商人舎4月号「生鮮Crisis」とCornell Japan大髙愛一郎さん
月刊商人舎2018年4月号、
本日発刊!!
[特集]
2018生鮮3部門クライシス!!
あらゆる業種業態が「食」に活路を求める競争時代――それが欧米や日本の先進的成熟社会である。しかしここでいう「食」とはグロサリーではない。生鮮素材であり、それを調理加工した惣菜である。さらにそれらを食べさせるグロサラントである。つまりコンビニエンスストアもドラッグストアも、ホームセンターもディスカウントストアも、もちろんデパ地下も、さらに書店までも、生鮮素材と惣菜とグロサラントを内包するストアフォーマットに変身する。しかしこんな新しい競争のとき、生鮮3部門を最大の武器としてきたスーパーマーケットや総合スーパーは、逆に「生鮮3部門の危機」を迎える。農業、水産業、畜産業の未来は無条件に明るいわけではない。野菜・果物は相場の乱高下に悩まされる。魚はどんどん食べられなくなっていく。肉は優等生の立場のプレッシャーに苦しむ。かくて近い将来、生鮮3部門は確実に売上高をダウンさせる。だが利益はアップさせることができる。阪急オアシスの革命的な「Kitchen & Market」がその「ジレンマ」に「解」を示してくれる。2018年の今、「生鮮3部門クライシス!!」――果たして危機脱出は可能か否か。その突破口と羅針盤をお届けしよう。
[Message of April]
新しい心・永遠の付加価値
[特集のまえがき]
生鮮部門Crisisと危機脱出の海図
Perishables Innovationを起こせ!!
〈結城義晴〉
[徹底討論]奥田則明✖結城義晴
生鮮と鮮魚の破壊的Innovationに挑め!
第1部|現状分析編
第2部|消費喚起提案編
巨匠の「目から鱗」!!
生鮮3部門決定的対策
「売上高は落ちるが営業利益は上がる!」
〈鈴木哲男〉
第1部 分析編
第2部 課題整理編
第3部 対策編
「惣菜的発想による店づくり」のススメ
第一人者が指導する生鮮・惣菜抜本改革策
〈林廣美〉
[特別企画]
KITCHEN & MARKETの革命
阪急オアシスはEATALYを超えたか?!
{独白}千野和利の17年
3つの改革と「キッチン&マーケット」の未来
「キチマはまさに一日にしてならず、です。私自身は、17年間の集大成と考えていますし、全従業員の成果が実ったと感じています」。㈱阪急オアシスの千野和利顧問は開口一番、こう言った。
大阪駅の商業施設ルクア地下2階に4月1日に誕生したフードホール。そのなかの核店舗が「キッチン&マーケット」、略して「キチマ」である。高質スーパーマーケットとして業界をリードしてきた阪急オアシスの決定版とも言える国内最高峰のグロサラント店舗だ。2001年段階で年商270億円の企業から、現時点で1200億円企業へと導き、さらに2兆円のグループを構築した17年の経営改革と、キチマに込めた想いを、千野さんに率直に語ってもらった。
阪急オアシス渾身の「Grocerant」フォーマット
KITCHEN & MARKETの全貌
Mercaゾーン
SWEETS AT HOMEゾーン
Fresh Gardenゾーン
DELI Stationゾーン
Gourmet Cornerゾーン
la Petiteゾーン
Meet&Eat Squareゾーン
[結城義晴の述懐]
地球イータリー化現象とEATALYを凌駕する条件
[商人舎magazine]Monthly連載
■新谷千里の「お客と社員に支持される生産性向上策」
■朝川康誠「経済心理学の世界へようこそ」
■嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論
■當仲寛哲のリテイル・インフォメーション・システム論
■石澤&長﨑の「こちら人事部」今月の経営人事・労務情報
今月も充実の内容となりました。
ご協力くださった皆さんに感謝します。
クライシスを指摘しましたが、
それはその危機を乗り超えるために、
必須の現状認識の共有です。
だから超一流の、実績も経験もある先生方に、
解決の考え方を教授してもらいました。
阪急オアシスの千野和利さんにも、
そのブレイクスルー型イノベーションを、
実証してもらいました。
そして千野和利さん、
17年間、本当にご苦労さまでした。
これからも業界への貢献をお願いします。
さて今日も1日、横浜商人舎オフィス。
午前中と夕方に来客。
夕方は、大髙愛一郎さん。
現在、(株)セブン&アイ・ホールディングスで、
デジタル戦略部デジタルマーケティングオフィサー。
2008年10月に、
コーネル大学RMPジャパンが創設され、
開講セミナーが開催された。
RMPはリテールマネジメントプログラムの略。
大髙さんはその初代事務局長。
私は初代副学長として、開講講演をした。
日米店長のパネルディスカッションもした。
コーネルの先生方も来日して、
現在のコーネル・ジャパンの礎が築かれた。
真ん中がエドワード・マクラフリン学長。
右端前列が私、後列が大髙さん。
大髙さんはコーネル大学ホテルスクール卒業。
だから向こうの先生方とも親交があった。
大髙さんとともに私は、
この産業内大学のコンセプトをつくり、
カリキュラムを組み上げて、
アメリカのコーネル大学と交渉をした。
そして快く了解をいただいて、
コーネル・ジャパンがスタートした。
大髙さんはいわば私の相棒だった。
左はビル・ドレイク教授。
その大髙さんの手によって、
「伝説の第1期生」の写真集ができた。
それを持ってきてくれた。
久しぶりの交流。
楽しかった。
ありがとうございました。
さて朝日新聞「折々のことば」
今日の第1075回。
時間は幾らでも
出来るわけだが、
「閑」にはならない。
(河野与一随想集『新編学問の曲り角』から)
「閑」は「ひま」。
編著者の鷲田清一さん。
「稀代(きたい)の人文学者は、
教職を離れた時、こう思った」
今朝、この言葉を見たとき、
私はまったく同感した。
2011年の11月に、
私はコーネル・ジャパンの副学長を退いた。
立教大学大学院教授の職は、
2009年4月に就任して、
2014年3月に退任した。
「ギリシャ語のスコレー(閑)は、
スクール(学校)の語源とされるが、
学校を去って時間が増えても
閑になるわけではない」
そのとき、その後も、同じことを感じた。
「それは時間ではなく空間の問題だ」
なるほど。
「時代を透徹した眼で見るには、
全体を俯瞰しつつ、
しかも出来事に沿って自由に移動できる、
そういう余裕のある距離感が必要だと」
「出来事に沿って
自由に移動できる、
余裕のある距離感」
これは学校だけではない。
会社から去るとき、
職場を移るとき、
自由に移動できる、
余裕のある距離感。
それは私にも大髙さんにも、
必要なことだし、
互いにそうしてきた。
ありがとう。
〈結城義晴〉