初代吉右衛門の口癖「一生修業・毎日初日」と商売の極意
Everybody! Good Monday!
[2018vol27]
2018年も半分が過ぎた。
昨日から7月。
関東甲信地方では梅雨日数23日で、
早くも梅雨明けした。
2018年第27週、
7月第1週です。
例によって、Weekly商人舎。
月曜朝一・2週間販促企画。
百貨店の二度の夏のセールを指摘する。
6月末と7月末のセール。
コンビニは夜割価格セール。
時間帯は夕方から23時59分まで。
セールや安売りが、
百貨店とコンビニで常態化してきた。
一方、連続的な食品値上げ。
7月1日からは小麦粉関連商品。
これまでチーズや納豆、ワイン、
ビール、コーヒーなどが値上げされ、
流通パンも値上げモード。
だから生活者の価格コンシャスは高まる。
そこでイオンも西友もフジなども、
PBを中心に「値下げ」を打ち出す。
7月は暑い暑い夏になりそうだ。
その暑さ特需が生まれる一方、
価格意識も高まる。
そこで熱い闘いが繰り広げられる。
さて、私の7月のスケジュール。
今日明日が月刊商人舎7月号の責了日。
明後日は大阪。
第22回コノミヤ会総会で記念講演。
夕方、戻ってきて、
そのまま成田空港のそばのホテルに前泊。
木曜日の7月5日から17日まで、
ダラス・ニューヨーク・シアトル。
帰国して18日は、
第一屋製パン取締役会。
19日は人間ドック。
20日は新名人会と夜、白幡懇親会。
24日は商人舎magazineWeb会議。
25日は万代知識商人大学。
26日、27日はinterviewが3件。
そして月刊商人舎8月号の入稿に入る。
熱いはずの1カ月は早い。
さてさて、日経新聞「私の履歴書」。
先月は作家の阿刀田高さん。
短編小説家が、
自分のことを書くと、
なぜ、つまらないのだろう。
薄っぺらな印象が、
全編に貫かれてしまった。
ファンの方には申し訳ないけれど。
ただし最終回だけはよかった。
「極論ではあろうが
“人は自分自身について語るとき、
それはつねに自慢話である”と
私はこう放言する立場である」
これは正鵠を射ている。
「卑下したり失敗を語ったり、
マイナス面を言うときも、
これは裏返しの自慢であることが多い」
以って自戒とすべし。
「かくてこの”私の履歴書”も
自慢のオン・パレード、
私ももちろんその例に漏れない」
だから、つまらなかった。
しかし最終回の言葉。
「昨今は死を意識することも多く
“花は散るために咲く”と
勝手に箴言(しんげん)を創って
座右に置いている」
「花は散るからこそ美しい。
人も、私たちの営みはすべて
死を意識することから
中身を濃くしてきた」
そして突然。
「AIは死ぬことができない。
――ざまあみろ――
ここにおいて人は
AIより優れている」
短編作家らしく、
最後は良かった。
7月に入ったら、
「私の履歴書」は、
二代目中村吉右衛門。
歌舞伎役者。
初代吉右衛門は母方の祖父で、
二代目はその祖父の養子に入った。
実父は七代目松本幸四郎の次男で、
八代目幸四郎。
その兄、つまり伯父は、
十一代目市川團十郎、
その弟の叔父は二代目尾上松緑。
いずれも名優中の名優。
初代吉右衛門の口癖がいい。
「一生修業、毎日初日」
「同じ役をひと月演じても、
毎日初日のような気持ちで演じなさい、
そのために一生修業しなさい」
「毎日初日」を、
アマゾンのジェフ・ベゾスは、
「Day1」と言って大事にする。
「役者にとっては毎日のことであっても
お客様にとってはその日限りなのです」
これ、商売の極意です。
では、みなさん、
「毎日初日」で今週も、
Good Monday!
〈結城義晴〉