セブン&アイ「100日プラン」に物申してダラスに出発
「100日プラン」
セブン&アイ・ホールディングスが、
井阪隆一CEOのもとで策定した、
中期3カ年計画。
井阪CEO就任時に、
「100日を目安に重点課題を洗い出す」
と表明したからこのネーミング。
内容を見て、
がっかりした。
2017年からスタートして、
2019年まで。
ん~。
細かな数値は発表されていないが、
まず3カ年計画という構想が、
物足りない。
2020年には、
東京オリンピックが開催される。
したがって少なくとも、
2020年を挟む6カ年計画と、
さらに9カ年計画でなければいけない。
3年+3年+3年。
ホップ、ステップ、ジャンプ。
最後の3年は朧げなものでもいい。
中期計画を重ねて、
将来の夢を語ることが大事だ。
100日でそれができるか。
そんな反論が来そうだが、
それをやるのが現在の、
セブン&アイのトップの仕事だ。
「グループ経営における新たな方向性」は、
「全国レベルでの総合的な
商品・サービスの展開」が基本で、
エリア・業態ごとの「選択と集中」を図る。
H2Oリテイリングとの提携が目玉。
7月にセブンの側から、
H2Oに頼みに行った。
関西の3百貨店を引き受けてもらう。
その代わりに、
H2OのSポイントを、
関西のセブン-イレブンが導入する。
ん~。
「中期3カ年計画重点施策」
①成長事業強化は、
セブン‐イレブン・ジャパンと、
7-Eleven, Inc。
その国内コンビニは、
日経新聞によると、
年間1800店の出店計画を、
100店減らして1700店とする。
閉店計画は600店を800店に増やす。
つまり店舗出店スピードを落して、
収益性の向上を図る。
ん~。
②構造改革事業改善は、
不動産再開発を含めて安定成長を実現。
安定成長か。
③シナジー効果は、
セブンプレミアムとオムニチャネル。
④選択と集中は、
H2Oグループとの取り組み等。
ん~。
そして2019年度連結数値目標。
①営業利益4500億円
②ROE10%
全体に株主のほうを向いている。
これが一番、気にかかる。
何かを止めたら、
何かを始めなければいけない。
何かを減らしたら、
何かを増やさなければいけない。
何かを減らして、
収益だけを上げる。
これは企業を買い取った、
ファンドのやり方だ。
これで鈴木敏文さん不在の、
全軍を動かせるか。
役員全員と徹底的に議論して、
死ぬほど考えに考え抜いて、
この「100プラン」をつくったのかなあ。
お客さんと社員・従業員のことを、
一番大切にしてほしいものだ。
鈴木さんのようにやる必要は、
全然ないよ。
さて、アメリカのウォルマート。
日経新聞にニューヨークから、
特派員報告。
2017年度の米国内新規出店を、
55店舗に抑える。
前年度比58%減。
2016年度は130店舗の計画。
スーパーセンターを減らして、
ネイバーフッドマーケットを増やす。
2015年度の新店は230店だった。
2017年はその代わりに、
ネット販売の拡充に投資を振り向ける。
アマゾン・コムを猛追する。
ここに焦点を絞る。
17年度の投資額は約110億ドル、
1ドル100円で1兆1000億円。
これは16年度と同じ水準。
16年度のネット関連投資は11億ドル。
月刊商人舎9月号でも報じたが、
ジェット・コムを33億ドルで買収して、
「打倒アマゾン」を明確に打ち出す。
ウォルマートはいつもいつも、
具体的で鮮明な政策を表明する。
セブン&アイにも、
それがほしい。
さて私は、
今朝6時に家を出て、
成田国際空港へ。
ベイブリッジから見る、
ヨコハマベイ。
秋の横浜は、美しい。
昨日までのミドルマネジメント研修も、
本当に充実していた。
疲れは溜まっているが、
この美しさがそれを癒してくれる。
今回は、毎年2回の恒例、
イオンリテールのアメリカ視察ツアー。
選抜された優秀社員10名との研修。
ダラスからニューヨークまでの、
4泊6日の弾丸ツアー。
第2ターミナルに到着し、
チェックインして、
会議室で結団式。
到着するとすぐに店舗視察をする。
したがって、ここでは、
この研修の目的と基本の考え方、
それからダラス市場の動静と、
主力小売業の最新動向を解説。
イオンリテールも上半期、
厳しい決算だった。
しかしこの研修で成果を挙げて、
秋の営業活動にも、
大いに貢献しよう。
そして出発前に記念写真。
人数が少ないからこそ、
充実した濃い研修内容になる。
私はむしろ、ワクワクしている。
帰国は10月20日。
ハロウィン商戦真っただ中。
大統領選挙も佳境に入る。
そんなアメリカ合衆国を、
ドキドキワクワクしつつ、
よりよく学ぶ。
ご期待ください。
(つづきます)
〈結城義晴〉