「ポケモンGO」のB2Bとオムニチャネルの視野
一晩中、雨音。
目覚めると、
窓の外には白樺の木立。
軽井沢プリンスホテルのコテージ。
新鮮な空気を吸い込んで、
朝が始まる。
朝食はいつものホール。
そして、雨と霧の中で、
一日、ゴルフを楽しんだ。
第一屋製パン㈱会長の細貝理榮さんが、
毎年2回ずつ、主催し続けるゴルフコンペ。
春は伊豆の川名ホテルゴルフコース、
夏は軽井沢72ゴルフコース。
今回の優勝は、
日比生泰宏さん。
37・43の80。
日比生さんとしては不本意だろうが、
雨と風と霧の中で、
私も一緒にラウンドして、
すごいゴルフを見せてもらった。
私はコンディションが悪い時には、
楽しむことだけ、考える。
負け惜しみだが。
JR軽井沢駅。
240店を集めた軽井沢アウトレットも、
霧に包まれて、今日は客数が少ない。
駅の向こうに広がるはずの緑の景色も、
霧に包まれて見えない。
軽井沢駅南北自由通路に、
絵画「日、のぼる」
現代アーティスト小松美羽さん作。
200号キャンバスのアクリル画。
浅間山から朝日がのぼる。
ニホンカモシカなどの動物が
活動を始める。
そんな絵画を1時間で描き上げて寄贈。
そのころ、横浜商人舎オフィスでは、
商人舎magazineのWeb会議。
こちらも活発な論議と提案。
ありがとう。
さて今日一日、日本列島を席巻したのが、
「ポケモンGO」の話題。
スマートフォンのゲームで、
世界中を興奮の渦に巻き込んでいる。
それが世界で37番目に、
いよいよ日本に上陸。
一昨日の水曜日のこのブログ、
「どん底の明日 頂上の下り」とポケモンGO上陸
で、すでに紹介したが、
それが延期されたとはいえ、
金曜日のローンチ。
テレビ各局はもとより、
新聞各紙でも取り上げられた。
日経新聞がやはり一番いい。
街に出て、スマホを取り出す。
ポケモンGOのアプリを立ち上げる。
歩き始める。
するとブルブルとスマホが震える。
スマホにはカメラ機能が起動している。
それを目の前の景色にかざす。
突然、スマホの中の路上に、
ポケモンの姿が現れる。
画面上の「モンスターボール」を、
指でこすって投げつける。
モンスターボールは、
ポケモンを捕まえたり、
移動の際に収納したりする道具。
ポケモンに命中すると、
ボールの中にとじ込める。
こうして街に出て、
ポケットモンスターを捕まえるゲーム。
それが「ポケモンGO」
「ポケットモンスター」は、
㈱ポケモン発売のゲームソフトシリーズ。
1996年の発売当初は任天堂からだった。
同時にポケモンは、
同作品に登場する架空の生物の総称。
このシリーズは、ロールプレイングゲーム。
現代に似た世界において、
ポケモンをパートナーとして、
ポケモン同士のバトルを行う。
それが「ポケモントレーナー」。
その「トレーナー」たちの冒険が描かれる。
このロールプレイングゲーム「ポケモン」が、
ポケモンGOとして新規開発された。
任天堂ではなく、ナイアンティック。
グーグルから独立した米国のベンチャー企業。
同社はすでに2013年に、
陣取りゲーム「イングレス」を配信して、
それが爆発的なブームをつくった。
イングレスを下敷きにして、
ポケモンのストーリーを発展させる。
イングレスもポケモンGOも、
スマホの全地球測位システム(GPS)機能が基本。
アプリを立ち上げると、
GPSの位置情報機能が働いて、
画面上に本物の世界に架空の世界が広がる。
ポケモンに近づくと、スマホのカメラが起動。
カメラが映した映像のなかに、
CGのポケモンが現れる。
実世界の映像にCGが組み合わされる。
「拡張現実」(Augmented Reality)と称する技術。
ユーザーはあちこち歩き回って、
ポケモンを探しては、捕まえる。
日経はビジネスモデルとして、
ポケモンGOを解説する。
スマホゲームの収益源は、
「ガチャ」と呼ばれる有料のくじ引き。
ユーザーは金を払って、くじを引き、
強力な武器やキャラクターを手に入れる。
それが収益を支えるという構図。
つまり直接の顧客から金をとる。
一般的な商売のやり方。
これに対してポケモンGOは、
有料アイテムはすべて価格が決まっている。
くじ引きの要素はない。
ナイアンティックのジョン・ハンケCEO。
「ゲーム内課金だけに頼ると、
利用者が疲れてしまう」
そこで収益源を企業との提携に置く。
例えば日本マクドナルドとの提携。
ポケモンGOは一種の広告媒体だ。
マクドナルドは集客に活用する。
ナイアンティックはもちろん、
マクドナルドから宣伝料を取る。
この動きは広がって、
複数の収益源が確保できれば、
ユーザーの負担が軽くなる。
ゲームそのものの寿命も長くなる。
つまりここでも、
Business to consumerが、
Business to businessを絡めて、
展開される。
日本マクドナルドの株価は高騰。
ポケモンパンを販売する第一屋製パンも、
株価が7%上がって、
細貝さんもにっこり。
B2Cが普通の商売。
それにB2BやC2Cが絡んで、
現代ビジネスは展開される。
中国のアリババ集団は、
ネット通販世界最大。
C2Cのタオパオが中国一番のサイトだが、
B2Cの天猫(Tモール)が中国二番手。
それにアリババ国際というB2Bも有する。
「オムニチャネル」の視野は、
C2C、B2B、B2C、
そして時にはC2Bまで巻き込んで、
ネットとリアルが融合するところに、
向けられていなければならない。
ポケモンGOは、
スマホゲームで新しい境地を切り拓いた。
〈結城義晴〉