「ビッグデータ売買に期待」とVisible Managerの時代
2月最後の日。
今日は寒い。
「三寒四温」(さんかんしおん)。
寒い日が3日ほど続くと、
次に4日ほど暖かい日が続き、
また寒い日が続く。
だいたい7日周期で、
寒暖の気候が繰り返される現象。
本来は冬の特徴だったが、
最近は春先の今頃に現れる現象。
これが面白いが、一般に、
寒い日は晴れで、
暖かい日は曇りや雨が多い。
こうして、少しずつ、
春に向かっていく。
そして春をイメーシ゛すると、
人々に笑顔がやって来る。
山笑ひ川笑ひ人笑ひ出す
〈朝日俳壇より 枚方市・山岡冬岳〉
それでも、まだ寒い。
赤ん坊はちゃんちゃんこを喜ぶ。
ちやんちやんこ小さき手小さきさやうなら
〈同 仙台市・三井英二〉
(長谷川櫂選評)この子の姿が目に浮かぶ。
ほんとうに「小さきさやうなら」なのだ。
小さきさようなら。
いいなあ。
著(き)ぶくれてゐてものろまと言ふなかれ
〈同 熊本市・内藤悦子〉
(長谷川櫂選評)自己弁明の一句。
「のろま」も、まんざらではないけれども。
(稲畑汀子選評)
寒さに対処するために著ぶくれている。
動きがにぶると自認して、
思わずつぶやいた一句。
そんな着ぶくれも、
今日で終わる。
「AJSネットワーク」が届いた。
毎月書き続けて、
私の連載は第111回。
ご愛読のほど。
明日から弥生、三月。
今日は朝から、
東京・御成門。
朝の出がけに、
財布を忘れた。
それでもSuicaがある。
電車に乗り込んだら、
残額は304円。
オットー!
私はいつもPASMOとSuicaに、
十分にチャージして所持している。
ところが今朝だけ、
財布を忘れて、
それに入っていたPASMOには、
8000円ほどのチャージ金額があった。
所持していたSuicaには304円。
とほほ。
何とか切り抜けて、
浜松町から歩いて、
カスタマー・コミュニケーションズへ。
「TRUE DATA」をブランドとするCCL。
その取締役会。
非常勤取締役も、
非常勤監査役も、
ずらりと揃った顔ぶれがすごい。
その取締役会では、
経営陣からうれしい報告。
感慨深い。
米倉裕之さん、ご苦労様。
しかし、これからです。
日経新聞一面トップにも、
良いニュース。
ビッグデータ売買に指針
日経の『きょうのことば』は、
「ビッグデータ」
「スマートフォンやあらゆるモノが
ネットにつながるIoT技術の普及で、
人の日々の行動や、
機械の稼働状況などを
全てデータ化することが可能になった」
こういった膨大なデータの集まりを、
「ビッグデータ」という。
そしてビッグデータを、
「人工知能(AI)を使って分析することで、
これまで“勘”に頼る部分もあった
マーケティングや商品開発を
精緻にすることができる」
CCLのTRUE DATAは、
そのビッグデータの一つで、
行政でも民間企業でも、
盛んに使われるようになった。
私は2008年からCCLの社外取締役。
もう10年になるが、
その間の変化は、これまたすごい。
「データ化できる情報が増えることで、
個人情報に該当するかどうかが
曖昧な『グレーゾーン』の情報も増えた」
5月30日に改正個人情報保護法が、
全面施行される。
指紋や顔認識データ、
さらにゲノム(全遺伝情報)など、
「符号」を含む情報が、
新たに「個人情報」として、
保護対象に加えられた。
そして個人が特定できないレベルまで、
情報を加工すれば、
ビッグデータの活用ができることも、
明確にされた。
昨年1月1日に発足したのが、
「個人情報保護委員会」
Personal Information Protection Commission。
略してPPC。
国家行政組織法上の「三条委員会」で、
内閣府の外局の行政委員会。
内閣総理大臣の所轄に属するが、
行政からの独立性が高い。
個人情報の保護に関する法律に基づいて、
2016年1月元旦に設置された。
単独で国家としての意思を決定できる。
違反企業に立ち入り調査できる。
さまざまな権限を持つ。
会計検査院や公正取引委員会などと、
類似して独立組織である。
単刀直入に言えば、
ビッグデータの利活用を所管する機関。
この委員会指針で、
具体的に加工方法が示された。
クレジットカードやPOSレジの購買履歴、
自動車の走行データなど5項目。
個人を特定できないようにするために、
氏名・電話番号、住所・番地などを削る。
「企業は指針に沿ってデータを加工すれば、
本人の同意なしで第三者に売買できる」
「指針の水準に達しない加工方法で
データを転売した企業が見つかれば
保護委は企業名を公表したうえで
指導、再発防止策も提出させる」
この委員会の設置は、
規制緩和に他ならない。
安倍晋三首相も、
この面ではいい仕事をしている。
期待が持てる。
CCLの取締役会は、
いつもよりすんなりと終わり、
東京駅へ。
空は青くて、雲は白い。
北大路八重洲 茶寮。
この茶寮でのランチミーティングも、
ベスト・マッチングで、
「いい日はいいな」
最後に日経新聞「一目均衡」
編集委員の西條都夫さんが書く。
「信頼されない日本のCEO 」
世界有数のPR会社「エデルマン」社。
毎年世界28カ国で、
「トラストバロメーター」調査を実施する。
いわゆる「信頼度指標」
各国で成人1000人強を対象に、
「政府やメディアを信頼していますか」
と、尋ねまくる世論調査。
その調査項目の中で問うのが、
「最高経営責任者(CEO)の信頼度」
その最新の結果を国別に並べる。
「日本はなんと最下位」
「CEOは信頼できる」と答えた回答者は、
わずか18%にとどまった。
1位はインドで70%。
なるほど、
マイクロソフトやグーグルの現CEOは、
インド出身者である。
一昨年、ワシントンを訪れた際に、
会ったのがZolfaghariさん。
マイクロストラテジー社の共同創業者。
かれもインド人だった。
西條さんの観察。
「国別の傾向を見ると、先進国では
総じてCEOへの信頼度が低い」
さらに西條分析。
「経済全体が成熟するなかで、
個別の企業もリストラを迫られ、
社員や社会に痛みを強いることが多い。
それがCEOに対する厳しい評価に
つながるのだろう」
ただし。
「先進国でも日本の低さは突出し、
ビリから2番目のフランスの信頼度23%
と、比べても5ポイントの差がある」
ああ。
しかし、なぜか。
ロス・ローブリー氏の仮説。
エデルマン日本法人社長。
「日本の経営トップが何を考え、
何をしているのか、
一般の社員や社会が
目の当たりにする機会が
諸外国に比べて少ない」
「このvisibility(可視性)の低さが、
信頼の低さにつながっている」
だから信頼される経営者になるには、
「可視性」の高さで傑出すること。
その代表を西條さんが挙げる。
まず日産自動車CEO退任は決まったけれど、
カルロス・ゴーン。
「東日本大震災の直後に、
東京電力福島原発にほど近い
同社いわき工場に足を運び、
『この工場は必ず復興させる』と
テレビカメラの前で宣言した」
米国企業ではユナイテッド航空CEO、
オスカー・ムニョス。
「visible経営者」として有名。
「愛嬌のある風貌で
各地の空港などを回り、
社員と交流する。
その結果、現場のモラールが
目に見えて向上し、
定時就航率が大きく上昇した」
ダイエーの故中内功さんが、
圧倒的にvisible経営者だった。
最近の柳井正さんもそうだし、
似鳥昭雄さんもそんな感じだ。
小売業、サービス業の経営者ならば、
店舗現場をよく回る人。
CCLの米倉さんも、
だんだん可視性の高いCEOになってきた。
可視性といえば、
ドナルド・トランプも、
それに当てはまりはする。
西條さん。
「CEOへの信頼が薄いと、
経営陣がいくら改革の旗を振っても
社員が呼応せず、
停滞が長期化する恐れがある。
今の日本企業は
その落とし穴にはまってないだろうか」
良きにつけ、
悪しきにつけ、
Visible Managerの時代、
Visible Presidentの時代だ。
財布を忘れる結城義晴も、
Visible Managerの一員で
ありたいとは思っている。
よろしく。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
日本のCEOの話は海外で良く聞きます。
私はベトナムに良く行きますが、ある経営者の人から
NATO会議で日本人CEOは
N(ノー)A(アンサー)T(トーク)O(オンリー)と
からかわれたとのジョークを聞かされた覚えがあります。
ベトナムでは決断(決済)がCEOの仕事の全てといっても過言ではないと思うところがあります。
持ち帰り?検討します?では全てを無くす可能性がある事を実感しています。
海外事業で大変勉強しています。
さて「結城先生と行くベトナムセミナー」の概要が
そろそろ決まりそうであると弊社担当者より報告を受けています。
楽しみにしています。よろしくお願いします。
宮本さん、ご投稿ありがとうございます。
日本のCEO、頑張ってほしいものです。
新世代は、それを克服してくれるでしょう。
期待しています。
6月のベトナムセミナー、詳細が決まりそうですが、
すぐに告知します。
よろしくお願いします。