[日曜漫歩]オーガスタのアーメンコーナー
神は最初の月曜日に、昼と夜をつくり、
次の火曜日には、天をつくった。
水曜日に海と地をつくり、
植物を茂らせた。
木曜日には、
太陽と月と星をつくった。
金曜日に、魚と鳥を、
土曜日に、動物をつくった。
そしてこの日、自分に似せて、
男と女を創造した。
アダムとイブである。
そして、日曜日。
神は、休んだ。
私も日曜日は日曜漫歩。
今日はテレビ観戦でアメリカに飛ぶ。
Augusta National Golf Club。
米国ジョージア州オーガスタのゴルフ場。
世界4大ゴルフツアーの一つ、
ゴルフの祭典「マスターズ」。
1934年、ボビー・ジョーンズが始めた。
他の3つのゴルフメジャーは、
毎年会場を変えて行われる。
しかしマスターズだけは、
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。
全18ホールに、
個々のネーミングがなされている。
そのうちの11番、12番、13番。
「アーメンコーナー」と呼ばれる3つのホール。
11番ホールのネーミングは、
ホワイト・ドッグウッド(白いハナミズキ)
パー4、505ヤード。
12番はゴールデン・ベル(れんぎょう)、
パー3、155ヤード。
そして13番ホールはアザレア、ツツジ。
パー5、510ヤード。
このホールの最多ストローク13打。
1978年の中嶋常幸。
アーメン。
ではムービング・サタデーと呼ばれる、
今年3日目のアーメンコーナーを日曜漫歩。
11番のハナミズキ。
イギリスの天才ロリー・マキロイ。
505ヤードのパー4を、
みごとにツーオン。
そしてパッティング。
ん~。
はずれた。
12番はパー3のショートホール。
池にかかった小橋を渡ってグリーンへ。
難しいピンポジション。
花に囲まれた12番。
わが松山英樹。
パットが入らない。
ん~。
イーブン―パーのプラマイゼロ。
そしてアーメンコーナーの13番。
リーシュマンのティーショット。
ナイスショットを打っても、
左にクリーク(小川)。
ぐんぐんと進んで…。
グリーンが見えてくる。
11番は505ヤードのパー4。
13番は510ヤードのパー5。
グリーンの前にクリーク。
ほとんどの選手が、
第2打でグリーンオンを狙う。
わが松山はティーショットが、
フェアウェイをとらえられない。
しかしスウィングは素晴らしい。
ツーオンは果たせないものの、
エッジに運んで、
超級の腕前のアプローチ。
しかしそれでも今年は、
寄らない、入らない。
天才マキロイもツーオン狙い。
世界一のスウィング。
それでもクラブを落とすミスショット。
ボールはどこへ?
ツツジの中で見つかった。
ん~。
打ちます。
そして驚くべき成果。
でてきました。
そしてアプローチショット。
これはやわらかい。
オーガスタでは観客を、
ギャラリーとは呼ばない。
パトロンという。
厳しい目を持ったパトロンたち。
13番に最終組。
つまりトップに立つ者。
パトリック・リード。
第2打でグリーンを狙う。
腕力のある飛ばし屋の、
美しいフィニッシュ。
リードはオーガスタ州立大学出身。
まさに地元中の地元。
ツーオンの後のパッティング。
イーグル!!
ムービング・サタデーは、
動きの出る土曜日。
伏兵の地元リードが14アンダーまで突っ走った。
一方の輪が松山英樹。
顔色もさえない。
イーブンパーで21位。
まさに、アーメンのプレイだった。
パトリック・リードが、
無心のラウンドでトップ。
松山の調子はいまいちだが、
アーメンコーナーをプレイできるだけで、
世界最高プレイヤーの資格はある。
私も一緒にアメリカの土曜日の、
日本の日曜漫歩を楽しんだ。
いつか私もオーガスタでラウンドしたい。
アーメンと祈ろう。
〈結城義晴〉