温が高くなる。
つまり今夏は猛暑。
それが気象庁の予測。
覚悟して7月を迎えよう。
さて、アルビン・トフラー逝去。
アメリカの未来学者。87歳。
AP通信・日経新聞の孫引きだが、
1928年、米国ニューヨーク市で、
ユダヤ系ポーランド移民の家庭に生まれた。
ニューヨーク大学を卒業後、
労働組合運動に没頭。
オハイオ州では工場労働者として働いた。
組合の機関紙記者を経て、
『Fortune』誌に寄稿。
その後、ガルブレイス同様、
そのFortuneの編集に携わる。
雑誌編集者が偉大な思想家になるのは、
私、とてもうれしい。
それからIBMの研究員。
1970年「Future Shock(未来の衝撃)」刊行、
そして1980年「The Third Wave(第三の波)」
第一の波は、「農業革命」
農耕技術を手にした人類が、
文明を形成していった。
第二の波は「産業革命」
つまり大量生産が、
工業化社会をつくっていった。
そして第三の波は「情報革命」
コンピューターの勃興とともに、
脱工業化社会が到来する。
パソコンもない時代に、トフラーは、
インターネット社会の到来を見抜いた。
私もコモディティ化現象を説明するときに、
必ず、トフラー先生の「第三の波」の考え方を、
使わせてもらう。
さらに「未来の社会では
労働力でも資源でもなく、
知識が経済の源になる」
これはピーター・ドラッカー先生の、
知識社会論と全く同じ。
そして教訓的な言葉を残す。
「21世紀の文盲とは、
読み書きできない人を意味しない。
学べず、学んだことも忘れられず、
学び直すこともできない人だろう」
念のために、
ここで指摘しておこう。
最初の「学ぶ」という行為も、
次の「学び直す」という姿勢も、
詐欺師まがいの物真似言質に、
踊らされることでは、
断じてない。
さて今日は、一日、
月刊商人舎の仕事。
追いまくられている。
しかし私は、
追い込まれると強い。
1977年4月、社会人になって初めて、
㈱商業界『販売革新』誌の編集後記に、
自己紹介の文章を書いた。
そこで表明した自分の信条は、
「追いつめられること」
そこんとこ、よろしく。
そんなに忙しいのに、
夕方、東京の帝国ホテルへ。
日本スーパーマーケット協会総会。
その後の記念パーティ。
昨年、一般社団法人となった協会。
会長の川野幸夫さんが、
冒頭のあいさつ。
㈱ヤオコー会長。
「消費税の本体価格表示」問題を、
力強く、表明。
素晴らしかった。
世界中を見渡しても、
本体価格でない先進国はない。
この発言と総会後の記者会見の模様は、
Weekly商人舎に掲載予定。
よく読んでください。
そして知識商人として活動してください。
まず、清水信次さんにご挨拶。
㈱ライフコーポレーション会長、
日本チェーンストア協会会長、
日本小売業協会会長。
この協会では名誉会長。
御年90歳で、トフラーよりも3つ上の、
化け物級。
お元気で、よく食べます。
その清水さんを支える井上淳さん。
日本チェーンストア協会専務理事。
それからこの協会加盟トップとして、
㈱万代新社長の阿部秀行さんがデビュー。
㈱カスミ会長の小濵裕正さんと写真。
小濵さんのコメント。
「あんまり、暴れてくれるなよ」
それから㈱エコス会長の平富郎さんと。
平さんは何度も言った。
「30年間、万代から学ばせてもらっている」
ライバルでもある岩崎高治さんと。
ご存知、㈱ライフコーポレーション社長。
このツーショットは、
特に関西では話題となる。
そして㈱プラネット会長の玉生弘昌さんと。
もう一人、新社長としてデビューしたのが、
サミット㈱社長の竹野浩樹さん。
頑張ってください。
それから最後に、
日経新聞記者の白鳥和生さんと、
三人で語り合ったのが、
川野澄人さん。
もちろんヤオコー社長。
今取り組んでいる「朝一作業」は、
月刊商人舎から学んだとか。
うれしいなあ。
「学び、
学んだことを忘れ、
学び直すことができる人」
そして最後の最後は、
やっぱり川野幸夫さんと写真。
後ろに見えるのは、
協会事務局長の江口法生さん。
川野さんから求められて、改めて、
互いの電話番号を確認し合ったが、
何か連絡が来るかしら。
しかしこの協会は、
実に素晴らしい。
「学び、
学んだことを忘れ、
学び直すことができる組織」
だからです。
アルビン・トフラーの魂に、
合掌。
〈結城義晴〉