公取委のセブン-イレブンへの「勧告」と高原豪久の「行動主義」
今日の流通SuperNews。
ショッキングな内容ばかり。
公取委news|
セブン-イレブンを下請法違反で勧告。
関西百貨店の「価格カルテル」問題に続いて
今週二度目の公取委事件。
関西の三越伊勢丹も、
遅ればせながら公取の立ち入り検査。
大手小売業の大企業病か。
襟を正せ。
6月百貨店統計|
売上高1.4%増ながら、
三越伊勢丹だけ蚊帳の外の1.3%減。
Jフロント5.8%増、髙島屋4.4%増、
エイチ・ツー・オー リテイリング5.1%増。
三越伊勢丹に何が起こっているのか。
イオンnews|
サッポロと貨物船利用の共同運航開始。
イオンnews|
608㎡型「イオンスタイル新浦安MONA」
イオン新浦安は絶好調。
その衛星店舗をイートイン+マルシェで、
ピーコックストア跡にオープン。
ヨークベニマルnews|
いわき市12店目・泉下川店(629坪)7/28出店。
セコマnews|
全1181店にイオンの「WAON」導入。
セコマの現実主義に脱帽。
6月スーパーマーケット統計|
相場安・アニサキス報道で既存店0.6%減。
AJSの前田伸司常務理事、
無事報告のお役目を終えて、一安心。
ユニクロnews|
大阪駅直結「ルクア イーレ店」は、
1フロアGU併設タイプの2号店。
だんだんGUの存在感が高まってきた。
最初から指摘している通り。
ゲンキーnews|
6月決算で14%増収・42%増益。
新300坪タイプを1年に45店開発した。
すごい。
さて今日は、横浜商人舎オフィス。
(株)紀文食品のお二人。
堀内慎也さんと林直人さん。
堀内さんは商品企画部企画三課長、
林さんはマーケティング企画課長。
「紀文お正月フォーラム」
もう業界の風物詩のようになっている。
今年も9月5日と6日に、
東京で開催される。
その打ち合わせ。
しかし今年は残念ながら、
私は出演できない。
ハワイのビギナーズコースと、
重なってしまったため。
その代わりに、内容を確認し、
様々な提案をし、
ビデオで出演することになった。
今年の提案はさらに進化して、
すごくいいものです。
ご期待ください。
さて、日経電子版の経営者ブログ。
高原豪久さん、
ユニ・チャーム社長。
タイトルがいい。
「成果主義は結果主義ではない」
「私の考える『成果主義』とは、
『行動主義』です」
しかし実際には、
「成果主義=結果主義」の考え方、
実に多い。
高原さんの定義する「成果」は、
「数値化された目標の予実」ではない。
「会社が社員に期待するテーマ」が、
実践されたか否か。
それがユニ・チャームの「成果」だ。
仕事の結果は、
「社員の発揮した能力や努力とは無関係な、
外的要因に左右される場合があるから」
その通り。
だから結果に責任をもて、
というのは必ずしも当てはまらない。
結果責任は、社長や取締役がとるものだ。
「会社が期待するテーマを具体的に計画し、
それに対して自らが行動を起こしたことを
短期的には結果が十分ではなくとも
将来につながる重要な『成果』として
評価する」
「行動主義=成果主義」
これが高原さんの考え方。
ここでポイントとなるのは、
「計画の立て方と実行」
まず、目標設定。
「数値目標だけを重視するのではなく、
その数値目標を達成するための
手段・方法やアクションプランの
作り込みを重視することです」
「そして、社員に期待する行動を
単純明快に分かりやすく具体的に示し、
それを実践した人を評価することです」
ここで注意点。
社員に対して、
会社が「働きすぎ」を推奨していないと、
正しく認識してもらうこと。
社員一人ひとりが、
「自らの時間の裁量権は、
自分が持っている!」
という実感をもてること。
「社員の人間性を尊重した経営」
それを志向していると、
社員一人ひとりに、
心から納得してもらわねばならない。
そのためには、
より実務に近い現場において、
働き方や勤務時間についての裁量権を、
社員が自ら持ち、
自らその使い方を考える。
そんな集団への転換を着実に進めること。
「さもなければ、社員の犠牲の上に
業績を築いている会社」になってしまう。
ここで再び留意点。
「部下が主体的に行動するようになる」。
そのように促すこと。
「変革の目的が理解できないまま、
行動のみを強制すると、
多くの場合十分な成果が得られません」
そのためには、
「何度も何度も対話をくり返し、
納得した社員が主体的に
考え・行動するように促すこと」
時間の使い方の裁量権を自らが持ち、
「やるべきこと=やりたいこと」を、
「やれるように自己研鑽を続ける」
理想主義的に見えるかもしれないが、
高原さんは本気でそれを考えている。
ピーター・ドラッカー先生もそうだ。
身も蓋もないことのように思えるが、
実はそれしかない。
私も同じ考え方だ。
だから、繰り返し、繰り返し、
対話し、コミュニケ―ションし、
説得し、納得してもらう。
「やるべきこと」と、
「やりたいこと」を、
一致させる。
そして、
「やりとげたこと」を、
正しく評価する。
これが本当の「成果主義」だ。
本当の成果主義が貫かれた組織には、
大企業病や官僚化は現れない。
〈結城義晴〉