カルビー松本晃のRIZAPへの転身とファミマPBの「現場主義」
先週月曜日に、
2週間のアメリカ出張から帰国。
それから1週間。
講義、講演の連続。
イオンリテールと、
学習院マネジメントスクールと、
万代知識商人大学。
今日、久しぶりに、
横浜商人舎オフィス。
曇り空だが、木々の緑は深い。
遊歩道を犬と散歩する女性。
午前中には、常盤勝美さん来社。
ご存知、「商品前線」の気象予報士。
天候マーチャンダイジングの第一人者。
もちろん商人舎magazineでは、
「2週間天気予報」の連載が大好評。
その常盤さんが本を出した。
「だからアイスは
25℃を超えると
よく売れる」
基礎から学ぶ「ウェザーMD」
発行元は(株)商業界。
編集担当は木村俊雄さん。
昔の私の部下。
常盤さんの人生の転機。
大いに祝福したい。
夕方には、小松崎雅晴さん。
(株)イトーヨーカ堂の腕利きバイヤー。
その後、コンサルタントに転身。
産能大学では経営開発研究本部主幹研究員。
(株)商業界時代に、
売場革新や商品分類などに関して、
多くの原稿を書いてもらった。
単行本も発刊した。
「売場革新と新商品分類」はよく売れた。
久しぶりに会って、
ずいぶんと話し込んだ。
さて、松本晃さんの転職先が、
決まった。
(株)カルビー会長兼CEO。
行先はRIZAPグループ、そのCOO。
カルビーを退社して6月24日にRIZAPへ。
同社は個人向けトレーニングジムを中心に
ゴルフレッスン、料理教室など、
76社を展開。
2021年3月期の年商は、
現在の2.2倍の3000億円を目標に掲げる。
松本さんは自信満々。
「この会社の成長に、
寄与できると確信している」
(日経新聞記事)
カルビーでは、
2009年からの9年間で、
売上高を2倍、営業利益率を3倍にした。
多分、RIZAPグループも、
同じように成長させるだろう。
その松本さんの日経新聞夕刊の連載。
「あすへの話題」
昨日の連載タイトルは、
「現場主義です」
エッセイのイントロダクション。
「現場はいつも楽しい。
そこにはいつも真実だけがある」
日曜の朝は定点観測をする。
コンビニ6店、スーパーマーケット4店。
「同じルートで散歩がてら3時間」
メーカーから見た、
両業態の違いを明らかにする。
「コンビニの棚の商品は
週ごとにドンドン変わる。
限られた棚スペースを
メーカーは激しく奪い合う。
ここで勝つためにはメーカーは
強くならなければならない」
「コンビニは顧客と共に
メーカーを鍛えてくれているのだ。
厳しいけれど感謝している」
「一方、スーパーは
商品そのものももちろん重要だが、
同時に価格が厳しい。
少し値段を高く設定すると販売は
途端に激減したりすることが度々だ」
「顧客は間違いなく
我々メーカーよりはるかに賢い。
顧客をなめるとたちまち
しっぺ返しを食う」
「我々はここでも日々
顧客に鍛えていただいている。
品質を向上しながら
製造原価低減の努力を続けている」
そして、言う。
“Office is the most comfortable place,
but the most dangerous place in the world”
「オフィスは、
世界で最も快適な場所だが、
世界で最も危険な場所だ」
働き方への警鐘。
「オフィスで思いつき、
オフィスで商品開発し、
価格もそこで決めてしまって
発売する。
そして度々失敗する。
しかも反省せず現場も見ず
同じことを繰り返す。
全ての真実は
現場にあるのにもかかわらず」
これはカルビーに対する、
置き土産の言葉だ。
そしてすべての製造業や卸売業、
小売業のバイヤーに対する警鐘の言葉だ。
学者にもジャーナリストにも、
コンサルタントにも、
もちろん当てはまる。
私、松本晃のファンなのです。
最後に商人舎流通SuperNews。
ファミマnews|
糖質量押さえたRIZAP監修デザート&ラーメン3品発売
ここでもRIZAPがからむ。
ファミリーマートのPB。
デザートとラーメン。
糖質を抑えたアイテム。
レアチーズは糖質8.8gで173Kcal、
プリンは糖質8.9gで204Kcal、
またラーメンは糖質14.5gで302Kcal。
ファミマとRIZAPグループの共同開発。
開発商品数は累計で約70アイテム。
ファミマとRIZAP、伊藤忠商事が、
2016年10月に業務提携。
この協業の成果が70品目のPBとなった。
そして松本COOは伊藤忠の出身。
松本さんを中心に、
こういった協業は「現場主義」で、
進むんだろうな。
これからは確実に、
アライアンス(同盟)の時代です。
その際、核となる人物と現場主義が、
鍵を握る。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
いつもありがとうございます。
私にはカルビーの仕事で忘れえぬ思い出があります。
それは30年近く前、私は日用品の卸の営業マンとして、スーパーを担当していました。そこでよく会うカルビーのフィールドさんがおられました。女性の方で自社のポテトチップスを片手に、ハンディーターミナルに何か打ち込んでいます。私が何をしているのですか?と尋ねると、彼女は「製品の品質保持期限を打ち込んでいます。ポテトチップスは工場出荷時が一番美味しく、期限が過ぎると劣化します。スーパーの現場のデーターを工場にフィードバックしています、期限間近の製品は私が買い取ります。」との事でした。私はカルビーの製品品質に対する姿勢を知り、大変感動しました。
いまちゃん、ご投稿感謝します。
カルビーという会社は、
もともと素晴らしい社風を持っています。
いまちゃんが会った「フィールドさん」もその一人ですね。
私は故松尾雅彦相談役から頼まれて、
同社社員研修総会で講演したことがあります。
いい社風だったけれど、
どんな組織にもゆるみが出る。
そこで2009年、松本晃さんが呼ばれて、
会長兼CEOに就任しました。
立教大学大学院の結城ゼミ生の一人が、
修士論文で「食品廃棄問題」を研究したことがあります。
その論文のCaseStudyで、
カルビーの「返品ゼロ」を調査しました。
その論文を読んで、私は、
素晴らしい取り組みだと深く感動しました。
しかし、松尾さんはこの世を去り、
松本さんも会社を去り、
カルビーは正念場を迎えました。
頑張ってくれるだろうと思っていますが。