ミドルマネジメント研修会と司馬遼太郎・城山三郎の「正直さ」
「しあわせのトンボ」
毎日新聞夕刊のコラム。
客員編集委員の近藤勝重さん。
「何だか嫌な世の中になってきたなあ」
そんな思いにかられると、
コラムニストはいつも、
司馬遼太郎と城山三郎の、
本を手にする。
「慨嘆にたえないのは政権の強権ぶりだ」
この間の安倍政権の法案成立を、
起承転結で整理する。
起=特定秘密保護法
承=安全保障関連法
転=「共謀罪」法
結=憲法改正
「こういう流れで見てみると憲法改正は、
総仕上げの意味を帯びている」
そこで、
司馬遼太郎『風塵抄』
〈われわれは旧憲法については
国民を成立させてくれた恩がある。
また、戦後憲法は、
個人を創りだしてくれた。
いまの憲法による日本国は
個々の自覚の総和の上に
なりたっているのである。
個々が正直さをうしなえば
たちまち崩壊してしまう〉
司馬のいう「正直さ」こそ、
ドラッカーのインテグリティだ。
〈むろん個々だけではない。
それを代表する国家機関や政治家が
不正直であれば、
手にもった薄いガラス器具を
落とすようにこわれるのである〉
城山三郎は対談集『失われた志』
藤沢周平の話を受けて語る。
〈気懸りなのは、
戦後も五十年近くたって、
専制の怖さを知らない人が
増えてきていることです。
それが腐敗と相まって、
専制が受け入れられやすい素地が
できつつあるように思えるんです〉
ドラッカーのマネジメントは、
専制を許さない。
ドラッカーを講義していて、
マネジメントの本質や、
意思決定のセオリー、
コミュニケーションの原則を語るとき、
司馬遼太郎や城山三郎と、
まことに共通していることを感じる。
ピーター・ドラッカーが生きていたら、
ドナルド・トランプや安倍晋三を、
どう評しているだろう。
そんなことを考えた。
さて湯河原の3日目の朝。
第11回ミドルマネジメント研修会も、
とうとう最終日。
8時前には、多くの受講生が、
大観の間に集まって、
テキストを広げる。
理解度テスト前の最後の追い込み。
2日目の白部和孝講師の計数講義と、
結城義晴の講義からの出題。
2回目の理解度テストが終わると、
皆の顔が一気にゆるむ。
それだけプレッシャーを受けている。
お疲れさま。
そして3日目の第1講義は、
高野保男講師。
「作業システムとLSP」
レイバースケジューリングプログラム。
高野さんはスーパーマーケットを中心に、
LSPと作業改善の第一人者。
全国を飛び回って指導する。
動画をふんだんに使った講義は、
わかりやすいし、
実務に即している。
2時間の講義を終えた高野さんと。
高野さんとは、7月に、
京都で食事をする約束をした。
楽しみだ。
午前の最後の講義は、
第2回の理解度テストの解説から始まる。
そしてジョン・マックスウェルと、
ケン・ブランチャード。
そのリーダーシップ論。
いわゆるHRM。
ヒューマンリソースマネジメント。
とくにケン・ブランチャード。
最後のメッセージは、
「自ら変われ」
自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
社会を変えることは出来ない。
商人舎設立以来、
ずっと言い続けてきた。
ミドルマネジメントこそ、
その先頭に立ってほしい。
受講生たちは、
専用バスに乗り込んで、
熱海と湯河原へ向かう。
笑顔で見送るが、
祭りの後の寂しさを
やはり、感じてしまう。
一人ひとりが、
インテグリティを喪失すると、
国家も産業も、会社も店も、
薄いガラス器が落ちるように、
壊れてしまうのである。
〈結城義晴〉
[追伸]
いつものように、
商人舎流通SuperNews。
今日6月22日編。
5月スーパーマーケット統計|
青果相場安とアニサキス報道で既存店▲0.6%
5月SC統計|
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西松屋news|
6月度は気温低下で夏需伸びず▲2.6%・既存店▲5.1%
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6月は出店効果で売上高5%増も既存店4%減
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