「人気商売」のランキングと「かっこいい・素敵な職場」
「人気商売」というけれど、
商売はすべて、
人気に左右される。
「人気商売」とは、
「世間の人気を得ることで成り立つ職業」
「人々の人気を得ることが必要な職業」
このゴールデンウィーク。
地域一番の人気だった店は、
この後の母の日商戦でも、
夏のお盆商戦でも、
人気一番で繁盛することになる。
東洋経済オンラインの5月2日記事。
文系学生「就職人気」
トップ100社ランキング
調査は文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所。
調査対象者は、来年2018年春に、
入社希望する大学生や大学院生。
全国の就活生の約3分の2は文系。
そこで文系学生の就職人気企業を、
ランキングした。
トップ10には前年の2017年とほぼ、
同じ企業が並んでいる。
1位の三菱東京UFJ銀行
2位のみずほフィナンシャルグループ
不動の人気だ。
なぜか三井住友銀行が入ってこないが。
3位 全日本空輸(ANA)
4位 野村證券
5位 JTBグループ
6位 損保ジャパン日本興亜
7位 日本生命保険
8位 大和証券グループ
9位 日本航空(JAL)
10位 JR東日本企画
金融関係人気は高い。
銀行、証券、損保、生保。
トップ10社中6社が金融となった。
それにANAとJALとJR東日本、JTB。
旅行に関する会社といってよいか。
以下、業種別にトップを見ていくと、
広告代理店は博報堂が12位、
食品メーカーは明治が17位、
出版社は集英社が19位。
印刷会社は大日本印刷が22位、
音楽関係はソニーミュージックが23位、
ゲーム関係はバンダイナムコが26位、
商社は伊藤忠商事が27位、
カード会社はJCBが30位、
新聞社は読売新聞が31位、
テレビ局はテレビ朝日が34位、
サービス業はオリエンタルランドが36位。
そして小売業トップは、
ファーストリテイリングが37位。
小売業2位はニトリの50位。
社会人経験の少ない大学3年生、
その人気投票だから、これがそのまま、
企業の価値を示すわけではない。
しかし小売業はまだまだ、
一般的な人気の職業ではない。
ちなみに日本最大企業で、
自動車産業世界第1位のトヨタは、
85位で人気が薄い。
日産自動車もホンダも、
100位に入っていない。
対して理系学生「就職人気」では、
1位・明治グループ、
2位・NTTデータ、
3位・住友林業、
4位・トヨタ、
5位・野村総合研究所。
小売業は100にランクインしていない。
この2つの記事に先立って、4月17日には、
2018年前半就職人気企業300が、
発表されている。
そちらの1位はANA、
2位は三菱東京UFJ銀行、
3位はみずほフィナンシャルグループ。
小売業は49位にファーストリテイリング、
61位にニトリ、
137位に三越伊勢丹グループ、
146位にそごう西武。
158位にイオン、
274位に阪急阪神百貨店、
296位に高島屋。
300位までランキングすると、
百貨店がずらり、
そしてチェーンストアとして、
イオンが158位にランクされる。
こういっては悪いけれど、
不振のそごう西武がここに入るのは、
この東洋経済の人気ランキングが、
イメージ優先のであることを示している。
調査期間は、
2016年12月1日~17年3月31日。
投票者1人が最大5票を有し、
志望企業を1位から5位まで選択する形式。
回答数は1万6851、
男子6223、女子10628、
文系14155、理系2696。
総得票数は47778票。
もちろんすべての学生が、
人気企業に入社できるわけではない。
このランク外の企業に入る方が、
圧倒的多数だ。
だから問題は入社してから。
Fortune「働き甲斐の企業ランク」など、
日本でも本格的な調査が必要だ。
そして、私は思う。
何よりも働く現場に、
人気が出なければいけない。
小売業やサービス業は、
その働く現場が一般公開されている。
だから現場をよくしたい。
学生向けにいえば、
現場をかっこよくしたい。
現場を素敵にしたい。
かっこいい人が働いている。
素敵な人が働いている。
そんな現場にしたい。
スーパーマーケットでいえば、
ヤオコーなどその域にある。
阪急オアシスも、
それに近づいてきている。
一方、日経新聞『日経ウーマン』
「企業の女性活用度調査」
1位は第一生命保険、
2位は住友生命保険、
そして3位に、
セブン&アイ・ホールディングス。
第一生命は社員5万6000人、
そのうち約9割が女性。
女性の管理職比率が24.2%。
2018年4月に25%以上を目指す。
住友生命は、
ワークライフバランス改善に取り組む。
午後8時にパソコンを、
強制的シャットダウンするなど、
早帰り施策を進めた。
セブン&アイは昨年調査でも2位で、
管理職登用度部門の2位が評価された。
こういったランキングで、
小売りサービス業が、
上位に食い込んできてほしいものだ。
昭和の時代の小売業では、
どんなものでも百貨店が上位だった。
そこにファーストリテイリングやニトリ、
イオンやセブン&アイが入ってきた。
産業レベルでみると、
まだまだ、です。
人気のある、
かっこいい、
素敵な、
職場をつくりたい。
少しずつでも、
それを目指したい。
最後に『message』から、
「一番の人気」
あなたの店が、
繁盛しているとする。
売上高の半分は、
実力なのだろう。
しかし、あとの半分は、
人気によるものだ。
人気とは、一番の者に
与えられる特権である。
あなたの店が
不振だとしよう。
不振の半分は、
店の実力による。
しかしあとの半分は、
人気がないからだ。
二番手、三番手、
四番手だからである。
では、
一番の人気は、
なぜ獲得できたのか。
そして一番の人気は、
どんなときに
逆転するものなのか。
何も競争がない時代。
すばやく時流をとらえた者が、
まず人気を博する。
人気は実力に決定的な影響を与え、
実力はどんどん向上する。
追いかける者がいくら努力しても、
この実力差は詰まらない。
どんなに消費が
冷え込んだときにも
どんなに営業不振が
蔓延しているときにも
一番人気の店は密かに
客の支持を伸ばしている。
二番手以下は
急激に落ち込む。
ただし、追う者の強みもある。
紙一重の差までは、
努力しだいで到達することができる。
しかし、この紙一重の差が大きい。
だから、そこから先は運に
めぐまれるしかないのかもしれない。
たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも、
自分で勝ちとるものでもない。
相手に恵んでもらうものである。
人気も、敵の過失によって、
ころがり込んでくるものなのだ。
人気を維持すること。
逆転すること。
それができるのは、
謙虚に、
実力と人気の力関係を
知る者だけである。
〈結城義晴〉
ゴールデンウィークもあと少し。
謙虚に、謙虚に、
売場をつくり、商品をつくる。
かっこいい、素敵な職場をつくる。
その実力がやがて、
産業を超えた人気をもたらしてくれる。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
本当にそう思います。
ありがとう。