セブン&アイとイオンの第3四半期決算の報告と忠告「数字づくり・体裁つくろい」に終始するな
昨日は、七草の節句。
朝から七草粥を食して仕事に臨んだが、
夜にも七草粥を供されて、
「小さな喜び」を二度、いただいた。
心から満足。
週末に向けて、
多忙を極め、
仕事は山積しているが、
気力は充実。
有難い。
さて第3四半期決算が、
次々に発表されている。
セブン&アイとイオンの第3四半期決算。
どちらもグループ全体では健闘したが、
内容としては対照的な結果となった。
㈱セブン&アイ・ホールディングスは、
売上高は前年同期比プラス0.2%の3兆8255億5700万円、
経常利益はプラス3.4%の1761億8800万円。
セブン-イレブン・ジャパンと世界のセブン-イレブンが全体をけん引し、
売上高プラス4.2%の1兆5556億3600万円、
営業利益プラス6.5%の1566億4500万円。
ここでいう売上高は本部のロイヤルティを中心にしたもの。
だから営業利益率が10.0%にもなる。
セブン-イレブン・ジャパン単体では、
営業総収入はプラス2.4%の4189億9500万円だったものの、
営業利益が8.7%プラスで1333億6900万円。
こちらの営業利益率は31.8%と凄い。
セブン-イレブンはもう、小売業ではない。
チェーン全店売上高はプラス4.6%の2兆2167億2600万円。
11月末での国内総店舗数は1万2985店と大台寸前、
9カ月で232店増えた。
その全店平均日販は6000円増えて、63万円。
タバコ販売が平均日販増加に寄与した。
しかし総合スーパーのイトーヨーカ堂は、
足を引っ張る結果となった。
売上高マイナス1.6%で1兆153億2100万円、
そして営業損失74億4100万円。
つまり赤字。
11月末の店舗数は171店で、これは新店5店、閉店8店で、
トータルではマイナス3店の結果。
住居関連マイナス12.7%、
食品までマイナス1.3%で響いた。
既存店ベースでは売上高マイナス2.1%、
客数マイナス0.4%、
客単価マイナス1.7%。
スーパーマーケットのヨークベニマルもやや苦しい。
売上高マイナス1.4%の2544億9700万円、
営業利益マイナス7.7%の56億900万円。
ただしこちらは食品がプラス0.9%、
住関連プラス0.2%で、
衣料品はマイナス3.8%。
既存店ベースでは売上げマイナス4.2%、
客数マイナス4.1%、客単価もマイナス0.1%。
百貨店のそごう・西武は、
売上高マイナス1.3%の6608億9300万円、
営業利益は赤字の21億2000万円。
外食のセブン&アイ・フードシステムズは、
売上高606億200万円のマイナス7.9%、
営業損失3億1300万円。
コンビニに次いで期待の星のセブン銀行は、
売上高マイナス3.4%で813億9200万円、
営業利益マイナス6.9%の221億1300万円。
コンビニ以外、総崩れの観あり。
しかし回復力、修正力がこのグループの特長。
そこに期待がかかる。
一方のイオンは持ちこたえた。
売上高は前年同期比プラス0.1%の3兆7323億200万円、
営業利益がプラス66.7%と激増し、933億5800万円、
それにつれて経常利益もプラス86.9%の1011億2800万円。
最終損益は491億円の黒字。
ちなみに前年は99億円の赤字だった。
総合スーパーのイオンリテールの売上高は、
マイナス0.3%だったが、
第3四半期には既存店プラス3.6%まで回復し、
総合スーパー業態の衰退感を脱したかに見えた。
ただし、在庫削減や経費コントロールといった管理業務の徹底による利益捻出で、
決定的な業態改革はこれから。
イオンはスーパーマーケット事業において、
日本唯一のナショナルチェーンだが、
その既存店売上高は、第3四半期に連続的に回復し、前年をクリア。
グループの総合力を発揮し始めた。
2月末の通期見通しは、
営業収益プラス0.1%の5兆600億円超、
営業利益はプラス15~23%、
経常利益はプラス19~27%といった水準。
株価には問題のない結果となる。
セブン&アイとイオン。
第4四半期もあと1カ月と3週間。
最後の追い込みにかけることになるが、
その努力の方向が根本的な問題解決に向かっていなければ、
来期の展望はない。
逆にいえば、これから期末に向けて、
表面的な数字づくりや体裁つくろいに、
終始してはならない。
むしろ、業態ごとに、単体ごとに、
膿は出し切ってしまうくらいの決意で臨む姿勢が必須である。
さて昨日は1日、㈱商人舎オフィスで仕事。
レジュメづくり、原稿校正、
結城ゼミ院生の論文読みこみなどなどなど。
夕方、東京・赤坂へ。
顧問税理士の宮田昇事務所へ。
赤坂サカスには、小さなアイススケート・リンクがある。
ニューヨークのロックフェラーセンターほどの広さはないが、
真冬の大都会の中のスケートリンク。
洋風の情緒たっぷり。
テレビ局のTBSが完全リニューアルしてできた施設。
そのTBSも夜になるとイルミネーションが美しい。
ショッピング&フードサービスゾーンはとりわけて美しい。
TBSストアーには、この寒空に行列をつくる若い女性たち。
私たちは、赤坂の料理屋「若竹」へ。
ここで突き出し替わりに、七草粥をいただくことになった。
新年会のメンバーは、
左から社労士の石澤清貴先生、
税理士の宮田昇先生、
そしてアド・パイン代表の松井康彦さん。
ご存知、商人舎エグゼクティブ・プロデューサー。
延々、4時間以上も、会話に花が咲いた。
石澤先生は㈱商業界の顧問を昨年12月で退任された。
私も社長時代にたいへんにお世話になった。
もともと出版社ご出身で、私と同い年。
その出版社の経営内容・労務環境などを熟知した先生。
数年前の苦労話などしていて、
鮮明にその時代の記憶が蘇った。
そして改めて気がついた。
私は、商業界時代とは、
異なる世界で、異なる人々と仕事をしている。
まさにこの3年間で「蛻変」を遂げた。
それが可能となったことに感謝したいと、
心から思った。
朝と夜の七草粥にも、
多謝。
皆さん、良い週末を、
とれる人には良い3連休を。
Everybody! Good Weekend!
<結城義晴>