伊藤園大陳コンテスト審査会とカルビー松本晃「売りの極意」
鉄人・衣笠祥雄さん、逝去。
プロ野球広島カープで、
2215試合連続出場の最長記録を樹立。
1984年、カープは4度目のリーグ優勝と、
3度目の日本一に輝いた。
このシーズンに衣笠は打点王とMVP。
通算2677試合、2543安打、
504本塁打、1448打点、通算打率2割7分。
1987年、王貞治に次いで、
球界2人目の国民栄誉賞。
死因は大腸癌。71歳だった。
プレーぶりもひたすら真摯だったが、
引退してからの解説も真摯だった。
私はそれが好きだった。
ご冥福を祈りたい。
合掌。
さて、今日は朝から東京・清水橋。
伊藤園本社。
大陳コンテスト最終審査会。
今回は初めに雑誌用公式写真撮影。
私の右隣から本庄大介社長、
江島祥仁副会長、
そして本庄周介副社長。
左隣は松井康彦商人舎プロデューサー、
竹下浩一郎食品商業編集長。
それから審査員全員が着席して、
審査項目の確認。
そして審査と討議。
各コースの大賞になると、
細かい点も指摘しながら、
検討は慎重に行う。
江島副会長も本庄周介副社長も真剣そのもの。
そして店舗賞、企業賞が決まりました。
そのあと、江島副会長の部屋で、
抹茶をいただきながら、
いつもの情報交換。
これも審査会の楽しみ。
ありがとうございました。
さて日経新聞電子版「キャリアコラム」
松本晃カルビー会長兼CEO登場。
タイトルは「僕の人生は売り子」
松本さんは6月20日付で、
シニアチェアマンに就く。
伊藤秀二社長兼COOが社長兼CEOに就任。
伊藤忠商事を経て45歳で、
ジョンソン・エンド・ジョンソンに転身。
さらにカルビーに迎えられ、
業績も急回復させた。
ほかの人にない能力は何だと思うか――。
この問いにスパッと答えた。
「ものを売ること。
これに関しては(僕は)天才だね。
自分の人生はずっと売り子」
このあたりは茶目っ気たっぷりに語る。
「46年、とにかく売ってきた。
楽しかったね。
立場が変わっても、今も面白い」
まさに松本晃の信条は、
「売ることと見つけたり」
松本さんの「売りのテクニック」。
「人は買いたいものを買うんじゃない、
買いたい人から買う」
「つまり”僕から”買うこと、これが売り」
「一番大事なのは、クロージングです。
僕は細かいことは言わない。
まず今買ってほしい、あなたにだけです。
こう言ったら、ぐっとくるでしょう」
商社で工作機械を売り、
ヘルスケア分野に移り、
食品メーカーへ。
まったく異なる事業で経営トップで成功。
その「プロ経営者」の3つの条件。
第1に最も重要なのが、
「倫理観」。
「21世紀に経営者をやろうとするなら、
これがない人はどれだけ能力があってもダメだ」
ピーター・ドラッカーの言葉を思い出す。
「マネジャーとしてはじめから
身に着けていなければならない資質が
ひとつだけある。才能ではない。
真摯さである」
第2は「地頭(じあたま)」。
「学歴ではない。
学歴はクイズ力と記憶力を評価するだけ」
「それは仕事と何の関係もない」
地頭のいい人は、
「記憶するより考える癖をつけている」
さらに第3が「人から好かれること」。
松本さんはこの3つに加えて、
実績を問うてきた。
倫理観と地頭、さらに人から好かれる。
それがプロ経営者の条件。
そしてそれが、
「買いたい人」となる条件。
セルフサービスの売場にも、
そのプレゼンテーションにも、
松本晃流の「売りの極意」は適用できる。
第1に店や売場、店長や店員に、
倫理観が貫かれていなければいけない。
第2に地頭のいい会社や店であること。
地頭のいい商人であること。
それは考える癖をつけていること。
お客様のため、地域のためを、
いつも考えていること。
そして第3に、
人に好かれる店や商人であること。
それが「買いたい人から買う顧客」から、
買っていただける。
「買いたい店から買う顧客」から、
買っていただける。
まさに仕事とは、
「売ことと見つけたり」である。
そしてそこでは倫理観が、
真っ先に来なければならない。
「損得より先に善悪を考えよ」である。
〈結城義晴〉