プロ野球ドラフトの清宮幸太郎とユニクロ柳井正のAmazon No!
日本プロ野球ドラフト会議。
注目しすぎるとは思うけど、
早稲田実業高校の清宮幸太郎は、
北海道に指名権が与えられた。
日本ハムファイターズ。
本人も自覚しているようだが、
いいチームに入ったと思う。
東北高校のダルビッシュ有(現在31歳)、
大阪桐蔭高校の中田翔(28歳)、
花巻東高校の大谷翔平(23歳)。
高卒の選手がファイターズで育って、
日本を代表するプレイヤーに成長した。
だが早稲田実業から早稲田大学を経て、
同じようにファイターズに入った、
ハンカチ王子の斎藤佑樹(29歳)。
こちらは伸び悩んでいる。
清宮幸太郎もまずは、
抜群の体力・筋力の養成が急務だろう。
抜群でなければいけない。
頑張ってほしい。
ダルビッシュ有は、
2005年にファイターズに入団し、
7年後の2012年にメジャーリーグへ。
テキサスレンジャーズ。
そして今年7月31日に、
ロサンゼルスドジャースに移籍して、
ワールドシリーズに出場。
ゲームは信じられないほどの熱戦。
ロサンゼルス対ヒューストン。
ドジャース対アストロズ。
ダルビッシュは前田健太(29歳)とともに、
ワールドシリーズ進出の原動力となった。
そのマエケンは、
PL学園高校、広島カープから、
2016年にドジャースに入団。
ちなみにドジャースの日本人選手は、
これまでに8人いる。
1995年入団の、あの野茂英雄を皮切りに、
2002年の石井一久、
2003年の木田優夫、
2004年の中村紀洋、
さらに2006年の斎藤隆と、
2008年の黒田博樹。
そして2016年のマエケンと、
2017年のダルビッシュ。
ちなみに木田優夫は現在、
ファイターズのGM補佐となっていて、
今日、清宮幸太郎のくじを引き当てた。
何度も言うけれど、
ダントツの体力、筋力をつけること。
偉そうな物言いだけれど、私もかつては、
ジュニアソフトボール監督として、
横浜市大会で優勝したことがある。
なんちゃって。
さて柳井正さん。
ファーストリテーリング社長兼会長。
70歳でCEOを退く決意を表明したあと、
今度は、ニューヨークで言い切った。
「Amazon.comには出店しない」
「アマゾンでユニクロの服は売らない」
いわば、
「Amazon No!」
目先の売上げや米国事業の黒字化を、
安易には追いかけないということ。
当然と言えば当然のことだ。
ポジショニングを確立するには、
Amazon No! でなければならぬ。
米国ではミレニアル世代を中心に、
スマホで衣料品を購入する傾向が強い。
リージョナルショッピングセンターも、
その核店の百貨店群も、
だから惨憺たる売場の状態だ。
「Amazon Effect」
アマゾン効果。
そんなこともあって最近は、
ナイキまでAmazonに出店した。
しかしトイザらスは、
Amazonに出店して衰退が始まった。
シアーズのケンモアブランドは、
会社が危なくなってから、
目先の売上げ欲しさに、
Amazonのネットに店舗を開設した。
ユニクロは2006年11月に米国進出。
国際旗艦店「ソーホー ニューヨーク店」
2011年10月には、
グローバル旗艦店「5番街店」
さらにメガストア「34丁目店」
この3店舗は二桁増収が続く。
実際にZARAやH&Mにも負けていない。
GAPやForever21は打倒している。
すでに12年が経過して、
現在、45店舗の展開。
しかしその米国事業は連続の赤字状態。
16年8月期には合計74億円の損失、
17年8月期はそれを半減させたが、
それでも台所は苦しい。
そこで今年、自動販売機を設置し始めた。
空港やモールなどにセットして、
ヒートテック14.9ドル、
ウルトラダウンジャケット69.90ドル。
ヒートテックは円筒状の缶入り。
ウルトラライトダウンは箱詰め。
その箱に窓が開けられていて、
商品の素材や色が見える。
ロス近郊のショッピングモール、
クイーンズのショッピングモール、
ヒューストン空港など。
今のところ、全米の10カ所ほど。
柳井さんは言う。
「アマゾンが全ての市場を
独占するわけではない。
恐れる必要はない」
「自社でもっと良い、
物流機能を持たないといけない。
そのために提携すべきところは
アマゾン以外にたくさんある」
これはアメリカでも、
独自のオムニチャネルと物流機能を、
確立する決意の表明だ。
その原動力が、
「有明プロジェクト」
顧客情報から、商品企画、生産製造、
そして物流まで全てのデータを、
ITで一元化する。
例えば顧客がサイズや色、デザインを、
ネットやリアル店舗で注文すると、
「10日間で自宅に届ける仕組みを構築する」
柳井正のコンセプトは、
「情報製造小売業」
今日の商人舎流通SuperNewsでも、
ユニクロnews|
スマホで贈れる「ヒートテックeギフトサービス」開始
この柳井さんの心意気は、
Retailのワールドシリーズに、
出場しようとするようなものだ。
清宮幸太郎もそこまで目指してほしい。
しかし何よりも今は、
体力づくりと筋力づくりだ。
小売業でいえばそれは、
商品力と販売力である。
清宮幸太郎にとって、
情報力や経営力は、
まだ先の話である。
〈結城義晴〉