「予測できない不確実性」と第11回ミドルマネジメント研修会
今日のFinancial Timesから。
「大いなる不確実性の時代へようこそ」
By Wolfgang Munchau。
ちょっと長いけれど、
要約して紹介しよう。
マッテオ・レンツィ、
デビッド・キャメロン、
テリーザ・メイ――。
「全員が世論調査にだまされた」
「有権者が心変わりしたスピードが、
世論調査そのもの以上に
結果を大きく左右した」
「フランスの有権者は、
どの国よりも極端だった。
短期間に順次実施された選挙で、
政界エスタブリッシュメント(支配階級)を
事実上丸ごと全滅させたのだ」
「フランス国民は、選択肢をすべて
使い果たす過程にある。
もし彼らがエマニュエル・マクロン大統領に
幻滅するようなことになれば、
一体どうするのかと考えると胸が痛む」
世界の政治の兆候を並べておいて、
その特徴を整理する。
「我々の失敗は、
政治的に有用なものを
普遍的な事実と取り違えたことだ」
金融危機が、表向きは、
安定した政治・金融環境に見えたものを、
「ダイナミックなシステム」に変えた。
「このシステムの最大の特徴は、
大いなる不確実性だ」
「このシステムは、いくつかの数式で
モデル化することはできない」
「せいぜいできることと言えば、
局地的な不安定性を特定し、
それらを避け、何とか困難を切り抜け、
しっかり目を開いておくことくらいだ」
ジョン・ケネス・ガルブレイスが、
1978年に書いたのが『不確実性の時代』
「大いなる不確実性は、
とてつもなく大きな難題だ。
というのも、多くのことについて、
確信を持てないからだ」
「過去の傾向に基づいて
将来を推測することは、
もう確信できない」
「大いなる不確実性の世界では、
ギャンブルが難しくなる。
賭けの基盤となる情報が
以前ほど信頼できないからだ」
「これは当然、
投資家について言えることだが、
政治家にも当てはまる」
最先端の競争の中では、
商人にも同じことが当てはまる。
「最も大きな成功を収める政治家は、
マーケティング手法や世論調査ではなく、
有権者に対する深い理解と
自分自身の直感を頼りにする政治家だ」
これも商人に当てはまる。
「成功するためには、
我々は予測できるリスクと
予測できない大いなる不確実性の違いを
理解する必要がある」
予測できるリスク。
予測できない不確実性。
その違いを理解する。
「グローバル化したこの世界に、
ダイナミックなシステムの
特徴が備わっていることを
ひとたび受け入れたら、
我々の抱いている前提の多くが
ドミノのように倒れ、
そうした前提にしがみついている政党も
倒れていくだろう」
ドミノ倒しが、
起こっている。
一方、日経新聞コラム「大機小機」
「出でよ日本のマクロン」
フランス国民議会(下院)選挙。
マクロン新党「共和国前進」が、
単独過半数を握った。
マクロン大統領は3年前、
全く無名だった。
その39歳が大国を率いて、
左右両派の伝統的政党や
極右をはねのけて、
議会を制する。
「今年最大の『まさか』
といえるだろう」
コラムニストは指摘する。
「そんなマクロン氏のような人物を
最も必要としているのは、
わが日本ではないか」
「アベノミクスの4年間で
人々のデフレ心理はある程度は克服され、
ほどほどの成長に戻った」
「一方、短期で痛みを伴うが、
中長期で財政や社会保障を安定させる
構造改革には光が当たらない」
「我々がその状態に
慣れっこになっている」
丹羽宇一郎さんのいう、
「日本全体ゆでガエル」
コラムニストは訴える。
「ゲームチェンジャーが待たれる」
すなわち「流れを変える者」
「早く具体像を描き、
安倍晋三政権と
正面から競い合ってほしい。
緊張感が必要だ」
「出でよ日本のマクロン」
2017年6月20日火曜日。
今日からミドルマネジメント研修会。
もう第11回を迎える。
熱海駅に降り立つと、
駅ビルが大改装を終えて、
ショッピングセンターに変わっていた。
ネーミングは「ラスカ熱海」
ロータリーも整備されて快適。
目の前の橋を境に、
静岡県熱海市と神奈川県湯河原町に、
分かれる。
2012年から年2回ずつ、
初夏と秋に開催してきた。
そして6年目。
今年も全国から、
多くの参加者がこの地に集う。
ありがたい。
小売りサービス業にとって
大事な理念とミッションを、
2時間にわたって講義する。
倉本長治の「商売十訓」、
ドラッカーの三つの概念を通して、
商業近代化の根本思想を語る。
さらに三井高利の越後屋誕生から、
世界第1位企業ウォルマート誕生まで、
小売業の変革の歴史を語って、
その根本の考え方を紐解く。
2時間はあっという間に過ぎる。
そして、第3・4・5講義は、
鈴木哲男先生。
㈱リテイル・エンジニアリング・アソシエイツ代表取締役社長。
52週MDの第一人者、
かつ実践的指導では、
ピカ一の超人気コンサルタント。
月刊『商人舎』の大事な特集には、
何をおいても寄稿してくださる。
講義は52週MD とプロモーション、
そしてストアコンパリゾンをテーマに、
3時間半。
実践的な内容の連続に、
受講生は聞き漏らすまいと真剣そのもの。
この湯河原へ向けて、
早朝、出発してきた人もいる。
夜8時までの講義は、
ずいぶん疲れるはずだ。
さらに夕食が済んでも、
講義会場には復習をする人たちが集う。
明日の理解度テストのために、
夜遅くまで、自ら学習する。
それが脱グライダー人間を形成する。
そのきっかけをつくることこそが、
商人舎ミドルマネジメント研修会の目的。
時間は戻るけど、
鈴木先生の講義が終わるころ、
明日の講師の白部和孝先生が、
福岡から到着。
短い時間だけれど三人で歓談。
鈴木さんと白部さんは、年2回、
この研修会会場で逢う。
まるで彦星と織姫。
そういえば、七夕ももうすぐだ。
予測できるリスク。
予測できない不確実性。
その違いを理解する。
そして、出でよ、
マクロンのような商人。
〈結城義晴〉
[追伸]
商人舎流通SuperNews。
ツルハnews|
17年5月期売上高9%増・経常利益18%増で業界2位躍進
アークランドサカモトnews|
第1四半期売上高266億円・経常利益率10.5%
ドンキnews|
神奈川3店舗目の小型190坪「ピカソ能見台駅前店」開設
カスミnews|
那珂店を「フードスクエアカスミ」にフォーマット転換
マックスバリュnews|
ザ・ビッグエクスプレス前田店(札幌・349坪)改装開店
ジョイフル本田news|
千代田店(1万606坪)の2階専門店街をリニューアル
イオンnews|
ライトダウンキャンペーンを夏至・七夕に実施
セブン&アイnews|
全国18ショッピングセンターで「アリオバザール」開催
マックスバリュnews|
MV東海で管理栄養士監修の惣菜6種類を販売
三菱食品news|
スピリッツとリキュールの2種類「きちんと果実」PB発売
よりどりで、どうぞ。