JR梅田駅地下の阪急オアシス「Kitchen & Market」内覧会訪問
3月30日金曜日。
「三月、去る」の3月も、
もうあと2日。
最後になって、急に暖かくなった。
やはり予言した通り、今年の桜は、
早仕掛け・早仕舞い・際の勝負だった。
その「三月、去る」の最終盤の今日。
重要な店舗のオープンが重なった。
商人舎流通スーパーニュースから拾うと、
ユニーnews|(2018.03.09)
コンパクトSC「アピタテラス横浜綱島」3/30グランドオープン
ニトリnews|(2018.03.27)
アピタテラス横浜綱島・ルミネ大宮に小型店3/30同日出店
サミットnews|(2018.03.22)
1114坪最大級「サミットストア下倉田店」3/30改装オープン
イオンタウンnews|(2018.03.05)
ダイエー跡へフード&ドラッグ「イオンスタイル君津」開業
イオン九州news|
イオン延岡SC改装オープン/専門店ゾーン200坪拡張
マルエツnews|
イトーヨーカ堂跡地「アクロスプラザ坂戸」核店舗で出店
マックスバリュ北海道news|(2018.03.28)
「ザ・ビッグ江別店」(827坪)3/30改装オープン
ファミマnews|(2018.03.27)
「FamilyMart+スーパーマーケットKINSHO」3/30オープン
ダイエー跡、イトーヨーカ堂跡など、
撤退跡への出店も多い。
そんなオープンラッシュの中、
私は、新横浜から
東海道新幹線のぞみで新大阪へ。
すぐに丹沢が見えてくる。
桜や菜の花、そして芽吹いた新緑。
富士はなくとも、
旅人の目を楽しませてくれる。
春霞で富士山は見えない。
新大阪駅から梅田へ。
梅田の駅ビルのルクア地下1階に、
4月1日、「フードホール」がオープン。
もともとは、
三越百貨店の食品フロアだった。
今日はその内覧会。
午前中が報道向け、
午後が関係取引者向け。
フードホールの核は、
「Kitchen & Market」
㈱阪急オアシスが挑戦した。
この最新フォーマットを仕上げたのが、
千野和利会長兼社長。
そして並松誠さん。
並松さんは4月1日に、
千野さんの跡を継いで、
社長に就任する。
実働部隊のトップの松元努さん。
専務執行役員 営業本部長。
4月1日からは開発室長も兼ねる。
店内解説してくれた志水孝行さん。
取締役常務執行役員。
4月1日には、営業本部商品統括室長、
店舗企画部長、販売促進部長を兼務して、
大忙し。
そして店内をくまなく案内し、
説明してくれた尾崎俊介さん。
執行役員総合企画部長。
店内でばったりお会いしたのが、
中野勘治さん。
「オフィスK」代表。
元三菱食品㈱社長・会長。
午後2時を過ぎると、
取引先のトップや営業幹部が、
次々に、続々とやってくる。
キッチン&マーケット。
コンセプトは、
「買う、食べる、集まる」
もちろん物販は、
スーパーマーケットそのもの。
だからデイリーユース価格を意識している。
そのうえでピザやパスタやコーヒー、
寿司やローストビーフやBQQなど、
売っている商品を、
その場で食べることができる。
物販と外食が混然一体となった店だ。
まさに阪急オアシス版イータリー。
現時点で日本最高峰のGrocerant。
内覧会では惜しげもなく、
試食がふるまわれる。
目玉は解体ショーを披露したばかりの、
マグロの握り寿司。
絶品。大満足。
この店はオープン後も、
なんと毎日、解体ショーを展開する。
関西のテレビクルーも取材中。
ピザショップでは
職人技の「空飛ぶピッツァ」を、
念入りに撮影。
500円ワンコインパスタも丁寧な撮影。
この模様は関西の夕方の話題をさらった。
各局のニュース番組はもちろん、
バラエティ番組でも紹介された。
180円の自家製プリンも試食提供。
濃厚でおいしかった。
阪急オアシスの女性スタッフたちも、
店づくりに参加した。
その一つが隠れ家的な、
このカジュアル野菜レストラン。
その女性スタッフたちと写真。
ドライフルーツのコーナーでも試食。
デリマーケットの女性スタッフ。
商品もプレゼンテーションも、
スケルトン天井の空間づくりも、
阪急オアシスらしい素晴らしい出来。
しかもこのフォーマットの基本が、
We Sell What We Cook,and,
We Cook What We Sell.
まさに「Grocerantを超える世界」
そう月刊商人舎3月号そのもの。
私はとてもうれしかった。
この店の詳細は引き続き、
月刊商人舎4月号で報告する。
大いに期待していただきたい。
さてニュースリリースでは未発表だが、
日経新聞は社会面で報道した。
「カインズ、二審も敗訴」
㈱良品計画が㈱カインズを提訴し、
一審で良品計画が勝訴したが、
今度はカインズが控訴して、
その判決が下った。
つまり二審判決。
結論は、
再び無印良品の勝訴。
カインズの敗訴。
裁判の内容は「知的財産高裁」。
無印良品は、
「自社商品に似た収納棚を販売した」と、
カインズに販売差し止めなどを求めた。
清水節高等裁判長は、
一審・東京地裁判決を支持。
カインズ側の控訴を棄却した。
その結果、
「販売差し止めと商品の廃棄」が命じられた。
カインズ側は、
消費者を対象にした独自調査をもとに、
棚の形状はありふれていると主張。
「機能上、支柱の構造なども似てしまう」
と反論したが、清水裁判長は、
「良品計画の棚のような構造を
採用しなくても棚は製造できる」
などとして退けた。
一、二審判決の内容を日経が書いている。
良品計画のプライベートブランドの棚は、
「ユニットシェルフ」の名称で、
累積で70万台が販売されている。
売れ筋商品だ。
カインズの「棚」は現在、
販売中止となっている。
「知的財産権」。
書籍や表現では「著作権」。
これからの小売業でも、
問題は頻発するに違いない。
阪急オアシスの「Kitchen & Market」も、
いろいろなところで真似られるだろう。
その「Kitchen & Market」も、
イータリーなどから学んだ。
どこまでが真似るで、
どこからが学ぶなのか。
この無印良品vsカインズ裁判。
現代の商業の問題点を表している。
以って自戒とすべし。
日経ビジネスの「今日の名言」
2018年3月27日版。
「本当に創造性の高い業務」ばかり
要求されるようになりつつある。
〈徳岡 晃一郎ライフシフトCEO〉
「少なくとも大企業では、
仕事の大半を占めていた定型的業務は
IT化やAIの出現、
市場環境の変化などによって、急減」
Kitchen & Market内覧会を訪れて、
「創造性の高い業務」を思った。
〈結城義晴〉