平和堂米国視察研修第15団の初日ウォルマートの「いたずら」
東京成田国際空港を、
5月8日の午後6時20分に発った。
雨だった。
それから機内で、
Gogo Inflightのインターネットを使って、
ブログや原稿を書いた。
映画も3本ほど見た。
揺れの激しいフライトだった。
10時間後、テキサス州ダラス上空。
雲の切れ間に、
ダラス・フォートワースが見えてくる。
テキサス州で一番大きな商勢圏。
新興住宅地の造成が進む。
これこそサバーブと呼ぶ。
もちろんその住宅地は、
モータリゼーションによって、
快適な移動環境が保障されている。
トヨタがカリフォルニアから、
このダラス近郊に北米本社を移転して、
ダラス商勢圏はさらに活気づく。
入国検査の段階で、
一人だけ1時間ほど時間がかかったが、
無事に全員が揃って、
ウォルマートへ。
スーパーセンター。
衣食住薬のフルラインで、
25万平方フィート、約7000坪の1フロア。
イオンスタイルやイトーヨーカ堂の、
総合スーパーの2店分が1フロアで展開され、
集中レジで清算されると考えればいい。
1店平均年商1億ドル、100億円が基準。
従業員は450名。
左サイドが食品フロアで、
その入り口には
「Low Price」の派手なパネル。
青果部門ではオーガニックが増える。
カテゴリーによっては、
コーナーの半分ほどを占める。
しかもよく売れている。
インストアベーカリーは広大な売場だ。
肉はUSDAチョイスのプレミアムビーフ。
ウォルマートも急激に、
商品のグレードを向上させている。
しかしこの店は品切れが多い。
売れすぎたのか、発注ミスか。
どちらも起こりうる現象。
しかし品切れしたフェースは、
それがわかるようにふさがれている。
トレーダー・ジョーで有名な、
塩やガーリック。
トレーダー・ジョーでは1ドル99だが、
ウォルマートでは98セント。
牛乳は1ガロン(3.8リットル)1ドル98。
1リットル50円以下だ。
そしてあまたのロールバック。
エブリデーロープライスを標榜して、
売価を上げ下げしないことが、
ウォルマートの戦略だ。
しかしその固定された毎日特売価格から、
さらにお買い得価格に下げる。
それが「ロールバック」
ゴールドピークティは、
エブリデーロープライスで3ドル44だった。
それをロールバックで3ドル12に下げた。
そんな売場だ。
陳列ケース上段のパネル。
下げた値段の一番大きな「3」の数字の前に、
ピークティの商品を置いて、
「3」の文字を隠している。
これはユーモア。
みんな3ドル44セントはよく知っている。
だからそれをわざと隠すことによって、
「12セント」が強調される。
ウォルマートの売場には、
こんな仕掛けやいたずらが、
ふんだんに盛り込まれている。
ウォルマート・コムをお知らせしている。
同時に天井から吊るされたパネルでは、
オンラインで安く購買して、
この店でそのまま受け取れることをアピール。
菓子でもロールバックの嵐。
アパレルはキッズから。
テキサスは暑い。
だからサンダルは地域で圧倒的な品揃え。
アクションアレー(島陳列)のテレビ。
65型が649ドル。
店頭では10万アイテムだが、
オンラインでは100万アイテムを扱う。
だからウォルマートアプリを今すぐ、
ゲットしようとPOPで呼びかける。
暑いダラスの必須のコーナー。
サンゾーン。
2色の美しい縦陳列。
数千のロールバック。
セルフレジの活用頻度は高い。
店舗右側の入口は、
ホーム&ファーマシー。
バーベキューセットから入る。
そしてマザーズデーの花。
洒落たプレゼンテーション。
しかも「LOW PRICE」
ウォルマートは依然として、
いい店の状態を堅持している。
ちょっと食品の品切れが多かったけれど。
隣にサムズクラブ。
スーパーセンターは24時間365日営業が多い。
サムズは早仕舞いだし、休業日も4日ある。
メンバーシップだから入り口で、
カードを提示して入店する。
NEW!
Everyday Lower Price。
ウォルマートスーパーセンターよりも、
安くなければ存在価値がない。
コストコとそっくりの売場レイアウト。
ポロシャツは9ドル98と19ドル98で、
平台でのボリューム陳列。
主通路沿いの島陳列もド迫力。
冷凍食品売場は箱型。
これもコストコの真似。
青果は冷蔵ケースに縦陳列。
新しいロワープライスの例。
牛肉のブリスケットのブロック。
454グラム(1ポンド)2ドル80セント。
この部位は実にうまい。
それがこの驚くべき価格。
店長が出てきた。
ジョニー・ギラリーさん。
自慢の商品を説明する。
そしてクロワッサンを食べさせてくれた。
6個入りで5ドル98セント。
1個50円といったところ。
ディスカウントでも、
Serviceはどんどんする。
トレーダー・ジョーと同じだ。
平和堂の売場の写真にも興味津々。
そしてバルーンのプレゼント。
肩を組んで写真。
いい店長、いい店だった。
しかしコストコと比べると、
明らかに客数は3分の1だ。
ウォルマートのこのフォーマット、
ちょっと苦戦中。
夕方7時半。
レストランはソルトグラス。
ダラスでも評判のステーキハウス。
カウンターバーもある。
全員揃って、乾杯の準備。
もちろんテキサスビール。
「シャイナー・ボック」
乾杯の音頭は玉井宏幸さん。
アルプラザ金沢の支配人。
疲れ切ってはいるが
ビールはうまい。
そしてアスパラのフライの上に、
カニ乗せミディアムレアステーキ。
食べて飲んで、締めは、
三松眞吾さん。
アルプラザ守山支配人。
疲れ切った初日。
しかしシンプルな研修で、
大きな成果が上がりそうな予感。
楽しみにしてください。
〈結城義晴〉