IDR望年ゴルフコンペと「今年のM&A」1位のセブン&アイ
天皇誕生日の祝日。
今上天皇は再来年2019年の、
4月末日にご退位の予定。
だから来年の12月23日までが、
平成の天皇誕生日の祝日である。
今日は29回目の今上天皇誕生日の祝日。
私は平成元の年1月に、
(株)商業界の食品商業編集長に就任した。
そしてそのころから、
世界も日本も変化し始めた。
1989年11月にベルリンの壁が破壊され、
1990年10月、東西ドイツが統一され、
1991年12月、ソビエト連邦が解体され、
この年、日本のバブルが崩壊した。
今上天皇も天皇として、
そんな時代を見てこられた。
私は編集長の立場で、
そんな世界を見ていた。
それはそれで私にとって、
ひどく刺激的で、極めて有益だった。
そんなことを思う。
今日は朝早く、東名高速道路を、
大井松田へ向かった。
中井PSと大井松田ITの間で、
トレーラーが炎上して、大渋滞。
しかし、何とか、
チェックメイトカントリークラブに到着。
富士山が美しかった。
青い空には飛行機雲が描かれ、
江の島から房総半島まで見える。
銀杏の木はすっかり葉を落とした。
一般社団法人流通問題研究協会。
略称はIDR。
1966年(昭和41年)に設立された、
公益流通研究機関。
日本の流通のかたちは、
初期の「遅れた段階」を通過して、
「先進の段階」に到達しつつあると、
IDRは考える。
現在は、真の生活者起点流通を志向する。
そしてそのために生活者の顔が見える、
流通マーケティングを新たに構築する。
それがIDRである。
現会長は玉生弘昌さん。
(株)プラネット代表取締役会長。
専務理事は橋本佳央さん。
顧問は前会長の三浦功先生。
(株)商人舎もこの協会の会員だ。
今年は8月9日に、
第34回「チャネル戦略研究交流会」で、
講演した。
テーマは、
「US Retail最新動向と2025日本流通」
そのIDR望年ゴルフ。
秋の快晴の日のような陽気で、
最高のゴルフラウンドを楽しんだ。
ちなみに新ぺリア方式のコンペで、
優勝は齋藤充弘さん。
全日本食品(株)会長で、IDR副会長。
準優勝は玉生弘昌さん。
もちろんIDR会長。
流通問題研究協会は、
忖度なしに副会長と会長が金銀を獲得。
そんな協会なのです。
ちなみに私も第4位に滑り込んで、
一応、満足。
さて、日経新聞に、
「セブンがベストM&A」
2017年も企業の合併・買収は活況だった。
その日本企業の今年の「ベストM&A」を、
14人の専門家が選出した。
その結果、第1位は、
セブン&アイ・ホールディングス。
商人舎流通SuperNewsでも、
今年二度、このニュースを報道した。
4月6日セブン&アイnews
米Sunoco LP社からコンビニ&ガソリン小売事業取得
12月6日セブン&アイnews
米国7-ElevenのSunoco LP社店舗取得最終段階へ
このセブン&アイの評価点数は、
2位に2倍近い差をつけた。
米国コンビニを33億ドルで買収。
「日本でのノウハウを生かせる」と、
「本業との相乗効果の高さ」が評価された。
「国内市場が主力のセブン&アイが、
成長を求めて海外展開を加速する姿勢」
これも評価された。
アメリカのコンビニは日本ほどに、
高いポジショニングを持ってはいない。
むしろ日本のコンビニの機能は、
ドラッグストアが担っている。
しかしそれでも、
今回のSunoco LP社は、
9月末段階で1346店舗を有する。
米国7-Eleven, Inc.は8716店舗。
だから単純計算でちょうど1万店に達する。
私もいい買収だったと思う。
柳井正さんも言う。
セブン&アイはセブン-イレブン専業になれ!
それならば世界で十二分に闘える。
その際には、思い切って、
イトーヨーカ堂やそごう・西武などを、
切り離してしまうこと。
つまり「集中と選択」を徹底する。
まあ、それはとても無理な話だろうが。
この日経の「今年のM&A」には、
日立関連が目立つし、評価される。
逆に、最も評価が低かったのは、
キリンホールディングス。
ハイネケングループのババリアに、
ブラジルキリンを売却した。
ブラジルキリンも2011年に、
キリンが買収して傘下に入れた会社だ。
今回はその時点の約4分の1の価格で売却。
そこに批判が集まった。
東芝メモリ売却も評価が低かった。
「債務超過を解消するためだったとはいえ、
稼ぎ頭の事業を手放した」と悪評。
国際的なM&Aは今後も増えていく。
セブン&アイやイオン、
ファーストリテイリングや、
ドン・キホーテなどが、
積極的に展開していくだろう。
そのときには、
どんな国でもどんな地域でも、
真の生活者起点流通が求められるだろう。
〈結城義晴〉