大高善興「交遊抄」の「伊藤雅俊&鈴木敏文」と苦歴・艱難・練達
日経新聞最終面「交遊抄」
大高善興さんが登場。
もちろんヨークベニマル会長。
タイトルは「2人の師匠」
この2人の師匠とは、
伊藤雅俊さんと鈴木敏文さん。
セブン&アイ・ホールディングスの、
名誉会長と名誉顧問。
伊藤さんはイトーヨーカ堂創業者、
鈴木さんは実質的なセブン-イレブン創設者。
「伊藤雅俊さんと鈴木敏文さんに
出会っていなければ、
今日の私はない」
先日、インタビューしたときに、
「交遊抄」に書く、
と大高さんは教えてくれた。
大高さんが二人に学んだもの。
「伊藤さんからは
感謝と信用の大切さ、
鈴木さんからは
本質を追究する姿勢」
まず、伊藤雅俊さんに関して。
「父、善雄は伊藤さんを深く信頼していた」
1973年に、イトーヨーカ堂と資本提携。
この際、善雄さんは、
大髙4兄弟に語った。
「伊藤さんにかけてみなさい。
30年後に結論が出る」
東日本大震災のときには、
伊藤さんは翌日から、
「毎夕欠かさず電話をくれた」
伊藤さんは、実は電話魔である。
「お客さまへの感謝の気持ちで
一生懸命やれば、必ず道は開ける。
困っていることは言ってくれ」
後日、大髙さんが伊藤さんにお礼に言った。
「『ご苦労さん』と涙をこぼしてくれた」
伊藤さんは本当に情に熱く、
感謝を信用を旨(むね)とする。
一方の鈴木敏文さん。
大高さんは言う。
「私の経営観を大きく変えた」
その鈴木さんの口癖は、
「改善ではなく改革」
「未来を想像し潜在的なニーズをつかむ」
セブン-イレブンもセブン銀行も、
鈴木さんが生み出した。
「周囲が不可能と思うことをやり抜いたのは、
天才としか言いようがない」
その鈴木さんは、
「あまり感謝を口にしない」
大高さん自身、
「褒められたのは
グループのPB商品が成功したときの
一度だけ」
「逆に、挑んだ結果の失敗は責めない。
根底には相手を成長させるための愛がある」
鈴木さんに対して、
「愛」という言葉を使えるのは、
大髙さんだけだと思う。
「共通点は厳しさと真面目さ」
これこそセブン&アイの本質だし、
ヨークベニマルにも貫かれるものだ。
最後の言葉。
「仰ぎ見るばかりの2人の師だ」
今月の商人舎6月号。
特集の前に、
「緊急特別企画」として、
2本の読み物を掲載した。
総合タイトルは、
ベニマル新富岡店の「尊厳」
2011・3・11の東日本大震災。
そして福島原発事故。
福島県双葉郡富岡町の住民は、
避難指示を受けていたが、
6年が経過した今年4月1日、
その解除によって故郷に戻り始めた。
そして休業していたヨークベニマル富岡店は、
避難解除に先駆けて3月30日、
新富岡店として蘇った。
その尊厳ある復活のコンセプトとプロセス。
〈福島県富岡町役場フェイスブックより〉
大高善興さんに語ってもらったのは、
「野越え山越え」の苦歴
「原発避難解除の新富岡店は
僻地からの革新への挑戦です」
もう一つは[ドキュメント]
ヨークベニマル新富岡店「復活物語」
「灯台になりたい」の思いと
「野越え山越え」の精神
新富岡店の渡邉利彦店長と、
庄子鉄也いわきゾーンマネジャーの、
二人三脚の物語。
このドキュメントは感動します。
いい話です。
そして[Message of June]
一人のお客さまに誠実を尽くせ。
ヨークベニマル創業者の大高善雄は、
天秤棒を担いで農家を回った。
リヤカーを引きつつ家々を巡った。
一人のお客さまに誠実を尽くせ。
お客さまへの奉仕の精神が、
商売繁盛につながる。
儲けは奉仕の結果であって、
商売の目的そのものではない。
商売はお客さまのためにある。
「ベニマル商法」最後の第十二章。
言葉や態度が店相をつくる。
あなたはお店の代表である。
東日本大震災で津波に襲われ、
福島原発事故で避難指示の出た富岡町に、
住民たちが帰って来た。
そして新しい店は、
そのお客さまたちを迎える準備をした。
言葉や態度を慎み、誠実を尽くした。
しかし顧客も店も、
苦労の連続であった。
まさに「苦歴」を重ねた。
艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は、
失望に終わることがない。
(新約聖書・ローマ人への手紙5章)
会長大高善興言うところの「苦歴」とは、
艱難であり、忍耐、練達、希望である。
失望に終わることのない希望である。
〈結城義晴〉
[注]「練達」とは「練られた品性」のことをいう。
トップマネジメントはもとより、
ミドルマネジメントも、
ナレッジマーチャントも。
学者もジャーナリストも、
コンサルタントも。
学歴や職歴よりも、
苦歴が大切である。
艱難と練達が必須である。
〈結城義晴〉
[追伸]
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フォーマット戦略とポジショニング戦略の、
ケーススタディとしてぴったりです。