ラスベガスBasic研修の講義・視察・調査・買物・大試食会
将棋の藤井聡太15歳、
七段に昇段。
素晴らしい。
将棋界の記録を、
ことごとく塗り替える。
天才と同じ時代を生きる喜び。
噛み締めたい。
さて商人舎Basicコース3日目。
イン・ラスベガス。
朝8時からはホテルの会議室で、
Basicコース恒例、
結城義晴の連続講義。
アメリカ視察の肝にもなる、
フォーマット戦略、
そしてポジショニング戦略。
さらには商品戦略の中核テーマ。
「コモディティとノンコモディティ」。
3時間まとめて講義すると、
語りたいことが十分に伝えられる。
満足。
講義を終えて専用バスで視察にスタート。
初めに向かったのは、
ラスベガス中心部から少し離れた郊外。
アルバートソン。
新店ということで期待をしていたが、
入り口のこのプロモーション。
「Buy one Get one Free」
1個買えば、1個おまけする。
隣の対面売場で扱っている、
高品質のプライムビーフ。
売れ残るから、パックして、
30%割り引いて売るしかない。
そして実はほとんどの商品が、
3割引きになってしまう。
ならば最初から、
30%安い価格で提案すれば、
もっと売れるのに、と思う。
さらにチョイスのビーフは、
「Buy one Get two Free」
1個買ったら2個付いてくる。
卵も大幅な欠品。
予想以上に売れたのか、発注ミスか。
あるいは物流が悪くて、
この時間でもまだ届かないのか。
客数が多くて、売れてしまったのなら、
まだ許せる。
しかしこの店の客数は多くはない。
それなのに品切れ。
新店なのに、この体たらく。
がっかりだ。
ボンズ。
アルバートソンとセーフウェイが合併。
セーフウェイの子会社ボンズも、
アルバートソンの傘下となった。
しかしこの店でも、
このプロモーション。
売れ残り品をさばくための値引き。
こんなに後ろ向きな営業政策はない。
アルバートソン・グループは、
全米第2位のスーパーマーケット。
なんとも情けない。
ハイ&ロー施策もここまで行くと、
何の魅力もない。
しかしウォルマートが出てくれば、
アルバートソンもボンズも、
ひとたまりもない。
そのうえ、クローガーのスミスは、
ラスベガス地区で24.5%のシェアを占める。
アルバートソンとボンズは、
ますます苦しくなる。
ウォルマート・ネイバーフッドマーケット。
ウォルマートが今、
オンラインとともに力を入れるのが、
この食品スーパーマーケット。
天井からは、セキュリティカメラ。
防犯対策らしいが、
ウォルマートだけでなく、
この地ではターゲットも、
防犯ケースを設置している。
こちらはさらにふくよかな女性マネキン。
このリアリズムがターゲットの良さだ。
大きいサイズを入り口で強調するのは、
隣に大型サイズ専門店があるからだ。
「レーン・ブライアント」。
そして最近、多用しているのが、
ターゲットの買物かごを、
大型化した可動式の島陳列什器。
売場で目立ってとてもよい。
ウォルマートの主通路上には、
「アクションアレー」という島陳列がある。
ターゲットはこの可動式什器で、
ウォルマートに対抗する。
移動可能で上品な島陳列。
なかなかのものだ。
ワイン大型専門店、
トータルワイン。
マーケットニッチャーを学ぶ。
5チームに分かれて、
各自テーマを決めて、
ディナーをつくる。
でき上がったメニュー、料理を、
プレゼンテーションし、試食する。
それを競い合う。
それが大調理大会・試食会。
厨房で一人気を吐いたのが、
鈴木健之さん、㈱スズキヤ逗子駅前店副店長。
レストランでの仕事の経験あり。
メイン料理は、
海苔で、父と書いた寿司。
この味が勝敗を決めそうだ。
男性だけのチームながら、
マグナムボトルのワインと、
切り花のブーケを用意して、
テーブルセッティング。
アメリカ、メキシコ、日本の3国を、
イメージさせるタコス3種がメイン。
星条旗を立てて、
テキーラのカクテルを用意。
日の丸を思わせる、
真ん中が赤いケーキまで並べた。
チーム3は、肉以外のメニュー。
「おいしいパスタが食べたい」と、
シーフードたっぷりの、
ボンゴレロッソがメイン。
オーガニックサラダ、
タコのマリネやから揚げ、
魚介のスープ、カナッペなど、
種類も豊富だ。
チーム4は最後までドタバタの不運。
まず買った食材が行方不明。
それもあって、メニューも変わった。
テーマは「日本が恋しい」。
テーマは実に良かった。
驚くべきは、
スイカにずぶりと突き刺した星条旗。
これには驚いた。笑った。
事務局のテーブルに
全チームの試食用のメニューが並ぶ。
これを食して、評価する。
今回は、特別賞を発表。
ルーレットをテーマにした、
チーム5に決定。
商品はママズ特製のケーキ。
粉からつくったお好み焼が美味かった。
いよいよ優勝チームの発表。
結城義晴が肩に触れたチームが優勝。
時流をとらえた三国同盟のコンセプト、
エビとアボカド、
海苔を挟んで巻いたタコスが、
とてもおいしかった。
味もさることながら、
チームワークが良かった。
それも評価ポイントを上げた。
シャンパンのミニボトルと、
チョコレートケーキが賞品。
おめでとう!
楽しい大試食会は、
あっという間に終了。
宿泊のフラミンゴホテルに到着。
長い長い一日。
ご苦労様。
(つづきます)
〈結城義晴〉