安倍首相・解散総選挙の「謙虚な実存」と「クッションの関係」
Everyone! Good Monday!
[2017vol38]
2017年第38週。
9月第4週。
台風一過。
大型で強い台風18号。
九州から中四国、近畿、北陸を通過して、
北海道へ抜けた。
温帯低気圧にトーンダウンする直前、
台風は瞬間的に再び勢いを増すから、
北海道も油断できない。
お見舞い申し上げたい。
そして今日は敬老の日。
今週土曜日が秋分の日。
台風を含めて、2017年の秋が行く。
しかし安倍晋三総理大臣。
来週木曜日28日の臨時国会冒頭で、
衆議院を解散して、
総選挙を実施する。
日程は、10月10日公示、22日投開票。
もしそうなるとしたら、私事で恐縮だが、
10月4日に出発して、アメリカを巡り、
23日月曜日に帰国する。
完全に重なってしまう。
ああ。
朝日新聞巻頭コラム「天声人語」
「相手が弱っている時を選んでの
攻めであるなら、しらけてしまう」
野党第1党の民進党は、
代表選挙のあとも、
離党者続出で低迷。
都民ファーストも準備不足。
そのうえ「一院制」などと、
どうでもいい思い付きを言い出している。
これが絶好の機会。
そう考えたか。
「臨時国会が吹き飛べば、
加計学園や森友学園の問題も追及されず、
一石二鳥なのだろう」
「このまま大義なき解散を迎えるなら、
今回は有権者がばかにされたことになるか」
北朝鮮の核実験や弾道ミサイルの件は、
今だ、解決せず、ここは重要なところだ。
「怒りを感じたとしても、
さて受け皿はとなると
寒々とした風景がある」
「民主主義の荒野である」
自民党の石破茂元幹事長。
「何のために解散するか、
その大義をしっかり
国民に示さなければならない」
大義なき解散。
たとえ勝利したとしても、
膨大な選挙経費だけ掛かって、
問題の解決は先送りとなる。
おそらく安倍晋三の汚点として、
歴史に残ることになるだろう。
大義はそれほど大事なものだ。
これこそ倉本長治第一訓。
「損得より先に善悪を考えよう」
さて、今週のスケジュール。
明日の火曜日から木曜日まで、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
もう第12回を迎えた。
知識商人養成という目的を、
少しずつ、一歩ずつ、果たしている。
研修生のみなさん、
楽しみにしてください。
金曜日は千葉県幕張。
イオンリテール米国研修事前講義。
そして土曜日は秋分の日。
あっというまに1週間が過ぎていく。
さて朝日新聞「折々のことば」2連発。
昨日の第876回。
「職業を役として
演じることによって、
われわれは、自分が
その職業的地位そのもの
であることを拒んでゐる」
(山崎正和『演技する精神』から)
「職場であれ家庭であれ、
人はそこである役を務めている。
社員の、あるいは親の役を」
安倍晋三は首相の役を。
「人はそこに生の支点を置き、
律儀にそれになりきるのだが、
務めることがかけがえのある役を
演じることであるかぎり、
人はその役の『外』に立っている」
今回の大義なき総選挙。
首相を役の「外」に立たせている。
「生きることのそういう形」を、
山崎は「謙虚な実存」と呼ぶ。
尊敬する劇作家・評論家。
そして「折々のことば」今日の第877回。
「たとえば人についても、
あの人が好き、と言うよりも、
あいつは好きだなあ、
という感じがありますよね」
(佐伯一麦『空にみずうみ』から)
「惚れる、つまりある人に魅了され、
別の人は目に入らないのではなく、
その人の横だと
無防備のままくつろいでいられる、
そんな緩衝地帯が人には要る」
「柵ではなく、
クッションのような」
「離れていても、
気が気でないというふうにはならず、
その人の存在がふとした拍子に
波紋のように伝わってくるような関係」
店とはこんなクッションのようなものだ。
商売はクッションの関係をつくることだ。
首相も大統領も、
社長も店長も、
柵であってはならない。
クッションのようでなければならない。
そのために「謙虚な実存」が必須だ。
では、みなさん、
今週も、大義と謙虚な実存で、
クッションの関係を築こう。
Good Monday!
〈結城義晴〉