「春節」&国境の壁・自由の女神、生団連会長交代・賀詞交換会
昨日帰国して、時差ボケ。
もう、慣れてはいるけれど、
やはり変な時間に眠くなる。
その時差ボケを治す方法。
動き回ること。
体を疲れさせること。
そして風呂に入って、
酒飲んで、眠ること。
さて今日は、中華圏の大晦日。
そして明日の28日が、
「春節」の元旦。
その春節の休暇は、
1月27日から2月2日まで。
中華圏から多くの観光客が来日する。
だから日本の観光業やサービス業、
そして一部小売業にとって、
いわゆる書き入れ時。
昨2016年の中国人訪日観光客は、
過去最多の637万人だった。
一昨年よりも27%の増加。
ただしその一昨年の「爆買い」とは、
様相が変わってきた。
春節休暇の日本市場での消費行動も、
「昨日と同じ」ではない。
毎日新聞巻頭コラム『余禄』
永井荷風『あめりか物語』を引用。
「自分は今まで
此の様な威儀犯すべからざる銅像を
見た事は無い」
荷風は明治の終わりに、
ニューヨークの自由の女神像を見た。
「この銅像は新大陸の代表者、
新思想の説明者であると同時に、
金城鉄壁の要塞よりも更に
強力な米国精神の保護者である」
その台座にエマ・ラザルスの詩がある。
自由の空気を吸わんと
熱望する人たちよ。
身を寄せ合う哀れな人たちよ。
住む家なく、嵐にもまれし者を
我に送りたまえ。
我は、黄金の扉にて
灯を掲げん。
この「黄金の扉」とは、
自由の女神の横にある、
エリス島の移民局だ。
この精神がアメリカ合衆国の、
存在の意義である。
人間の間に垣根をつくらない。
トランプ大統領の大統領署名。
「米国は今日から国境を取り戻す」
メキシコとの国境に長大な壁を建設する。
その建設費2兆円は、
メキシコに負担させる。
余禄のコラムニストは語る。
「もし壁が築かれたら、それは
自由の女神と正反対の意味で
今日の米国精神のモニュメントとなろう」
日本と中国には、
壁はない。
海がある。
春節のこの時期、
その海を渡ってやってくる人々の、
その動機や理由こそ、
日本という国の価値を意味する。
出来得る限り、
日本精神を示したい。
さて今日は、
夕方から東京赤坂見附へ。
赤坂プリンスホテル跡地には、
「東京ガーデンテラス紀尾井町」
今や、ホテル、オフィス、住宅、
そして小売りサービス業の複合型施設。
私が向かったのは、
ホテルニューオータニ。
松本光雄さんと入口でばったり。
オール日本スーパーマーケット協会専務理事。
今日は「生団連」の臨時総会、
新年賀詞交換会。
国民生活産業・消費者団体連合会。
満場一致の拍手で、
2つの議題は可決。
そして壇上。
清水信次名誉会長と、
小川賢太郎新会長が握手。
清水さんは今年91歳。
日本チェーンストア協会会長、
日本小売業協会会長、
そしてライフコーポレーション会長。
6年前の2011年12月2日に、
生団連は清水さんによって設立された。
3.11東日本大震災の年だ。
「国民の生活・命を守る」ために、
消費者・製配販がひとつにまとまった。
2016年7月6日段階の加盟は、
製配販・消費者の555企業・団体。
その思想と志を引き継いでいくのが、
小川賢太郎さん。
ゼンショーホールディングス会長兼社長。
賀詞交歓会では、
来賓の政治家があいさつ。
そして懇親。
清水さんのそばには、
必ず岩崎さんが寄り添う。
平富郎さんと平野実さん。
平さんはエコス会長兼CEO。
平野さんは全日本食品社長。
似鳥昭雄さん。
ニトリホールディングス会長兼CEO。
アメリカのAKI-HOMEの話をした。
アメリカでのチェーンストア展開は、
ひどく難しい。
ここにも厚い壁がある。
齋藤充弘さんと平野さん。
齋藤さんは全日本食品会長で、
日本ボランタリーチェーン協会会長。
増井徳太郎さん。
新日本スーパーマーケット協会副会長、
紀ノ国屋ファウンダー。
森下留寿さん。
ライフコーポレーション常務取締役で、
管理統括本部長。
森下さんはフェイスブック仲間だ。
UAゼンセン書記長の木暮弘さんと、
流通部門長の藤吉大輔さん。
木暮さんは昨年9月に書記長就任。
頑張ってください。
清水さんは私の父と同じ大正15年生まれ。
故渥美俊一先生、故壽里茂先生とも同年。
まだまだお元気でいてほしい。
生団連専務理事の井上淳さん。
もちろんチェーンストア協会専務理事。
清水さんのサポート役。
記者たちからの質問に
30分ほども答えてくれた。
〈その詳細は、『商人舎magazine』で報告しよう〉
清水さんは最後の最後まで残って、
小川さんを慰労した。
この精神は見習わねばならない。
私は記者たちに拍手を促して、
清水さんのご苦労をねぎらった。
重厚長大の経団連、
軽薄短小の生団連。
春節の外国人客を迎えるのは、
生活と消費を担う産業だ。
それは人間たちの間に、
壁をつくらない産業だ。
その意義を深めたい。
〈結城義晴〉