「標準化」の呪縛を解け!
これほど誤解されている概念はない。
「標準化」「standardization」
最も標準となる「広辞苑」で調べる。
すると「標準に合わせること」
または「標準に従って統一すること」
その結果、「互換性が高まる」
では合わせるべき「標準」とは何か。
What is the standard?
同じく広辞苑。
①判断のよりどころ。
②あるべき形。
③いちばん普通のあり方。
ところが小売りサービス業、
とりわけチェーンストアでは、
「例外行動をなくすこと」となる。
だから経営者や幹部は嘆く。
「わが社では標準化が進んでいない」
「もっと標準化しなければならない」
コンサルタントは叫ぶ。
「おたくは標準化ができていない。
だから効率が悪い、生産性が低い」
しかし、本当の標準化は、
わが社だけのものではない。
良いものに、全体に、合わせることだ。
その分野の規格に合わせる。
全体最適の基準に従う。
プラットフォームがあればそれに乗る。
そのうえで競争する。
標準化の上で個性を発揮させる。
だから本来、「標準化競争」はおかしい。
標準化の呪縛を解け。
標準化の誤解を正せ。
標準化の亡霊を拭い去れ。
活用できるものは大いに使え。
多くが参画すればコストは飛躍的に下がる。
合理化、効率化が進み、生産性は高まる。
標準化は人類の英知によってもたらされた。
その進化は信頼感と透明性に支えられる。
この標準化の共通認識こそ産業化の礎である。
そして標準化は総体的な経費を削減する。
人々の仕事を軽減させてくれる。
標準の上に展開される個性化は豊かさをもたらす。
〈結城義晴〉